人生にはさまざまなイベントがあり、イベントを迎えるたびに大きな支出が必要です。
例えば、結婚すると新居関連費用や挙式費用、新婚旅行の費用がかかるでしょう。
しかし、お金がなければ結婚や出産を諦めたり、子どもの進学先にも影響が出かねません。
そのため、人生における大きな支出は予め想定しておくことが大切であり、その際の一助になるのがマネープランです。
今回は、マネープランについて詳しく解説します。
マネープランとは
実際にマネープランを立てる前に、まずはマネープランの概要をお伝えします。
マネープランとは、この先の人生において、いつどのようなライフイベントを迎えるのかを考慮して将来の収入と支出からお金の見通しを立てるものをいいます。
いわば、充実した人生を送るための(お金に関する)計画です。
具体的には、いまから亡くなるまでの期間に想定されるイベントと、イベントを迎えることに伴う収入・支出を整理し、逆算して人生の計画を立てます。
つまり、マネープランを立てることは、お金の見通しを確認するだけでなく人生プランについても考えることになる点を覚えておきましょう。
なお、マネープランはライフプランと呼ばれることもあります。
なぜマネープランを立てる必要があるの?
マネープランと聞くと、「マネープランは立てなくてもいいかな」「だいたいのプランはあるから大丈夫」と思う人もいるでしょう。
しかし、マネープランを立てる必要性は非常に高いです。
なぜなら、マネープランを立てることで、将来のお金に関する困りごとや悩みごとを回避できる可能性がぐっと高まるからです。
生きていくためにはさまざまなお金が必要であり、既婚・独身を問わず、これからの人生において、どのようなお金が必要になるのか予め把握しておくことは非常に大切です。
仮に、マネープランを立てずに、その場しのぎでやみくもな支出を繰り返していた場合、収支が赤字になるだけでなく、貯蓄を切り崩し、生活に困窮するかもしれません。
暮らしにおけるさまざまなお金を整理しておくことで、急な支出やまとまったお金が必要になる場合にも慌てずに済むでしょう。
マネープランを立てるメリット
メリット①将来必要なお金を計画的に準備できる
マネープランを立てることで、将来必要になるお金の詳細を早めに把握できます。
例えば、マネープランを立ててみると、いずれは家計が赤字になり、貯蓄を切り崩さなければならないとわかったとします。
いずれ、赤字になることがわかれば、
- 収入を増やす
- 支出を見直す
といった手段で家計を改善できるでしょう。
また、例えば教育費は、「いつ頃、どれくらいのお金が必要か」ということがある程度、事前に把握できます。
つまり、逆算することで将来必要なお金を確実に準備でき、お金を理由に進学先を変える・進学そのものを諦めるといった事態を回避できます。
メリット②キャリア形成のきっかけになる
マネープランを立てるメリットの2つ目として、自分のキャリアを考えるきっかけになる点があります。
- 専業主婦ではなくパートやアルバイトを始めてみよう
- いずれは正社員へのスキルアップも考えよう
上記のように、自分自身の働き方を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。
また、定年退職後も働くのか、それとも早期での退職を目指すのかも考慮せねばならず、マネープランは働き方やキャリアとも深く関わっていることがわかります。
メリット③無駄な支出を減らすことができる
いま現在は独身であっても、いずれは結婚するかもしれません。
また、ずっと独身でいたいと考えている人であれば、結婚などのイベントでの支出はないものの、おひとりさまだからこその支出(老後の施設利用費や各種サービス代行利用料金)を考慮する必要があります。
結婚や老後を意識するだけでも、「無駄遣いはやめよう」「もう少しお金を貯めたい」など、家計にプラスの効果が働くでしょう。
マネープランは、将来の目標を達成するための資金準備を意識づけしてくれるツールともいえます。
メリット④将来の夢や目標が明確になる
繰り返しになりますが、マネープランを立てる際は、将来のライフイベントを考慮しなければなりません。
おのずと、「いずれは〇〇したい」「早期退職を目指したい」といった願望や夢がはっきりし、それに向けてさらに努力しようと考えるようになります。
