「iDeCo掛け金の確定申告を忘れたら諦めるしかない?」
「掛け金を低く書いてしまった場合の救済は無いの?」
この記事は、そんな疑問がある方向けの内容です。
iDeCo(イデコ)のメリットの一つに掛金の全額控除があります。会社員の場合は年末調整、自営業の場合は確定申告をすれば所得税が返ってきますが、これらの手続きを忘れてしまった場合、諦めるしかないのでしょうか?
安心してください、確定申告を忘れても一定期間の間に手続きをすれば全額を取り戻すことが可能です。この記事では、確定申告でiDeCo掛金の記入を忘れてしまった場合の対応と手続きを紹介します。
iDeCoの確定申告を忘れても、還付申告で返ってくる
iDeCoの確定申告を忘れた場合には「還付申告」という手続きで還付を受けましょう。
そもそも還付申請とは、確定申告を提出する義務のない人が、源泉徴収された所得税を払いすぎた場合や、予定納税をした人が所得税を多く払いすぎた場合などに、所得税の還付を受ける手続きのことです。
つまり、還付申告とは払いすぎた所得税を還付してもらうための手続きのため、iDeCo掛金によって本来戻ってくるはずだった所得税の還付も受けられるのです。
ちなみに、還付申告は下記のような場合にも申請できます。
給与所得者は、次のような場合には、原則として還付申告をすることができます。
(1)年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき
(2)一定の要件のマイホームの取得などをして、住宅ローンがあるとき
(3)マイホームに特定の改修工事をしたとき
(4)認定住宅の新築等をした場合(認定住宅新築等特別税額控除)
(5)災害や盗難などで資産に損害を受けたとき
(6)特定支出控除の適用を受けるとき
(7)多額の医療費を支出したとき
(8)特定の寄附をしたとき
(9)上場株式等に係る譲渡損失の金額を申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額から控除したとき引用元:国税庁
iDeCo掛け金に関する還付申告の手続き
還付申告を受けるためには、還付申告のための確定申告書を作成することが必要です。確定申告で還付を受けられる税額を固めて、申請しなおすイメージです。
還付申告の手続きは、基本的に国税庁のWEBサイト上で完結します。国税庁のWEBサイト上にe-Taxという電子申請コーナーが用意されているため、こちらで申請するのが便利です。持ち込みや郵送でも申請可能ですが、郵送の場合は書類の分類が「信書」扱いになる都合上、「郵便物」(第一種郵便物)又は「信書便物」として送付する必要があります。
還付申告の申請期限
還付申告の申請期限は、iDeCoの掛金を支払った翌年の1月1日から5年間です。前年に発生した掛金だけでなく、それ以前の掛金に対しても申請が可能なため、期限内であればそれぞれ還付申告をしておきましょう。
複数年分の還付申告を行う場合、それぞれの年ごとに確定申告書を作成する必要があります。複数年分をまとめて申請はできないため注意しましょう。
還付申告の手続きと必要書類
還付申告は確定申告書を使用して申請するため、手続き及び必要書類は基本的に確定申告書作成時と同じです。
還付申告に必要な書類一覧
- 申告書A
- 申告書B
- 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
- 扶養している者や事業専従者のマイナンバーが分かるもの
- 預貯金口座番号がわかるもの(還付金振込先)
- 印章
- 昨年分の確定申告書の控え(申請している場合)
- 利用者識別番号の通知または利用者識別番号が分かる書類(電子申請をしたことがある場合)
必要書類の様式は下記ページからダウンロードできます
確定申告書などの申請書式一覧(国税庁)
なお、電子申請を行う場合は、電子上で申告書A及び申告書Bの入力をするため、ダウンロードして作成する必要はありません。
電子申請を行う場合はこちら
国税庁 確定申告書等作成コーナー(国税庁)
iDeCo掛金を間違えたら、修正申告か更正の請求をする
iDeCoの掛金を確定申告書に書いたものの、金額が間違っていた場合は「修正申告」または「更正の請求」の手続きで訂正できます。
修正申告は掛金を多く申告してしまった場合、更正の請求は掛金を少なく申告してしまった場合に行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。
修正申告|掛金を多く申告してしまった場合
修正申告とは、納めるべき税額を実際よりも少なく申告してしまった場合に行う手続きです。iDeCo掛金の場合、掛金を多く申告してしまうと所得税の控除額が多くなり、税額が少なくなってしまうため、この手続きを行います。
なお、場合によっては過少申告加算税がかかることがあります。
修正申告に必要な書類
- 申告書B第一表
- 第5表(修正申告書・別表)
必要書類のダウンロードはこちら
確定申告書などの申請書式一覧(国税庁)
更正の請求|掛金を書き忘れた・少なく申告した場合
更正の請求とは、納めるべき税額を実際よりも多く申告してしまった場合に行う手続きです。iDeCo掛金を書き忘れたり、少なく申告してしまった場合にはこちらの手続きを行いましょう。
なお、更正の請求ができる期間は、法定申告期限(※)から5年間です。
※法定申告期限:確定申告書の提出期間のこと
更正の請求に必要な書類
- 更正の請求書(書式)
更正の請求手続きについて詳しく知りたい場合はこちらの国税庁WEBサイトを参照してください。
iDeCoの掛金分はしっかり還付を受けよう
年末調整や確定申告をし忘れると、そこで諦めてしまう方は多いと思います。しかし、還付申告や更正の請求を行えば、その年だけでなく過年度分も還付を受けられる可能性が出てきます。
自分の大切な収入を守るには税の知識が重要。賢く資産を作っていくためにも、日々お金の知識を増やしていきましょう。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からNISA・ジュニアNISAやiDeCo/イデコ・企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なNISAやiDeCoの活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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