国の制度

【2025年4月〜】育休の手取りが10割!出生後休業支援給付とは?

育休中も手取り10割ってどういうこと?

2024年現在、育休開始から180日の間にもらえる育休手当は、休業前の手取り賃金の8割ほどです。

それが、2025年4月からは「出生後休業支援給付」の導入により、一定期間中の育休手当が手取り10割相当にアップすることが決まっています。

今回は、過去に育休を2度経験したあしたばライター司馬が、出生後休業支援給付について詳しく解説します。

あしたばライター
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2017年、2020年に育休を経験した私からすると、とてもうらやましい制度です!

子どもが生まれるとなると、一気にお金の心配が増えますよね。

  • 保険は見直したほうがいい?
  • 教育費はいくら必要?
  • 子どもとたくさんお出かけしたいけど、貯金もしなきゃ⋯

私も妊娠した喜びと同じくらい、お金の不安がありました。

あしたばライター
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誰かに相談したかったなぁ⋯

その不安、あしたばFPにご相談ください。

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育児休業(育休)の現状

育児休業とは、雇用保険に入っている人が、原則として1歳未満の子どもを養育するために使える休業制度です。

2024年現在の育児休業(育休)の現状について、育休手当の支給額と育休取得率に焦点をあてて解説します。

あしたばライター
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順に解説します!

育児休業給付金(育休手当)の支給額

育児休業中は、一定の要件を満たした場合に、育児休業給付金(育休手当)が受け取れます。

育休手当の支給額は以下のとおりです。

育児休業給付金の支給額

支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%(※)

(※181日以降は50%)

<休業開始時の賃金日額>
育休開始前6ヶ月間の賃金を180日で割った額

だいたい、1ヶ月の給料額面の67%が支給されることになります。

収入が67%に減ると思うと、家計には痛手だと思う方が多いのではないでしょうか。

しかし、給料額面では67%ですが、手取りベースで考えると8割相当になります

それは、以下の2つの理由からです。

  • 育休中は社会保険料(健康保険料・ 厚生年金保険料)の支払いが免除になる
  • 育休手当は非課税のため、所得税がかからない

(住民税は前年の所得に応じて決まるため、育休中でも支払わなければなりませんが、翌年度の住民税の計算には含まれません。)

いつも給料から天引きされている社会保険料や税金の支払いがなくなるため、育休手当の金額は、手取りの8割程度になります

育休 手取り 8割

手取りが20万円だった方は、約16万円の育休手当がもらえるイメージです。

このように、育休手当は会社を休んでいても一定の金額が支給されるため、お金の心配をせずに子育てに専念できるありがたい制度です。

育休の取得率

それでは、2024年現在、どれだけの人が育休を取得しているのでしょうか。

厚生労働省の「令和5年度雇用均等基本調査」による男女の育休取得率は以下のとおりです。

  • 男性:30.1%
  • 女性:84.1%

育休取得率

男性の取得率は、2022年度(令和4年度)の17.1%より大幅にアップしたとはいえ、女性に比べると、まだ男女の差が大きいといえるでしょう。

また、厚生労働省の報告書(※)によると、男性が育休を取得しなかった理由で最も多かったのが「収入を減らしたくなかったから」というものでした

(※厚生労働省委託事業 令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書)

あしたばライター
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正社員では39.9%、正社員以外では46.4%と半数近くがこの回答!

職場が育休を取りづらい雰囲気だったり、どうしても仕事を休めなかったりという理由もありますが、やはり収入減を懸念して、育休取得を諦めている方が多いことがわかります。

育休手当は、支給されるといっても手取りの8割。

子どもが生まれ、これからお金がかかる時期に「給料が少しでも減るのは困る⋯」と育休の取得をためらうのも無理はありません。

あしたばライター
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実際に、私も収入が減るのが嫌で主人の育休を断念しました⋯

育休中の手取りが10割!出生後休業支援給付とは?

政府は、民間企業における男性の育休取得率を2025年までに50%、2030年までに85%にすることを目標としています。

夫婦ともに働き、子育てする「共働き・共育て」を推進する施策のひとつとして、男性の育休取得を当たり前にするために、新たに創設されたのが「出生後休業支援給付」です

これが「育休中の手取りが10割になる!」と言われている制度です。

ここでは、出生後休業支援給付について、詳しく解説します。

あしたばライター
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順にお話します!

出生後休業支援給付の概要

現行の育休手当の給付率は、休業前賃金の67%で、手取りの8割相当です。

出生後休業支援給付とは、一定の条件を満たしたときに休業前賃金の13%相当額が育休手当に上乗せされる制度です。

これにより、育休手当とあわせると給付率は80%(67%+13%)、手取りで10割相当となります

育休 手取り 10割

なお、出生後休業支援給付の支給期間は最大で28日間です。

手取りの10割、つまり休業前と変わらない金額が支給されるため、育休中の収入減を心配する必要がありません。

あしたばライター
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出生後休業支援給付により、男性の育休取得率アップが期待できますね!

