「フリーランス(個人事業主)として働いていると、会社員と違って退職金がないから不安」
「国民年金だけで大丈夫かな?」
この記事では、フリーランスとして働いている方のこのようなお悩みにお応えする内容です。
多くの会社員とは異なり、フリーランスには退職金がありません。また厚生年金に加入している会社員は(老齢)厚生年金が上乗せされますが、フリーランスは国民年金(老齢基礎年金)のみ支給されます。
国民年金だけでは将来が不安という方に向け、フリーランスとして働いている人が老後にもらえる年金を増やす方法について説明します。
国民年金についておさらい
そもそも、国民年金とはどういう制度で、いくら支給されるのでしょうか。まずは、国民年金について簡単に解説します。
国民年金の概要
国民年金は、日本国内に住んでいる20歳から60歳未満の人全員が加入する公的年金です。
会社員や公務員のように厚生年金に加入している人は、国民年金の上に厚生年金が上乗せされた2階建てになりますが、フリーランスは国民年金のみの1階建てです。
フリーランスとして働く人が受給できる国民年金
国民年金の受給額は、20歳から60歳になるまでに国民年金を納付した月数に応じて計算されます。
20歳から60歳までの計40年間保険料を納めた場合、満額の77万7,800円を毎年受け取ることができます。
ただし、過去の年金加入歴によっては、この金額から、保険料を納付した期間と保険料の納付を免除された期間などに応じて減給されていくことになり、国民年金額の算出の基準となる期間を受給資格期間といいます。
フリーランスが年金を増やす5つの方法
国民年金に加入しているだけでは十分ではないと感じる方は、少なくないのではないでしょうか。
そこで、ここからはフリーランスが年金を増やす方法について5つご紹介します。
年金受給を66歳以降に繰り下げる
国民年金は原則65歳から受給できますが、この受給開始時期を延長して、66歳から75歳の最大10年間繰下げることができます。
繰下げて受給をすると、繰り下げた月数×0.7%が年金額に加算されます。
例えば、上限の75歳まで繰り下げた場合、12カ月×10年×0.7%で最大84%受給額を増やすことができます。フリーランスは定年がないという点が強みですから、少しでも長く仕事を続けて収入を得て、受給の繰り下げを検討しましょう。
付加年金を納付する
月額400円を国民年金保険料に上乗せして納付することで、年金額を増やすことができ、これを付加年金といいます。
付加年金を納付することで、200円×付加年金保険料の納付期間が老齢基礎年金に加算されます。
国民年金基金に加入する
国民年金基金とは、フリーランスが老後の年金を増やせる公的な制度です。
65歳から一生涯受け取れる終身年金をはじめ、一定期間だけの確定年金や繰り上げて60歳から受け取れるタイプ、60歳からでも加入できるタイプなど7種類から選べます。
国民年金基金は、掛金により将来受け取れる年金額が確定し、掛金は振込期間が終わるまで変わらないので安心です。年金額や受取期間を変更したくなったら、加入後にプランを変更することも可能です。
さらに、掛金の全額が所得控除の対象となり、確定申告をすれば所得税と住民税を減らすことができます。
税優遇を受けながら、老後に備えられるという非常に大きなメリットがある点を覚えておきましょう。
国民年金基金の掛金の上限は、iDeCo(個人型確定拠出年金)と合算して月額6万8,000円です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する
iDeCo(個人型確定拠出年金)はフリーランスの人でも任意に加入できる年金制度で、掛金を自分で運用しながら資産を形成し、老後の資金に備えられます。65歳未満が加入でき、60歳から年金や一時金を受け取れることができます。
投資信託や定期預金、保険商品から商品を選んで自分で運用していきますが、運用の成果によって受け取る年金が一人ひとり変わる点には注意が必要です。
iDeCoは月々5,000円から始められ、自分のライフスタイルに合わせて無理なく老後に備えられます。
iDeCoも国民年金基金と同様に、掛金の全額が所得税控除の対象になるため、所得税や住民税の節税対策になります。
また、運用で出た利益は非課税になり、通常の金融商品の場合は、運用益に20.315%課税されるのでかなりお得です。
なお、iDeCoのその他の特徴として、年金もしくは一時金として受け取れますが、受け取るときも大きな控除があるという点も覚えておきましょう。
年金として受け取った場合は「公的年金等控除」、一時金として受けたった場合は「退職所得控除」の対象です。
小規模企業共済に加入する
小規模企業共済は、退職金がない小規模企業の経営者や個人事業主に向けた制度で、退職金の代わりに積み立てた掛金に応じた共済金を受け取れます。
※小規模企業共済は、小規模企業の経営者のための、いわば”退職金制度”ですが、「老後の資金を増やす」という観点から、ここでご紹介させて頂きます。
もちろん、個人事業主として活動しているフリーランスも加入対象です。
小規模企業共済の掛金月額は、1,000円から7万円までで、500円単位で自由に選ぶことができます。
掛金は全額が小規模企業等掛金控除の対象となり、確定申告における課税対象額から差し引けるため節税対策にもなります。
他のメリットとして、小規模企業共済には事業資金等を借入できる制度があります。掛金を納付した期間に応じた貸付限度額の範囲内であれば、低金利で融資を受けられるのです。
もしものときにすぐに借入ができる「一般貸付制度」や経営悪化で資金繰りが苦しくなったときための「緊急経営安定貸付け」、病気やけがで入院をしたときには「傷病災害時貸付け」などがあります。
一方で、加入期間が12カ月を下回っていると共済金を受け取れないので掛け捨てになる可能性があります。さらに、納付月数が240カ月未満の場合は、共済金が掛金よりも少なくなるため元本割れとなってしまう点には気を付けましょう。
最後に
今回は、フリーランスが年金を増やす5つの方法について説明してきましたがいかがでしたか?
できるだけ利用して老後に備えたいところですが、付加年金と国民年金基金の併用はできませんので注意ください。iDecoとの併用はできます。
つまり、付加年金×iDeco、もしくは国民年金基金×iDecoという選択があるということです。
先述の通り、付加年金も国民年金基金も掛金はそれぞれ最大月額6万8,000円。しかし、6万8,000円はiDecoと合算した金額なのでこちらも注意しましょう。
ご自身のライフスタイルに合った方法で、老後の資金を増やしてみてはいかがでしょうか。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からNISA・ジュニアNISAやiDeCo/イデコ・企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なNISAやiDeCoの活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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