こんにちは。あしたばアシスタントFP(ファイナンシャルプランナー)の舘野です。
環境意識の高まりを受けて、エシカル消費という言葉も徐々に認知されるようになりました。
新聞や雑誌で「エシカル消費」という言葉を目にしたことがある人もたくさんいるのではないでしょうか。
今回は、このエシカル消費について概要を解説した上で、投資の観点からもエシカル消費を実践できる例をご紹介します。
ESG投資やSDGsとの違いも解説しますので、エシカル消費を正しく理解するきっかけにしてくださいね。
大好評の「無料iDeCoセミナー」も随時開催中!
エシカル消費とは
エシカル消費とは、人や社会、地球環境、地域に配慮した消費のことをいいます。
より簡単に表現すると、「社会や環境のことを考えた買い物(をしましょう)」ということですね。
消費者が各自の社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うことと表現することもできます。
(消費者庁「エシカル消費とは」をぜひご覧ください)
エシカル消費が注目されるようになった背景
貧困や人権問題、自然破壊など、私たちを取り巻く状況は決して良いとは言い難く、特に環境問題は関心が高い人も多いでしょう。
これらの問題の解決に向けて、私たち1人ひとりが「消費」を通じて貢献することで、人間だけでなく、動物・植物・魚みんなが暮らしやすい社会を作っていこうという考え方が根底にあるというわけです。
具体的なエシカル消費の例
エシカル消費の概要を知った上で、早速エシカル消費の具体例を見てみましょう。
ここでは、配慮する対象を3つに分けて、それぞれ具体的な行動を記載しています。
配慮の対象 | 消費行動の具体例 |
人・社会 | フェアトレード認証商品 |
売上金の一部が寄付される商品を買う | |
障がい者支援につながる商品を買う | |
環境 | 食品ロスを防ぐために食べられる分だけ |
地域のルールに沿うゴミの分別 | |
電球をLEDに変える | |
必要以上の包装を断る | |
マイボトル・マイバッグを使う | |
地域 | 地産地消 |
被災地で作られたものを購入する | |
地元のお店を利用する |
今日から実践できるエシカル消費も多く、「普段から気を付けている・すでに実践している」という内容も多いのではないでしょうか。
買い物の際にエシカル消費を心がけることで、より良い環境や社会の実現に寄与できると思うと、嬉しいですよね!
また、商品選びに迷った際には、
この森を守るマーク(FSC®)がついているティッシュなどを選ぶことで、自然とエシカル消費を実践できます。
ESG投資やSDGsとの違い
ESG投資
従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3つの要素も考慮した新しい投資をESG投資といいます。
ESGの例として、製品生産の際の地球温暖化への対応や生物保護などが挙げられ、エシカル消費(に取り組んでいるかどうか)は、ESG投資の際の評価対象になるというわけです。
エシカル消費に積極的に対応する企業は、投資を呼び込みつつ 社会的な評価を高め、自らの企業価値を向上させることにつながっています。
ESG投資についての過去記事をぜひご覧ください。(↓)
SDGs
SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことをいい、カラフルなロゴを目にする機会も増え、SDGsの考え方は日本でも普及しています。
SDGsの項目の中に、
12:つくる責任 つかう責任(持続可能な生産消費形態を確保する)
があり、環境に配慮した買い物を実践すれば、持続可能でより良い世界を目指すとする国際目標SDGsの達成にもつながります。
つまり、エシカル消費はSDGsの考え方の1つを達成する手段というわけです。
SDGsについての過去記事をぜひご覧ください(↓)
※SDGsに関する画像は国際連合広報センターより取得
Tweet
エシカル消費を実践する際に心がけたい2つのこと
①未来のことを考える
便利だから・簡単だから・安いから、という理由で購入することも多いですが、ぜひエシカル消費の視点を取り入れたいものです。
例えば、手軽だからと使い捨てのものばかり買うのではなく、長く使えるか、繰り返し使えるかと考えてみると良いでしょう。
今だけじゃなく、未来のことも意識したいものです。
