サイズアウトした子どもの服や読まなくなった本など、不用品をフリマアプリで売っているという方も多いのではないでしょうか。
フリマアプリで売上があると、場合によっては確定申告をしなければなりません。
確定申告とは、1年間の所得を確定させ、それに応じた税金を精算する手続きのことです。
今回は、確定申告が必要なケースや、確定申告をする際の注意点などを解説します。
確定申告をし忘れた場合には、ペナルティもありますので、記事を読んで、ご自身が該当するかどうか確認しておきましょう。
フリマアプリで売上があれば確定申告は必要?
フリマアプリで売上があれば確定申告は必要なのでしょうか。
確定申告では1月1日〜12月31日までの1年間の所得を申告します。
まずは売上と所得の違いを押さえておきましょう。
売上と所得の違い
売上とは、いくら売り上げたか、売った商品の対価として手元に入ってきたお金のことです。
一方、所得とは、所得税法で「収入から必要経費を差し引いたもの」と定義されています。
例えば、フリマアプリで子どもの服を1,500円で売った場合、1,500円が売上で、そこから販売手数料や送料、梱包材の費用などを引いた金額が所得です。
確定申告をしないとどうなる?
確定申告をしなかった場合、無申告加算税や延滞税を払わなければなりません。
無申告加算税とは、その名の通り、確定申告をしなかった場合に加算される税金です。
原則として、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円超の部分は20%をかけた金額を払います。
ただし、1カ月以内に自主的に申告した場合には課されません。
一方の延滞税とは、定められた期限までに納めるべき税金を納めなかったときに課されます。
納付期限を1日でも過ぎたら発生するため、確定申告をし忘れたらすぐに支払いましょう。
参考:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」「No.9205 延滞税について」
フリマアプリの売上で確定申告が必要になるケース
確定申告を忘れてしまうと、ペナルティとして無申告加算税や延滞税などが課されます。
しかし、フリマアプリで売上があったとしても、全て確定申告が必要になるわけではありません。
ここではどういう場合に確定申告が必要になるのかを詳しく解説します。
ケース①営利目的で販売している
フリマアプリで営利目的で継続的に販売している場合、確定申告が必要です。
例えば、小物入れやアクセサリーなどのハンドメイド作品を継続的に販売している場合が該当します。
また、家具や服などの生活用動産(生活をするにあたって必要なもの)を売って得た所得は、通常課税されないため、確定申告は必要ありません。
ただし、生活用動産であっても、継続的で営利目的と判断されると、課税される可能性がありますので注意が必要です。
ケース②30万円を超える高価なものを販売している
フリマアプリで販売する商品が、1個の価額が30万円を超える場合は、確定申告が必要です。
例えば、貴金属や宝石、骨とう品などを指します。
これらの資産は譲渡所得の対象となり、売買した際には確定申告が必要です。
譲渡所得とは土地や建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって発生した所得のことです。
ケース③希少で高い価値があるものを販売している
プレミアがついている商品を販売している場合などは、確定申告が必要となります。
例えば、トレーディングカードや非売品の限定グッズなどは生活用動産ではなく、嗜好品に分類されます。
1回限りの販売では確定申告が必要ありませんが、継続的に販売していると営利目的とみなされ、確定申告が必要になる可能性があります。
「転売ヤー」など、希少で高い価値のあるものを継続して転売していた場合、商品の販売額や所得の合計額によっては、確定申告が必要です。
確定申告とは
確定申告で、1年間の所得を確定させ、それに応じた所得税を精算します。
税金を納め過ぎていた場合には還付金として戻ってきますので必ず手続きが必要です。
スムーズに申告できるよう、基本事項を押さえておきましょう。
確定申告の必要書類
フリマアプリの売上が生じた場合に、確定申告をする際の必要書類は以下の通りです。
書類 | 入手先 |
確定申告書 | 国税庁ホームページ 税務署 |
収入を証明する書類 | 自分 |
必要経費を証明する書類 | |
マイナンバーカード | |
【会社員の場合】源泉徴収票 | 勤務先 |
※事業として行っている場合には、白色申告書が必要です。
税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出している場合には、青色申告決済書や貸借対照表と損益計算書など、より多くの書類が必要です。
収入を証明する書類としては、表計算ソフトで取引日や金額、手数料、商品名などを入力したものを用意しておくといいでしょう。
また、必要経費を証明する書類には、梱包材を購入した際のレシートなどが該当します。
わからない場合には、税務署に問い合わせましょう。
確定申告の手順
今まで確定申告をしたことがない方もいるでしょう。
具体的な手順は、下記のとおりです。
1.必要書類を準備する
2.確定申告書を作成・提出する
3.(必要に応じて)税金を納付する
1.必要書類を準備する
先ほどご紹介した必要書類を準備しましょう。
勤務先で年末調整が済んでいる場合は、源泉徴収票も用意してください。
2.確定申告書を作成・提出する
入手した確定申告書に記入しましょう。
不明点がある場合には、最寄りの税務署に問い合わせるとスムーズに作成できます。
なお、マイナンバーカードとPC環境が整っていれば、自宅でパソコンからe-Taxを利用し、電子申告も可能です。
3.(必要に応じて)税金を納付する
申告書を作成した結果、所得税を納めなければならない場合は納付しましょう。
確定申告の期限は2月16日〜3月15日までですが、申告だけでなく、納付の期限も同様です。
申告だけ済ませて納付が遅れると延滞税が発生してしまいますので、なるべく早めに済ませましょう。
確定申告時の注意点
フリマアプリの売上を確定申告する際の注意点をまとめました。
制度をよく知って、税金の負担を軽減させましょう。
1.売上額によっては控除の対象外となる
フリマアプリでの売上額によっては、所得控除の対象外となるため注意しましょう。
例えば、所得が年間48万円を超えると、配偶者控除の対象外です。
もし、パートやアルバイトとして働いている場合は、その給与と合わせた金額で計算します。
扶養内での働き方を希望する場合には、所得が48万円を超えないように気をつけましょう。
参考:国税庁 「No.1191 配偶者控除」
2.会社にバレる可能性がある
会社員の場合、フリマアプリの売上を確定申告すると、会社にバレてしまう可能性があります。
なぜなら所得が増えた分、住民税が上乗せされるからです。
住民税は各自治体から会社へ住民税額を通知され、給与から天引きされます。
その通知によって、給与に対して住民税が高いことから、会社にバレてしまうのです。
知られたくない場合には、確定申告をする際、住民税の納付の欄で「自分で納付」を選択しましょう。
3.経費を忘れずに計上する
フリマアプリで得た収入を確定申告する際には、忘れず経費を計上しましょう。
経費を計上することで、納税額を抑えることができます。
例えば、フリマアプリでハンドメイド商品を次の条件で販売したとしましょう。
<条件>
販売価格:5,000円
材料費:3,000円
販売手数料:300円
梱包材の購入費:200円
送料:210円
材料費から送料まではすべて経費にできます。
上記の場合、経費が3,710円がとなり、所得は1,290円となります。
もし経費がなければ、販売価格である5,000円を所得として申告しなければなりません。
納税額を抑えるためにも、材料や梱包材を購入したときのレシートなどは、しっかり保管するようにしましょう。
営利目的で販売している場合は確定申告が必要
使わなくなった生活用動産(生活に必要なもの)を、売っている場合には確定申告は不要です。
しかし、営利目的でハンドメイド品や嗜好品などを販売している場合には、確定申告が必要ですので忘れず申告しましょう。
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