お金の基礎知識

金利が上がると私たちの生活にどんな影響があるの?FPが徹底解説

金利が上昇しているみたいだけど住宅ローンが心配・・

2024年3月に日銀は約8年続いたマイナス金利を解除。17年ぶりの利上げに踏み切り、
7月には追加利上げも実施しました。

「ゼロ金利」や「マイナス金利」の時代から「金利のある時代」に変わりつつある日本。
金利上昇の局面では、私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?

この記事では金利が上昇した場合の生活への影響や、おこなうべき家計の見直しポイントなどを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

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そもそも金利とは何か?

金利の基本的な仕組み

金利とは、お金を借りたり預けたりする際に発生する利息の割合のことを指します。

“金利が上がる”とは、この割合が増加することを意味し、経済政策やインフレ、景気回復の兆しなど、さまざまな要因によって引き起こされます。

金利は、銀行や金融機関が提供するローンや預金商品に適用されるもので、経済活動の中で資金の貸し借りを円滑に進める重要な仕組みです。

世の中に出回るお金の量や金利の調整を行っているのは、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)です。

日銀が操作する対象となる金利を政策金利といい、政策金利を引き上げることを利上げ、引き下げることを利下げといいます。各金融機関は、この政策金利をもとに金利を決めています。

金利の上昇は、私たちの生活に直接的・間接的に影響を及ぼします。たとえば、ローン返済額の増加、投資環境の変化、貯蓄の利率上昇などが挙げられるでしょう。これらをよく理解することで、家計や資産運用において適切な対策を講じることが可能になります。

なぜ金利が上昇しているのか?

日本の金利が上昇している理由は、日銀が金融政策を変更したためです。

冒頭でもお伝えしたとおり、2024年3月、日銀はおよそ8年間続いたマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに利上げを行いました。さらに7月には追加利上げも実施しています。

その理由として日銀は「賃金の上昇を伴う2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になった」と発表しています。

景気と金利の関係

景気が良いときは物価が上昇しインフレになります。金利を上げて経済活動を抑制すると企業も個人もお金を借りにくくなるため、景気の過熱を抑えて結果的に物価の上昇を抑制できるというわけです。逆に不景気のときは金利を下げることで資金が借りやすくなり、経済活動が活発になる効果があります。

日銀は景気をコントロールするために政策金利を上げたり下げたりするんですね。

家計への影響は?

金利の上昇は家計にさまざまな影響を与えます。
とくにローン返済や預金に関連する部分で大きな変化が見られます。金利の動向は、家計支出全体を見直すきっかけにもなるでしょう。

住宅ローンへの影響

変動金利型の住宅ローンを利用している場合、金利が上がると毎月の返済額が増えるリスクがあります。

多くの金融機関では毎年4月と10月に適用金利が見直され、その2~3ヶ月後から実際の適用金利に反映されます。

2024年7月に日銀が政策金利の利上げを決定したことにより、2024年秋に一部金融機関では変動金利が0.15%~0.25%ほど引き上げとなりました。

今後さらなる追加利上げが行われる可能性もあることから、状況次第では住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済の検討を視野に入れておきましょう。

また、これから住宅購入を検討している人にとっても、金利上昇は大きな課題です。

金利が上昇し総返済額が増えることになれば、物件の購入価格を見直すなどの対策が必要になるかもしれません。住宅ローンの金利を含めて事前に返済プランをしっかり立てておくことが重要です。

そのほか、カードローンや自動車ローンなどの変動金利を利用している場合も、総返済額が大きく変わる可能性があるので注意しましょう。

このあとの章でローンの見直しについてさらに詳しく解説します。

預金にはメリット?

金利上昇は、預金する側にとってはプラスとなる場合があります。

2016年2月にマイナス金利政策が導入されて2024年3月に解除されるまでの間、多くの銀行では普通預金金利が0.001%と、預金していてもほとんど利子がつかないような状況でした。

2025年1月時点では0.1%程度まで引き上げられています。

もし100万円を1年間預けた場合、金利が0.001%のときは10円だったのが、0.1%では1,000円と利子がおよそ100倍変わるわけです。

現時点ではまだそれほど多いとは言えませんが、今後も金利が上昇すれば、もらえる利子も増えていく可能性はあります。

保険料が安くなる可能性がある

長期金利が上昇すると、生命保険会社は予定利率を引き上げる仕組みになっています。
予定利率が上昇すると、支払い保険料が下がったり受け取るお金が増えたりすることがあります。

【予定利率とは】
予定利率とは、保険会社が契約者から預かった保険料を運用して得られると見込んだ利回りのことです。この予定利率が高いほど、保険料の一部を運用収益で賄えるため、契約者が支払う保険料を低く抑えることができます。

金利の影響を受けやすいのは、以下のような貯蓄性の高い保険です。

  • 個人年金保険
  • 学資保険
  • 一時払い終身保険

掛け捨ての定期保険などは、解約返戻金がないため保険料への影響は少ないでしょう。

投資環境の変化

投資市場も金利上昇の影響を大きく受けます。
とくに債券や株式に関連する投資商品ではその影響が顕著です。

金利上昇局面では分散投資でリスクを分散することがより重要になることから、資産配分の見直しやポートフォリオの再構築をおこなった方がよいケースも出てくるでしょう。

長期的な資産運用の視点から、金利上昇の恩恵を受ける金融商品を活用することで、より安定したリターンを目指せる可能性があります。

とはいえ自分で資産配分やポートフォリオの見直しを行うのは難しいもの。
そんなときはFPオフィスあしたばにぜひご相談ください!

