お金の基礎知識

社会保険料、今後も上がる?

「国民年金・厚生年金や健康保険の掛け金って、将来上がっていくの?

「社会保険料はじわじわ上がっていると聞くけど、本当?」

この記事は、そんな疑問をお持ちの方向けの内容です。

会社員や公務員の方であれば、毎月のお給料から天引きされている「厚生年金・健康保険の保険料」

自営業等の方であれば、定期的に納付する「国民年金・国民健康保険の保険料」

給与明細や納付書を見た時に、「けっこう払ってるなあ」と感じる方も多いのではないでしょうか?

厚生年金・健康保険と国民年金・国民健康保険、それらに加え介護保険等の保険料のことを、ひっくるめて社会保険料と言います。

少子高齢化が進む日本で、今後社会保険料はさらに上がっていくのか。

データを見ながら一緒に考えてみましょう。

【クイズ】

2020年1月時点で、国民年金の保険料額は月額16,410円でした。

では少し遡って、1990年1月時点ではいくらだったでしょうか?

①  8,000円

②  13,400円

③  15,200円

↓↓↓

 

↓↓↓(答えはこちら)

 

↓↓↓

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

正解は、です。

30年で、倍以上にまでなっていたのです。

(ちなみに、50年以上前の1966年1月時点では、なんと月額100円)

社会保険料は着実に上がっている

実は、近年も国民年金保険料額は毎年のように引き上げられていて、2020年も4月からは130円アップで月額16,540円になります。

会社員の方の厚生年金保険料額は「標準報酬月額」に一定の%をかける仕組みですが、

これもじわじわ引き上げられていて、2004年9月までは13.580%だったのが2020年1月時点で18.3%までになりました。

また、国民健康保険・健康保険も同様です。

国民健康保険(市町村国保)の保険料率は、2008年度の8.9%から2015年度時点でも10.2%に上昇しています。

健康保険の「協会けんぽ」の保険料率は、2008年度の8.2%から2017年度時点で10.0%

「健康保険組合」の保険料率は、2008年度の7.4%から2017年度時点で9.2%になっています。

着実に社会保険料の負担はアップしているということですね。

(出所:厚生労働省)

今後の動向

では、今後の社会保険料はどうなっていくのでしょうか?

いくつかポイントをお伝えします。

当面、年金の保険料率は固定されることになっている

2004年(平成16年)の法改正により、国民年金・厚生年金の保険料率は段階的に引き上げられ、2017年度分の引き上げ後は当面固定される予定です。

では「もう上がらないから安心」かと言うと、そうでもありません。

国民年金の保険料は、物価や賃金の水準に連動して上がっていく可能性が高い

国民年金は「保険料額×保険料改定率」により実際の保険料が決まる仕組みで、前述の法改正で固定されたのは「保険料額」の方だけ。

「保険料改定率」は、賃金・物価水準に連動して変わります。

現在、日本は公的年金の給付水準を引き下げていく*ために、賃金・物価水準を引き上げる政策をとっています。

※「マクロ経済スライド」と言います。厚生労働省のHPでも明記されているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

よって、国民年金の保険料は全くもって固定されておらず、今後も上がっていく可能性が高いと言えるでしょう。

(余談ですが、固定されたはずの「保険料額」の方も、2019年に「第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除制度」が導入されたことで月額100円の引き上げになっています。)

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厚生年金も、高所得者は引き上げに

厚生年金は上記の国民年金のようなルールはないため、保険料率は固定された状態です。

しかし、実は2020年9月にマイナーチェンジがありました。

厚生年金の保険料は、収入によって決まる「等級」が上がると、保険料も上がる仕組みです。

これまでは「標準報酬月額」が60.5万円以上の人は「31等級」で、それがMAXの等級。

それ以上の報酬(収入)の人も、更に保険料負担が増えることはありませんでした。

ところが、新たに「32等級」が創設されたため、そこに該当する人は「月額2,745円(年額33,000円)程度の負担増」になったのです。

こうしたマイナーチェンジによる事実上の保険料引き上げは、今後も十分可能性があるでしょう。

健康・介護保険は今後も上昇傾向

健康保険・国民健康保険・介護保険は、地域や職域の「徴収する保険料と患者等への給付金のバランス」で料率が決まります。

なので固定されているわけではなく、「医療費が増えれば保険料も上がる仕組み」と考えて良いでしょう。

ご存知の通り少子高齢化はどんどん進行していますから、医療費は増え続けています。

前述の通り、健康保険・国民健康保険の料率も上昇傾向で、介護保険料も同様。

この流れが続いていくことは、避けられない状況と言えるでしょう。

終わりに(私たちができること)

いかがでしたでしょうか?

上記は国の方針に対する批判などではなく、あくまでも事実と、日本の人口動態をふまえた一般論を述べたものです。

少子高齢化が加速度的に進んでいる以上、社会保障の水準を維持するためには、保険料の引き上げは避けて通れない施策といえるでしょう。

そこで私たちがお伝えしたいのは、

社会保障制度に関する現状と国の方向性をしっかりと認識し、「私たちができることを考え、アクションを起こしましょう!」ということです。

当然ですが、社会保険料や税金などの負担水準が上がれば、多くの場合に「可処分所得」が減ることになります。

※額面給与などから控除される社会保険料などを引いた“自由に使えるお金”のこと

毎月のお給料やボーナスが増えていく時代であれば問題なかったわけですが、政府の目標とは裏腹に賃金の上昇率は厳しい状況が続いています。

(本来は、緩やかな物価上昇と緩やかな賃金上昇がセットで進んでいくことが、“良い景気サイクル”を生み出すのですが、なかなか実現していない状況です。その話はまたの機会に…)

そうなると、可処分所得の減少を埋めて「将来に向けてお金を貯める・増やす・守る」には、「投資・運用」を生活に取り入れていくことが必要不可欠なのは明らか。

ぜひ、国が用意しているiDeCo(イデコ)NISA/つみたてNISA等を駆使して、自分の力で将来必要な資産を育てていきましょう!

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