夢や目標が明確になると、実現や達成に向けて意識するようになり、日々のモチベーションになるでしょう。
マネープランの立てる上で考慮すべき3つの費用
マネープランを立てるメリットを読むと、「早速マネープランを立ててみよう」と考える人もいるかもしれません。
しかし、やみくもにマネープランを立てるのではなく、特に以下の3つの費用はきちんと考慮することが重要です。
- 住宅費
- 教育費
- 老後資金
これらの支出は人生において非常に大きな支出で、項目ごとにいくつか注意点があります。
住宅費
マネープランを立てる上で、住宅費は誰もが必ず考慮すべき費用です。
このまま賃貸に住むのか、いずれマイホームを購入するのかといった点から、住宅ローンに至るまで想定すべき項目は多岐に渡ります。
特に、退職後の収入の柱は公的年金になることを加味し、「住宅ローンを何歳までに完済するのか」ということだけでも、マネープランに大きな影響があります。
教育費
すでに子どもがいる人は、子どもの成長に応じて将来かかるであろう費用の概算を算出できます。
教育費は、進路によってかかる費用は大きく異なりますが、入学のタイミングが事前にわかるため、逆算してお金を準備しやすいのが特徴です。
しかし、これから子どもを授かるかもしれない、いずれは子どもを授かりたいと考えている人は、子どもの人数ごとにいくつかのマネープランを立てるなど、複数のケースで想定してみるのも一案です。
老後資金
誰もが老後を迎え、公的年金があるとしても自助努力での老後資金対策は必須です。
しかし、公的年金として受け取ることができる年金額は人によって異なり、さらに毎月の支出額・貯蓄額も千差万別です。
「老後にいくら必要なのだろう」と疑問に感じる人は多く、老後資金を考える上での一助になるのがねんきん定期便です。
ねんきん定期便に記載されている二次元コードからアクセスすることで、将来受け取る年金額のシミュレーションもできます。
老後に必要な資金を考える際は、まずは自分自身が将来どれくらいの公的年金を受け取ることができるのかという点から考えてみましょう。
【5ステップでできる!】マネープランの立て方
では、ここからは実際にマネープランを立ててみましょう。
ライフプランを立てる手順は以下の通りです。
- ライフイベントを書き出す
- ライフプランを考えてみる
- ライフイベント表を作る
- キャッシュフロー表を作る
- マネープランを立てる
手順①ライフイベントを書き出す
マネープランを立てる際、まずは今後想定されるライフイベントを洗い出してみることから始めます。
すでに家族がいる場合は、自分だけでなく配偶者や子どものライフイベントまで把握することが必要です。
ライフイベントの代表例として、以下のようなものがあります。
- 就職・転職・独立
- 結婚
- マイホームや車の購入
- 出産
- 子どもの進学・独立
- 退職
ライフイベントを考える際、転職や独立開業を考慮し忘れることが少なくありません。
「いずれは転職したい」「〇歳までに開業したい」といった目標がある場合は、今後の働き方を考慮し、ライフイベントとして把握しておくと良いでしょう。
手順②ライフプランを考えてみる
手順①で書き出したライフイベントをもとに、具体的にいつ頃そのライフイベントを迎えるのかを考えます。
考慮すべきこと | |
家族のこと | 〇歳ごろ結婚したい 子どもは〇人ほしい 〇歳で第一子、△歳ごろ第二子 子どもの進路 |
キャリア | 〇歳で転職・独立したい 〇歳までには管理職になっていたい 定年後の働き方 |
夢や目標 | 車がほしい 〇歳でマイホームがほしい 〇年おきに海外旅行に行きたい |
その際、人生における夢や目標も考えておくとマネープランがさらに立てやすくなります。
結婚するつもりだがいつになるかわからないなど、イベントとして想定しているものの具体的な時期が明確でないこともあるでしょう。
その場合は、1つの目処として任意の時期を設定し、適宜、時期を修正していくと良いでしょう。
手順③ライフイベント表を作る
手順②で考えたライフイベントの詳細を、表形式で整理します。
西暦 | 家族の年齢 | ライフイベント | かかるお金 | ||
夫(歳) | 妻(歳) | 子(歳) | |||
2023年 | 35 | 30 | 0 | 出産 | 50万円 |
