そんな不安を抱えるご家庭は少なくありません。
今回は年収900万円世帯を例に、私立高校進学を考える際の補助金(支援金)の仕組みや実際の負担額、そして家計の準備方法についてFPが詳しく解説します。
・私立高校の学費相場
・年収900万円の家庭の子どもが私立高校に進学する場合補助金は出る?
・2025年4月から始まった就学支援金制度とは?
・2026年度から私立高校も実質授業料無償化へ
・授業料以外にかかる費用
・まとめ
私立高校の学費相場

「私立高校は学費が高い」というイメージを持っていらっしゃる方は多いと思います。
実際、私立高校の入学金や授業料は、学校によって異なるため、公立高校との費用差が大きくなるケースも。
それでは一体、公立高校と比較した場合、どれくらいの費用差があるのでしょうか?
文部科学省が令和5年度に調査した内容をもとに見てみましょう。
公立高校との費用差
【公立高校】
費用内訳 | 年間平均額 |
入学金等 | 約18,000円 |
授業料 | 約45,000円 |
修学旅行費等 | 約36,000円 |
学校納付金等 | 約36,000円 |
教材費等 | 約62,000円 |
教科外活動費等 | 約49,000円 |
通学関係費 | 約98,000円 |
その他 | 約7,000円 |
合計 | 約351,000円 |
【私立高校】
費用内訳 | 年間平均額 |
入学金等 | 約79,000円 |
授業料 | 約233,000円 |
修学旅行費等 | 約59,000円 |
学校納付金等 | 約112,000円 |
教材費等 | 約75,000円 |
教科外活動費等 | 約57,000円 |
通学関係費 | 約143,000円 |
その他 | 約8,000円 |
合計 | 約766,000円 |
全体的に私立高校の方が負担が大きいですが、とくに授業料では公立高校が4万5,000円、私立高校が23万3,000円と、費用差が大きくなっていることがわかります。
↓↓教育費無償化についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。↓↓

年収900万円の家庭の子どもが私立高校へ進学する場合補助金は出る?

ここからは、冒頭でお伝えしたケースについて解説していきます。
「現在中学生の子どもが私立高校を希望していますが、授業料の補助金をもらうには所得制限があると聞きました。世帯年収900万円の我が家は補助金は受けられるのでしょうか?」
こちらのケースのように「年収900万円前後の世帯は、所得制限で授業料の補助金をもらえないのではないか?」と思われている方も多いかもしれません。
教育費や住宅ローンなど複数の負担を抱えている家庭にとっては、私立高校の学費が家計を圧迫するのではと不安になるのも当然です。
これまで私立高校は、公立高校に比べて補助金の所得制限が低く設定されていたため、年収900万円前後の世帯では授業料の補助がでないケースもありました。
しかし現在では制度が変わっているため、私立高校に通う場合でも年収に関係なく、就学支援金が支給されています。
ここからは現行の制度とこれからの制度について詳しく見ていきましょう。
2025年4月から始まった就学支援金制度とは?

所得制限が撤廃され、全世帯が対象に
2025年4月から、高等学校等就学支援金制度に大きな改正がありました。
それまでは「年収910万円未満」という所得制限があった就学支援金ですが、2025年度は年収910万円以上の世帯に対して「高校生等臨時支援金」が支給されることに。
現在では、公立・私立を問わず、すべての家庭に年間11万8,800円が支給されています。
この制度は2025年度の限定的な制度ではありますが、所得制限の撤廃や私立高校等の加算額の引き上げも含めた「高校授業料の無償化」について自民・公明・維新の3党で合意したため、法案が可決すれば2026年度から実施される見込みです。
画像引用:文部科学省「高等学校等就学支援金・高校生等臨時支援金リーフレット(概要版)」
※「高等学校等就学支援金」「高校生等臨時支援金」いずれも、都道府県ごとに申請方法が異なります。学校からの案内に従って申請してください。
次に、現行の「私立高校加算制度」について見てみましょう。
私立高校の加算制度(現行)
私立高校の場合は、授業料が高いことを踏まえて「加算制度」が設けられています。
2025年度時点では、最大で年間39万6,000円が追加支給されています。
ただし、この加算制度は2025年度の段階で、年収590万円未満という所得制限が残っているため、年収900万円世帯の場合は対象外です。
自治体ごとの上乗せ補助
東京都や大阪府など、一部の自治体では独自に私立高校の授業料助成を実施している場合があります。
例えば東京都では、都内在住・都内の私立高校に通う生徒を対象に、国の就学支援金と合わせて授業料の実質無償化を進めています。
【東京都独自の助成金】
画像引用:都庁総合ホームページ「授業料負担を軽減するための支援」
2026年度から私立高校も授業料実質無償化へ

前述した通り、2026年度からは就学支援金のさらなる拡充が予定されています。変更内容を詳しく見てみましょう。
加算金の上限引き上げ
政府は2026年4月から、私立高校における就学支援金の加算の上限を年間39万6,000円から45万7,000円に引き上げる方針を打ち出しています。
45万7,000円という金額は、私立高校の授業料全国平均と同等です。つまり、2026年度以降は授業料部分について実質的に無償化されることになります。
所得制限の撤廃
加算制度については、所得制限が撤廃される方向です。
これが実現すれば、年収900万円世帯を含め、すべての家庭が「私立高校授業料の実質無料化」対象となります。
授業料以外にかかる費用

授業料が無償化されても、次のような費用は自己負担です。
- 制服代
- 通学費
- 施設設備費
- 教材費、タブレット代
- 部活動費
- 修学旅行費
- 塾、習い事
高校は、授業料以外の費用が意外とかかるもの。
子どもの進学が大学まで続くことを考えると、補助金が出ると安心せずに資金準備を続けることが重要ですね。
教育費と同時に、iDeCoやNISAを活用して老後資金などを準備していくことも大切です。
まとめ

年収900万円の世帯が私立高校に進学する場合の補助金についてまとめます。
- 2025年度は、所得や公立・私立に関わらず、すべての世帯が年間11万8,800円受け取れる
- 私立高校は、支援金が39万6,000円加算されているが、年収900万円世帯は現行で対象外
- 私立高校は、2026年度から支援金の加算額が39万6,000円から45万7,000円に引き上げられ、所得制限も撤廃される予定
2026年度から支援が拡充すると、さらに教育費の負担が軽減し、私立高校を含めお子さまの進路における選択肢が広がることが期待されます。
ただし授業料が実質無償化された場合も、授業料以外の費用負担が発生することには注意しておきましょう。
教育費のことなどでお悩みの際は、お気軽にFPオフィスあしたばにご相談くださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【あしたばライター:藤元綾子】
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
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