年末が近づくと年末調整もあり、節税を意識する方も多いはず。保険料控除や住宅ローン控除などは皆さんやっていると思いますが、そのほかにも個人でできる節税テクニックはないのでしょうか?
そこでこの記事では、今から年末までにできる個人の節税テクニックを3つ紹介します。誰でもできる方法もあるので、ぜひチェックしてみてください。
年末は所得計算の切り替えタイミング
節税に取り組むには、まず税金の仕組みを知る必要があります。
個人に関する「節税」とは、おもに「住民税」と「所得税」の2種類を減らすことです。それぞれの税額を算出する基本ルールは以下のとおりです。
住民税算出の基本ルール
- その年の1月~12月に得た1年額の課税所得額を基に計算する
- 適用期間は翌年6月から翌々年5月までの1年間
所得税算出の基本ルール
- 所得を得るたびに課税される
- 年間の合計所得額が多くなるに従って段階的に高くなる
- 給与所得を得ている場合は「源泉徴収」で見込み額が引かれている
どちらの税額もその年の所得額が基準となっています。そのため、これらの税額を減らすには、年末までの所得をなるべく少なくする必要があります。
※課税所得額:所得額から各種控除を差し引いたあとの、課税対象となる所得の額
節税するには「所得控除」を行う
住民税と所得税のベースとなる年間の所得額は、一度得たあとに減らすことはできません。しかし、「所得控除」という制度を使えば、税額の決定に使われる「課税所得額」を減らすことは可能です。
年間の所得額と課税所得額の関係
- 年間の所得額-各種所得控除の合計額=課税所得額
所得控除とは、住宅ローン控除や医療費控除といった、課税所得額を減額できる制度です。課税所得額が多いほど課税所得額は少なくなるため、住民税と所得税も少なくなります。
所得控除のタイミングは「年末調整」と「確定申告」の2つ
所得控除は11月~12月頃に行う「年末調整」と、翌年2月~3月にかけて行う「確定申告」の2回で申告します。
申告するタイミングの基本は確定申告ですが、会社員や公務員といった給与所得者の場合は、年末調整で生命保険の掛金や社会保険料などの大まかな項目に対応します。
しかし、所得控除の対象となる項目には、医療費控除や寄付金控除など確定申告でないと申告できないものもあります。そのため、年末調整をした人でも、確定申告が必要なケースもあります。
また、年末調整で所得控除を忘れてしまった項目は、確定申告で所得控除を申請することができます。
年末までにやっておきたい節税テクニック3つ
ここからは、個人が年末までに取り組める、所得控除で節税するテクニックを3つ紹介します。誰でも取り組める方法もあるため、ぜひ1つでも検討してみてください。
iDeCoの掛金を年末調整で申告する
最初に紹介するのは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金を年末調整に計上することです。iDeCoとは、個人で掛金を拠出して運用する個人年金制度の1つで、掛金が「小規模企業等共済掛金控除」の対象になります。
申請対象となる額は、年間に支払った掛金の総額です。iDeCoは毎月一定の掛金を拠出するため、1カ月の掛金×12の額が控除対象になります。
ちなみに、iDeCoには掛金が控除対象になることを含めて、以下の3つの節税制度があります。
iDeCoの3つの節税制度
- 掛金の全額所得控除
- 運用益の非課税
- 受取時の税制優遇
即効性があるのは掛金による所得控除で、それ以外の2つは将来的な節税効果が得られます。所得控除でリアルタイムに節税をしながら、将来的な節税もできるため、ぜひ一度検討してみてください。
ふるさと納税
ふるさと納税とは、特定の自治体に寄付をして応援する制度です。寄付額から2,000円を差し引いた額が所得控除の対象となり、さらに寄付額の30%以内の返礼品も受け取れるため、お得な節税制度として知られています。
ふるさと納税をした場合、ふるさと納税をした年の所得が所得控除対象となります。例えば、2022年12月20日にふるさと納税をしたら、2022年の所得から所得控除が可能となります。
ただし、ふるさと納税には所得に応じた上限額が設定されているため、際限なく控除できるわけではありません。総務省のふるさと納税解説ページに上限額の目安額が掲載されているため確認しておきましょう。
ふるさと納税の目安額は以下のページで解説されています
社会保険料の前納
社会保険料の掛金は、その年に支払った分が所得控除の対象になりますが、保険料を前払いで複数年分支払った場合、その年に支払った保険料の総額を所得控除の対象とすることができます。
この手法は、今年と翌年の所得額に差が出る場合に効果的です。退職や転職などで所得減少が見込まれる場合、前もって保険料を支払っておけば翌年の負担が小さくなります。
なお、保険料を前納した場合でも、各年分の保険料に相当する額を各年において控除することも可能です。
贈与税の非課税枠も活用しよう
所得控除とは違った視点ですが、親や祖父母などからお金を「もらう」場合にも節税ポイントがあります。そのポイントとは、お金をもらう際に発生する「贈与税」における「非課税枠」の把握です。
そもそもお金の移動は法律上では「贈与」という行為にあたります。もらった金額に応じて一定の税率が課税されるのですが、このルールは親子間や祖父母と孫の間などでも適用されます。つまり、家庭内でもお金の受け渡しがあった場合は課税される可能性があるのです。
しかし、贈与税には年間110万円までの「非課税枠」が用意されています。これは、年内にもらった額が110万円以下なら課税されないというもので、この非課税枠は年ごとに更新されます。
具体例を挙げると、合計200万円のお金を、一括で贈与を受けたら90万円分が課税対象になりますが、年をまたいで110万円と90万円に分けて贈与すれば非課税として扱われます。
この制度は生前贈与による相続税の節税にも活用できるため、計画的な利用がおすすめです。また、親子間や祖父母と孫の間など、親族関係にある場合は別途非課税枠が設けられているため、こちらも活用しましょう。
節税制度を学んで計画的な節税に取り組もう
今回は3つの所得控除方法と贈与税の非課税枠について紹介しましたが、節税効果のある制度はほかにもさまざまな種類があります。中には、医療費控除や住宅ローン控除など、日常生活の中で取り組めるものもあるため、生活の中に節税チャンスがないかアンテナを高く持っておきましょう。
生活の中の節税チャンスを探すには、前提として節税制度を知ることが必要です。
年末調整や確定申告といったタイミングをきっかけに、自分でもできる節税方法がないか学んでみてはいかがでしょうか。
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