お金の基礎知識

2025年の年末調整は要注意!主な3つの変更点についてFPが解説

毎年10月頃になると保険料控除のハガキが届き「そろそろ年末調整の時期だなぁ」と実感される方も多いのではないでしょうか?

2025年の年末調整は、令和7年度税制改正によってこれまでと大きく異なる点があるため、例年以上に注意が必要です。

この記事では、2025年の年末調整で知っておきたい昨年との変更点を3つのポイントにしぼり、わかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

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年末調整は何のためにやるの?

年末調整の目的

そもそも年末調整は何のためにやるのでしょうか?
年末調整は、1年間に払ってきた所得税の「払いすぎ」「払い足りない」を調整するための手続きです。

会社員などの給与所得者は、毎月の給料からあらかじめ税金が引かれていますが、その金額はあくまで「仮の計算」。

実際の所得や家族構成、保険料の支払い状況などをもとに、年末に本来の金額を計算し直すのが年末調整です。

✅所得税を正しい金額にするため
 毎月引かれている税金はおおまかな額なので、1年分の収入と控除をまとめて計算し、正しい金額に直します。払いすぎていた分は戻ってきて、足りなかった分は追加で引かれる仕組みです。

✅扶養や保険料などの控除を反映するため
 家族を扶養していたり、生命保険や地震保険に入っていたりすると、税金が安くなる「控除」が受けられます。年末調整では、こうした控除をしっかり反映させ、納税額を正しい金額に調整します。

年末調整をしないとどうなる?

年末調整の申告書を提出しない場合は、自分で確定申告をして税金の精算をしなければなりません。

手続きをしないと、払いすぎた税金が戻ってこなかったり、逆に足りない税金を後から請求されることもあります。
年末調整は、毎月天引きされていた税金を適正化し、控除を反映して税負担を軽くする大切な制度なのです。

会社員でも、副業などで20万円を超える所得がある人2か所以上から給与を受け取っている人年収2,000万円以上の人などは確定申告が必要です。

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変更点① 基礎控除と給与所得控除の見直し

ここからは、今年の年末調整で注意すべき変更点についてみていきましょう。
まずひとつ目は、所得税の基礎控除および給与所得控除の見直しです。

新しい「基礎控除額」の区分

これまで基礎控除は一律48万円でしたが、2025年からは所得に応じて段階的に58万円〜95万円に引き上げられます。

出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」

合計所得金額2,350万円超に対する基礎控除額に改正はなく、従来通り段階的に48万円〜16万円の間で減額措置が適用されます。

収入と所得の違いって?

会社員の場合、収入は会社から支払われる給与や賞与の総額、いわゆる“額面”で、所得はそこから『給与所得控除』を引いた金額のことをいいます。
個人事業主の場合は、収入から経費を引いた金額が所得です。

給与所得控除の見直し

給与所得控除については、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられました。

出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」

今回の見直しは「給与収入190万円以下」の人が対象です。
年収190 万円を超える場合の給与所得控除額に改正はありません。

 

変更点② 扶養控除・配偶者控除など所得要件の見直し

前述の『基礎控除・給与所得控除の引き上げ』によって、扶養親族や配偶者などの所得要件も見直しされます。

出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」

 

パートやアルバイトで働く扶養家族の年収が160万円までであれば配偶者特別控除が満額(38万円)受けられます。

また、160万円を超えた場合でも201万円までは控除額が段階的に減少していく仕組みです。

出典:首相官邸ホームページ「いわゆる年収の壁対策」

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変更点③ 「特定親族特別控除」の新設

2025年から新しく「特定親族特別控除」という制度が導入されます。

「特定親族特別控除」とは?

この制度は、教育費の負担が大きい19歳以上23歳未満(大学生世代)の特定扶養親族を扶養している人の税負担を軽減するための新しい控除です。

これにより、19歳以上23歳未満の子どもがアルバイトで働く場合でも、年収150万円までは親の税負担を気にせず働くことができるようになりました。

なお、150万円を超えた場合でも、段階的に控除額が減少するしくみです。
(特定親族特別控除は、年収123万円~188万円に適用)

出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」

この制度はあくまで年齢で判定するため、学生であるかどうかは問われません。

【給与所得者の特定親族特別控除申告書】

年末調整で『特定親族特別控除の適用』を受ける場合は、勤務先に以下の「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出する必要があります。

出典:国税庁「給与所得者の特定親族特別控除申告書

特定親族特別控除の適用が受けられるのは、その年の12月31日時点で、19歳以上23歳未満の人です。よって、2025年4月に入学した大学1年生でも、早生まれ(1月1日生まれ~)の場合はその時点でまだ19歳未満なので、令和7年の特定親族特別控除は適用されません。

2025年の年末調整で気をつけたいポイント

 申告書などの提出期限を守る

今年は控除額が変動するため、会社側の確認作業も増えます。
提出時期は会社によって異なりますが、書類提出が遅れないよう注意しましょう。

配偶者や扶養家族の所得を再チェック

パートやアルバイトをしている配偶者や子どもがいる場合は、前年と同じ申告内容のままだと控除が正しく適用されないおそれがあるので注意が必要です。

とくに19歳から23歳未満の子どもがいる場合は、記載漏れのないようにしましょう。

「合計所得金額」の計算ミスに注意

年収=所得ではありません。
所得は給与所得控除を差し引いたあとの金額で判定するため、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄を確認しましょう。

国税庁では、令和7年分の年末調整の申告書の記載事項チェック表をまとめています。
間違いがないように、提出前に確認しておくと安心です。
参照:国税庁「年末調整を受ける際の注意事項」
参照:国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」

まとめ

2025年の年末調整は、以下の3点が大きく変わります。

  1. 基礎控除・給与所得控除が見直される
  2. 扶養控除・配偶者控除などの所得判定基準が変更
  3. 「特定親族特別控除」が新設

今年は例年と比べて変更点が多いです。家族の所得や控除額の変化などを踏まえて、申告内容をしっかり確認しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
あしたばライター:藤元 綾子

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo活用法と注意点から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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