お金の基礎知識

年金生活の親を扶養家族にするには?【前編】

年末が近づいてくると、よく耳にする「扶養」という言葉。

妻が夫の扶養の範囲内に入るかどうか?
扶養から外れてしまうケースは?

などなど、ご質問も増える時期です。

実は、配偶者や子供だけではなく、
親も条件を満たせば、扶養に入れることができるのをご存知でしょうか?

お客様からのご相談で、

「年金生活の親に仕送りをしているけれど、扶養に入れた方がいいのか?」

「親を扶養に入れると、税金や社会保険の負担も減ると聞いたのだけど!」

というご質問を受けることがありますが、実際はどうなのでしょうか?

親を「扶養に入れる」ということ


「扶養に入れる」「扶養から外れる」という言葉は、普段から良く使われる言葉ですね。

そもそも扶養というのは、助けて養うという意味があります。

親や配偶者を扶養に入れるというのは、その対象者を経済的な面で養っている状態にすることを言います。

要は、基本的に生計を同一にしているということですが、必ずしも同居している必要はありません。

入院・療養や勤務の事情などで別居していても構いません。

親を扶養に入れることで、税金や社会保険(健康保険)のしくみにおいて、税控除が受けられたり、親が保険料を納めなくてもよいことになります。

扶養には2種類の定義がある


親を扶養に入れるにあたって知っておきたいポイントとしては、
「税法上の扶養」「健康保険の扶養」
2種類の定義があるということです。

税法上の扶養

子(扶養者)の所得税・住民税の額に影響

健康保険の扶養

親(被扶養者)が支払う健康保険料の額に影響

なんとなく、扶養という言葉でひとくくりに考えられがちですが、
その定義や入れる条件も異なるので、確認が必要です。

親を扶養に入れた場合のメリット


親が扶養家族になった場合、
子の税金と親の健康保険の負担が少なくなるというメリットがあります。

子の税金負担の軽減

そもそも、扶養家族がいる場合は、所得税や住民税の計算において「扶養控除」を受けることができます。

そのため、税金が安くなるわけですが、親を扶養に入れた場合の控除額は以下のように決められています。

所得税

 親の年齢 控除額
 69歳以下38万円
 70歳以上(別居)48万円
 70歳以上(同居)58万円

 

住民税

 親の年齢 控除額
 69歳以下33万円
 70歳以上(別居)38万円
 70歳以上(同居)45万円

 

仮に、年収500万円の子が70歳以上の親(別居)を扶養家族にして生計を同一にした場合、
子の所得から控除されるのは、所得税48万円、住民税38万円です。

単純に、この金額の税金が減るわけではありません!(笑)

年収500万円の方の目安としては、所得税率20%、住民税は10%として考えると、

所得税9.6万円(48万円×20%)、住民税3.8万円(38万円×10%)の節税となるわけです。

(※あくまで参考値です)

親の健康保険料が免除になる

子が加入している会社の健康保険(1人分の保険料)で、親の健康保険もカバーすることができます。

状況によって、年間数万円~十数万円の節約ができる可能性があります。

※ただし、子が自営業などで、会社の健康保険ではなく国民健康保険に加入している場合は、扶養控除を受けられないので要注意。
国民健康保険には扶養という概念がないため、それぞれが保険料を支払うことになります

親を扶養に入れた場合のデメリット


親を扶養に入れることでのメリットがある反面、デメリット・注意点も存在します。

ここも、しっかり確認しておきましょう。

高額療養費制度の自己負担限度額のアップ

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、1ヶ月の間に一定額を超えたとき、その超えた金額が支給される制度です。

この制度は、給与収入などの所得によっていくつかの所得区分に分かれていて、
自己負担の限度額が決まる仕組みになっています。

親は扶養に入ることで、扶養者である子の収入が基準に入ってくるため、
自己負担限度額は増えてしまう可能性が高くなります。

ただ、この増えた金額が、健康保険料の免除額や節税できる額を上回らないのであれば、
扶養に入った方が金銭的な負担は軽くなると言えます。

親の持病の有無や、高額になる治療を受ける必要があるかなどによっても、判断が変わってきそうですね。

状況に応じて検討が必要と思われます。

※親が70歳~74歳の場合は親自身の収入で判断。75歳以上の場合は後期高齢者医療制度という別の保険制度に移行するため、上記のデメリットは当てはまらなくなります。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今回は、扶養の定義とメリットデメリットについてお伝えしました。

次回は、実際に親を扶養家族にする場合の具体的な条件や、注意点について解説します。

大事な点になってきますので、ぜひご覧ください。

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