出生後休業支援給付は2025年4月からスタートします。

出生後休業支援給付の支給要件

以下の条件で、父母の両方とも育休を取得した場合に、出生後休業支援給付が受けられます。

取得時期父親:出産後8週間以内
母親:産後休業後8週間以内
取得日数父母の両方とも14日以上

出産後8週間以内とは、産後パパ育休(出生時育児休業)の期間です。

産後パパ育休(出生時育児休業)とは

出産後8週間以内に、最大4週間(28日間)の休業を2回に分けてとれる制度。

出産直後の母親は身体の負担が大きく、サポートが必要な時期。

赤ちゃんが生まれた直後の大変な時期に、父親が育休をとりやすいようにつくられた制度です。

産後パパ育休中は「出生時育児休業給付金」が受け取れます。

産後パパ育休と育児休業とは別の制度ですが、給付率は育休手当と同じく休業開始時賃金日額の67%です。

産後パパ育休については、こちらの記事で詳しく解説しています。

産後パパ育休と給付金とは?制度やお金の疑問をわかりやすく解説2022年10月から、男性の育児参加を促すために「産後パパ育休(出生時育児休業制度)」制度が始まりました。既存の育休制度とは別に取得可能な制度として注目されていますが、いまいち理解できていない方も多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、産後パパ育休制度について、制度内容や給付金の疑問などをわかりやすく解説していきます。...

出生後休業支援給付は、父親が産後パパ育休を、母親が産休後8週間以内に14日以上の育休を取得することでもらえます

育休の取得時期と給付率のイメージは以下のようになります。

出生後休業支援給付で育休手当はどれぐらい増える?

では、出生後休業支援給付により育休手当がいくら増えるか計算してみましょう。

例)

  • 父親の月収:40万円
  • 母親の月収:30万円
  • 出産後8週間以内に父親が25日間の育休を取得
  • 母親は産休後に続き、子どもが1歳になるまで育休を取得

この場合、25日間の育休手当は以下のとおりです。

育休手当 比較

夫婦合計で7.6万円も増えることがわかりました。

産後の8週間という大変な時期にパパのサポートでママの負担が減り、さらに支給額もアップするのですから、ぜひ利用したい制度ですね。

あしたばライター
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私もこの制度があれば、主人に必ず育休とってもらいます!

出生後休業支援給付についてよくある質問

最後に、出生後休業支援給付についてよくある質問について回答します。

出生後休業支援給付についてよくある質問

あしたばライター
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順にお答えします!

配偶者が専業主婦(夫)や自営業のときは?

出生後休業支援給付は、夫婦ともに育休を取得することを前提としています。

ひとり親の場合や、配偶者が専業主婦(夫)や自営業でそもそも育休がない場合は、支給されないとなると、不公平に感じますよね。

ですが、以下の場合は、配偶者の育休がなくても支給されるのでご安心ください。

  • 配偶者がいない場合
  • 配偶者が自営業の場合
  • 配偶者が専業主婦(夫)の場合

この場合は、雇用保険に入っている夫婦のどちらかが育休を取得すれば、出生後休業支援給付は受けられます

上限はある?

育休手当はもらえる金額に上限があります。

上限額は毎年見直されますが、2025年7月31日までの休業開始時賃金日額の上限額は15,690円です。

出生後休業支援給付の最大支給期間は最大で28日間のため、もらえる育休手当の上限額は294,344円(15,690円×28日×67%)となります。

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育休前にいくら給料をもらっていても、これ以上はもらえません!

上限額に達する月収は約44万円です。

そのため、育休前の月収が約44万円以上の方は、出生後休業支援給付が上乗せされても手取りより少なくなってしまうでしょう。

手取り10割と言っても、このように一定額以上の給料をもらっている方は、手取りと同じ金額はもらえません。

まとめ:2025年4月からの出生後休業支援給付でぜひパパも育休取得を!

今回は、2025年4月から新たに導入される「出生後休業支援給付金」について解説しました。

この制度では、父母が特定の条件下で育休を取得すれば、育休手当(手取り8割相当)に加えて13%が上乗せされることで、手取り10割相当に増額されます

出生後休業支援給付金をもらうには、夫婦とも以下の条件で育休を取得することです。

取得時期父親:出産後8週間以内
母親:産後休業後8週間以内
取得日数父母の両方とも14日以上

男性の育休取得率の向上を目的としたこの取り組みは、育休中の家計負担を軽減し、共働き・共育てを後押しする新しい仕組みとなるでしょう。

あしたばライター
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これをきっかけに、男性の育休も当たり前の社会になると嬉しいですね!

あしたばには、子育て世代の相談者さまも多くいらっしゃいます。

子どもを授かったことで、新たな家計の問題にも直面するでしょう。

少しでもご不安がある方は、ぜひ私たちあしたばにお気軽にご相談くださいね。

【執筆者:あしたばライター 司馬みつき】

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo活用法と注意点から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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