「そもそも、ふるさと納税ってどんな制度?」
「ふるさと納税のポイントと注意点は?」
この記事では、そんな疑問にお答えします。
できるだけ“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。
ふるさと納税の制度目的(趣旨)
(出所:総務省)
ご存知かと思いますが、我が国では「都市部への人口集中」が進んでいます。
2015年の国勢調査では三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)の全人口に占める割合が51.8%、それ以外の地域で48.2%という状況です。
多くの人が首都圏以外の地方で生まれ、その自治体(市区町村など)から医療や教育など様々な住民サービスを受けて育つわけですが、
進学や就職を機にやがて生活の場を都市部へと移し、都市部で税金を納めているのです。
その結果、都市部の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷=「ふるさと」の自治体には税収が入りません。
そこで、
『今は都会に住んでいても、自分を育ててくれた「ふるさと」を少しでも応援できる制度があっても良いのではないか』
という問題提起から始まり、紆余曲折を経て生まれたのが「ふるさと納税」制度です。
ふるさと納税の仕組み
(出所:総務省)
ふるさと納税とは、「応援したいと思う自治体を選んで寄附をすることで、自分が暮らす自治体に納める住民税の一部を、他の自治体に移すことができる」制度です。
自治体に寄附した金額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除されます。 (一定の上限あり)
国・自治体や公益社団法人等に対する「通常の寄附」の場合、寄附額のうち2,000円を超える部分の【40%程度】が税額控除され、それ以外の部分は自己負担となるのが一般的です。
それに対して「ふるさと納税」の場合は、特別な控除が加わるため、自己負担は【実質2,000円のみ】となるのが大きな特徴です。
ふるさと納税の魅力(3つのポイント)
「ふるさと納税」の魅力を3つのポイントにまとめると、下記の通りです。
- 自らの意思で、応援したい自治体に寄附(納税)できる
- 寄附した自治体から「お礼の品」がもらえる(「お礼の品」は【無し】の自治体もあり、また、自ら【無し】にもできる。)
- 税金の控除が受けられる(通常の寄附とは異なり特別な控除が加わるため、自己負担は実質2,000円。(一定の上限あり))
詳細はこの後みていきましょう。
ふるさと納税の魅力(詳細)
ふるさと納税の魅力を「寄付をする側」と「寄付を受ける側」で細かく分類してみると、こうなります。
寄附をする側(納税者側)
- 被災地の復興、復旧に協力できる
- 必ずしも故郷でなくとも好きな自治体に寄附ができる
- 自由な金額・タイミングで寄附ができる
- 「使途を限定」できる自治体があり、寄附(納税)の意義を感じることができる
- 「お礼の品」がある自治体から特産物等を受け取れる
- 本来、確定申告義務がない人も気軽に利用できる
- クレジットカード払いなど支払い方法が豊富で手続きがカンタン
- ポイントサイト経由の場合は、ポイントが貯まる etc…
寄附を受ける側(自治体側)
- 被災地の復旧、復興に役立てることができる
- 広範囲から財政収入を確保できる
- 収入を早期に確保できる
- 「お礼の品」の提供により特産物等をPRできる
- PRによって観光客誘致につながる
- 役所の職員のモチベーションが上がる etc…
このように、ふるさと納税は「寄付をする側にとっても、寄付を受ける側にとっても、たくさんのメリットがある」制度なのです。
ふるさと納税の注意点
メリット・魅力の多い「ふるさと納税」ですが、当然ながら注意点もあります。ザックリとまとめておきましたので、ぜひチェックしてください。
注意点① そもそも、「節税」にはならない
ふるさと納税は、「住民税の一部を移転する」制度です。
払う税金が安くなる訳ではありません。
この点は勘違いされる方が非常に多いので、ご注意ください。
注意点② 税控除を受けられる「上限額」がある
ふるさと納税は「いくらでもOK」という制度ではなく、上限額があります。
上限額を超えると税額控除・所得控除として認められないため、「税メリットなしで単純に寄附した」ということになります。
上限額に関する下記ポイントをチェックしておきましょう。
- 「どれだけ納税しているか」によって変動する。(住民税額の20%が目安と言われています)
- 所得や家族構成、他の所得控除(社会保険料控除、配偶者控除など)や税額控除(住宅ローン控除)の利用状況によって大きく変動する。※計算方法も極めて複雑
- 上限額は所得等が確定した後に決まるため、最適な寄付金額は予想するしかない。
- そもそもの納税額がごく少額orゼロの場合は、税控除のメリットは期待できない。
注意点③ 「ワンストップ特例」と「確定申告」
ふるさと納税の税控除を受けるための手続きとして、「ワンストップ特例」と「確定申告」があります。
次のポイントをチェックしておきましょう。
- 税控除を受けるためには確定申告をするのが原則だが、ワンストップ特例を使えば不要になる。
- 住宅ローン控除を利用している場合は、ワンストップ特例の方が上限額で有利になるケールがある。
- 上限額をオーバーしてふるさと納税をした場合は、確定申告の方が有利。
ワンストップ特例の要件と手続きについては次回以降に解説します。
仕組みが複雑であるため詳細は割愛しますが、「住宅ローン控除」を利用している方はワンストップ特例の方が上限額で有利になる可能性があります。
逆に、上限額をオーバーしてふるさと納税をした場合は確定申告の方が有利です。
どちらが有利かご不安な方はシミュレーションサイトでご確認いただくか、弊社FP相談をご利用ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
上記の通り、ふるさと納税は「制度の目的・趣旨」からしても、「多くの魅力がある」点からも、
どんどん活用すべき制度であると思います。
せっかくなので、「応援したい自治体」をしっかり選んで、思いを込めて寄附をしたいですね!
次回以降で、「ふるさと納税の実践方法」について解説します。そちらもぜひご覧ください。
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