2024年 | 36 | 31 | 1 | 保育園入園 | 5万円 |
2025年 | 37 | 32 | 2 | 車の購入 | 80万円 |
上記のように、自分で表を作ってライフイベント表を完成させましょう。
同時に、イベントごとに想定される支出を記載しておくことで、手順④でキャッシュフロー表を作成する際の負担が軽減できます。
手順④キャッシュフロー表を作る
手順③の表に、収支を追記します。
自分自身で作成する場合は、以下のような表形式がわかりやすいでしょう。
2023年 | 2024年 | 2025年 | |
夫(歳) | 35 | 36 | 37 |
妻(歳) | 30 | 31 | 32 |
子(歳) | 0 | 1 | 2 |
夫の収入 | 550 | 550 | 550 |
妻の収入 | 200 | 200 | 200 |
その他収入 | 18 | 18 | 18 |
生活費 | 200 | 210 | 220 |
住居費 | 120 | 120 | 120 |
保険 | 40 | 40 | 40 |
教育費 | 50 | 50 | 50 |
レジャー費用 | 30 | 40 | 30 |
その他支出 | 10 | 10 | 20 |
収入計 | 768 | 768 | 768 |
支出計 | 450 | 470 | 480 |
年間収支 | 318 | 298 | 288 |
資産残高 | 518 | 816 | 1104 |
なお、年間の支出や収入を把握するためのキャッシュフロー表は、細かい項目を入力すればするほどより正確なライフプランを作成できます。
しかし、「自分ではそこまで詳細なキャッシュフロー表が作れない」「テンプレートがあればいいのになあ」と悩む人もいるでしょう。
キャッシュフロー表の作成には、さまざまなテンプレートが無料で使えるよう提供されています。
使い勝手を確認しながら、テンプレートを積極的に活用しましょう。
現在の収支状況と今後のライフプランを基に、将来の収支状況を予想し、その結果増減する資産(貯蓄)残高の推移を表をキャッシュフロー表といいます。
手順⑤マネープランを立てる
手順④で作成した表をもとに、年間収支や資産残高を確認してみましょう。
年によっては一時的に赤字になる年があるかもしれません。
子どもの入学と車の購入が重なるなど、ライフイベントが重なることが予め分かれば、計画的な資金準備が可能です。
また、必要に応じてライフイベントにおける支出を小さくするなど、工夫できるでしょう。
しかし、「5年後以降はずっと赤字だ」「資産がじわじわと減る一方で増えない」といった事態が想定される場合は、早急に対策が必要です。
「このままのプランで大丈夫!」という人と、「このままでは相当の赤字になる」という人、結果はさまざまでしょう。
大切なのは、立てたマネープランをただ確認するだけでなく、家計を守るため・貯蓄を守り資産を増やしていくためにいまから何ができるかを考え、実行することです。
- 固定費を見直す
- 副業を始める
- リスキリングと共に転職を目指す
上記のような対策を講じつつ、将来のお金の見通しをしっかりと立てましょう。
また、適宜マネープランを見直す・立て直すなど、イベントを迎えるたびに将来設計を確認することも忘れず実践してくださいね。
まとめ
今回はマネープランの必要性や、実際の立て方を中心に解説しました。
繰り返しになりますが、支出や収入をより詳細に把握することで、より正確で実態に即したマネープランを作成可能です。
弊社では、専門のツールを用いたライフプラン・シミュレーションサービスを提供しています。
公的年金はもちろんのこと、給与から社会保険料、雇用保険料、住民税、所得税の「源泉徴収を自動計算」して月単位の可処分所得を確認できるなど、非常に緻密で詳細なツールによってマネープラン(ライフプラン)が作成可能です。
「豊かな未来をつくるためのプランを、より具体的に」をモットーにマネープラン(ライフプラン)の作成をお手伝いさせて頂いています。
もちろん、希望する方には、作成後の定期的なフォローも実施しています。
この機会に、ぜひマネープランを立てて、これからの人生をより豊かなものにしましょう。
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