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家計の見直しポイント

では金利上昇時にはどのように家計を見直したらよいでしょうか?
ここからは、具体的な家計の見直しポイントや、金利上昇時に適した資産運用などを解説します。

住宅ローンの見直し

住宅ローンの変動金利は、金融機関が定めた基準金利である短期プライムレートを参考に決定され、半年ごとに金利が見直されます。

住宅ローンを利用するほとんどの方が元利均等返済(毎月の返済額が一定)を選択していると思いますが、元利均等返済で変動金利の場合、毎月の返済額は5年ごとに見直されます。

また、金利が見直される場合でも前回分の125%以内におさえる決まりがあるため、返済額が一気に増えることはありません。

まずは現在のローンの金利条件を再確認し、必要に応じて以下の対策を検討しましょう。

  1. 固定金利への切り替え: 現在、変動金利型のローンを利用している場合は、固定金利への切り替えを検討することで、将来の金利上昇リスクを軽減できる可能性があります。
  2. 繰り上げ返済の検討: 金利上昇前に繰り上げ返済を行い、借入元本を減らすことで、支払利息を大幅に削減できます。ただし繰り上げ返済には、手元の資金が大きく減ってしまったり、住宅ローン減税が適用されなくなるなどのリスクもあることも覚えておきましょう。
  3. 借り換えの活用: 他の金融機関のローン商品を調査し、現在よりも有利な金利条件を見つけた場合は、借り換えすることで総返済額を減らせる可能性があります。ただし、借り換えに伴う手数料や諸費用も考慮して比較することが大切です。

いずれにしても、住宅ローンなどの見直しを検討する際は、慎重に判断しましょう。

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計画的な資産形成

金利の上昇は資産形成にも影響を与えます。「安全性」「収益性」「流動性」をバランスよく組み合わせ、金利上昇のメリットを享受できる資産形成を行っていきましょう。

金利上昇時の資産形成として選択肢となる2つを解説します。

  1. 定期預金: 金利上昇に伴い、定期預金の利率も上がることが期待されます。定期預金は元本保証があるため、リスクを抑えつつ資産を増やす手段として適しています。近年ではネット銀行などの利率が高めに設定されていることが多いようです。
  2. 個人向け国債(変動10年): 個人向け国債の変動10年タイプは、保有期間中半年ごとに適用利率が見直され、満期時には元本が戻ってきます。市場金利に応じて適用利率が決まるため、金利上昇局面では選択肢のひとつとなるでしょう。個人向け国債は日本国が発行している債券なので、比較的安全性の高い金融商品といえます。

投資ポートフォリオの再構築

すでに資産運用を行っている方は、金利上昇の動向に応じて、保有する資産の比率や種類を見直し、適切なリバランスを実施していくことも大切です。

具体的には以下のような方法があります。
・分散投資を強化する
・金利上昇に強い金融商品を選択する

年齢やライフステージに合わせてリバランスをおこない、最適なポートフォリオを構築しましょう。

専門家への相談・情報収集

昨今のように金利動向や経済環境が変化しやすい状況では、専門家のアドバイスを活用したり、正しい情報を得ることがとても大切です。

  1. ファイナンシャルプランナーへの相談: 家計や資産運用に関する具体的なアドバイスを受けることで、現状に合った適切な判断が可能となります。とくに、ローンの見直しや投資戦略については専門家の意見を取り入れるとよいでしょう。
  2. セミナーや勉強会への参加: 金利動向に関連するセミナーや勉強会に参加することで、最新の情報を得ると同時に、他の参加者との情報交換を通じて知識を深めることができます。

まとめ:金利上昇への柔軟な対応を心掛けよう

金利上昇は私たちの生活に影響を及ぼすこともありますが、その影響を正しく理解し、適切な対策を講じることでリスクを抑えることが可能です。

今後も金利の動向や経済ニュースに注目しつつ、柔軟な対応を心がけ、家計や投資の安定を図りましょう。長期的な視点で資産形成計画を立て、短期的な金利変動に惑わされずに行動することが重要です。

FPオフィスあしたばでは、住宅ローンや資産運用など、さまざまなお金の悩みに対してアドバイスさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

【あしたばライター:藤元綾子】

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo活用法と注意点から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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