②日本だけでなく海外にも目をむける
日本は世界的にみても非常に豊かな国です。
しかし、世界を見渡すと、
- 明日の食べ物や衣類にも困る
- インフラが十分ではなく、きれいな水が手に入りにくい
- 戦争中である
このような国々が少なくありません。
普段の生活で海外の遠い国のことを思い浮かべる機会はほとんどないですが、同じ地球上でいま起きていることにも継続して目を向けていきましょう。
エシカル消費はさまざまな企業でも実践されている
エシカル消費は何も個人に限った話ではなく、エシカル消費を実践する企業も増えています。
これは、倫理的忌避(倫理的でないことを避ける行為や考え方)が拡大し、企業としてのあり方を見つめなおす風潮が高まっていることも理由です。
例えば、企業が児童労働や強制労働で製品・材料を調達していた場合、ボイコットや不買運動にも発展する可能性があり、倫理的に「それは良くないよね」と消費者や社会が認識し始めているからこそ企業のエシカル消費が加速しています。
ここでは、みなさんもよく知っているいくつかの企業をあげ、企業が取り組むエシカル消費の一例をご紹介します。
スターバックス
農園で働く人の権利を保護し、公正で人道的な労働環境を実現するための基準を設けています。また、児童労働を認めず、法定最低賃金の支払いを遵守すると宣言しています。
マクドナルド
廃棄の削減に向けて、使用済みのオイル(廃油)を配合資料としてリサイクルしています。他にも、生産者の人権保護などを掲げ、会社独自の調達基準を設定しています。
花王
環境負荷の少ない包装容器を使用し、リサイクルできない破棄物をなくすことを計画しています。
ファーストリテイリング(ユニクロ)
世界11ヵ国にある生産委託先の縫製工場リストを公開し、サプライチェーンの透明化を図るとともに、適切な労働環境の実現に取り組んでいます。
上記の企業の他にも、さまざまな企業で買い物袋をプラスチック製から紙袋に切り替えたり、食品ロスを減らす取り組みが実践されています。
企業がエシカル消費を実践することで、企業イメージが向上します。
「子どもにまともな賃金を払わずに働かせながら原材料を確保している」という会社よりも、「児童労働は固く禁止し、仕事に従事する人にも正しい賃金が支払われている」という会社のほうが顧客や消費者が抱くイメージも異なるでしょう。
特に、Z世代と呼ばれる若い世代はサステナブル社会への関心が高いと言われることもあり、エシカル消費の取り組みは今後ますます重要になるでしょう。
ただし、企業がエシカル消費を実践するためには、これまでとは異なる生産方法、加工方法、流通の方法を考える必要があることが多く、コスト面などからまだまだ企業での取り組みも不足していると言わざるを得ません。
徐々に、エシカル消費の考え方が企業にも浸透すると良いですね。
投資でもエシカル消費を実践できる!?
エシカル消費と投資は、一見何も関係がないように見えますが実は深く関わっています。
先述の通り、エシカル消費を実践する企業が少しずつ増えており、例えばこれらの企業の株を購入して応援することで間接的ながら投資でエシカル消費を実践しているといっても過言ではありません。
最近ではエシカル投資と表現されることもあり、人・地球環境・社会に配慮している企業や事業を選んだ上で投資しようという流れがあります。
投資の際はこれまでのパフォーマンス(実績)や手数料などに着目する人も少なくありませんが、企業のエシカル消費の観点から投資先を選んでみるのも楽しいですね。
他人事では済まされない現状
今回はエシカル消費について、具体例を交えて解説しました。
日本では大量生産・大量消費が当たり前の時代がありました。
しかし、もうそのような時代ではないことを自覚し、私たち1人ひとりがエシカル消費を実践していく事が求められています。
エシカル消費は今日から実践できることも多く、無理のない範囲で継続して行うことが大切です。
私も、まずは「食品の買いだめ・買いすぎを避ける」ことを意識して、必要なものを必要な分だけ購入し、フードロスの削減に取り組みたいと思います。
また、エシカル消費はエシカル投資という言葉で表現されるように、企業にも広がってきています。
投資先の企業を選ぶ際には、エシカル消費を企業として実践しているかどうかという点を軸に選んでみてはいかがでしょうか。
↓↓↓弊社推奨の「低コストiDeCo加入窓口」はこちら↓↓↓