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2022年6月、米国株が大幅下落!今後の見通しは?いま何をすべきか?

こんにちは、あしたばFP(ファイナンシャルプランナー)の安藤です。

ご存知の方も多いかと思いますが、この数週間で世界の株価が大きく下落しています。

2022年になってから断続的に下落基調ですが、節目となる下落率を超えてきたため、弊社の会員様向けに「株価大幅下落アラート」を出しました。

今回はその内容を一部改変し、「長期投資・長期資産形成」を専門とするFPの安藤より、いま起きていること&お勧めの投資行動について解説します。

ここ最近の米国株価の推移を確認&解説

まずは、特に下落幅が大きい米国株式の状況について見ておきましょう。

6/8から米国株式市場で連日の大幅下落が発生しており、6/16のNYダウは約1年半ぶりに節目の3万ドルを割り込みました。

実際のデータは以下の通りです。

米国の代表的株式指数の、ここ2週間での下落状況

NYダウ:2022/6/3 32,899.70ドル → 6/17 29,888.78ドル(▲9.15%)

S&P500:2022/6/3 4,108.54ポイント → 6/17 3,674.84ポイント(▲10.56%)

NASDAQ総合:2022/6/3 12,012.73ポイント →6/17 10,798.35ポイント(▲10.11%)

また、「直近の最高値」との比較も列挙しておきます。

直近の最高値からの下落状況

NYダウ:2022/1/4 36,799.65ドル → 6/17 29,888.78ドル(▲18.78%)

S&P500:2022/1/3 4,796.56ポイント → 6/17 3,674.84ポイント(▲23.39%)

NASDAQ総合:2021/11/19 16,057.44ポイント →6/17 10,798.35ポイント(▲32.75%)

一般的に直近の高値から10%下落すると「調整局面入り」、20%下落すると「弱気相場入り」したと言われます。

上記を見る限り、米国の株式市場はまさしく「弱気相場」に入ったと考えることもできるでしょう。

ちなみに、日本の株式市場はどうかというと、下記の通り「調整局面」にある状況です。

日経平均(ここ2週間):2022/6/3 27,761.57円 → 6/17 25,963.00円(▲6.48%)

日経平均(年初と比較):2022/1/4 29,301.79円 → 6/17 25,963.00円(▲11.39%)

※上記の株価指数については、基本的に金額・ポイントよりも、「%を重視」してくださいね。

株価大幅下落の要因と特徴

次に、今回の大幅下落の要因と特徴について、ザっと確認しておきましょう。

一番のポイント:急激なインフレが収まらず、利上げするしかない状況

米国労働省が6月10日に発表した2022年5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.6%上昇で、3月の+8.5%をも上回り、約40年ぶりの高い伸び率となりました。

インフレ(物価上昇)の要因は、米国消費者の旺盛な需要や、ウクライナ問題や中国のゼロコロナ政策による供給制約、それらを起因とする資源高騰・人件費高騰など、様々です。

この状況に加え、ここ数年の大規模な金融緩和政策により景気が加熱していた面もあり、米国の連邦準備理事会(FRB)は急速な金融引き締め政策(利上げ・QTなど)に方針転換しました。

6/15に発表された利上げは「+0.75%」で、なんと27年7ヵ月ぶり!(通常の1回の利上げは+0.25%)
それくらいしないと、この急激なインフレは抑えられないという判断なのでしょう。

市場は半年後~1年後の政策等を織り込む(予想して反映する)ものなので、具体的な「利上げ」の内容が公表される前にFRBの議長が方針を述べたあたりから、株価は急落しました。

なので6/15よりも前から断続的に下落しているわけですね。

なお、これまでの会員限定フォローアップセミナーやメルマガ等でもお伝えしてきましたが、次のような理由から利上げは株価の下落要因になります。

・金利が上がると、企業の資金調達コストが上がるため、業績を押し下げる力が働く。
・金融理論上、株価は企業が今後稼ぐ利益から逆算するが、金利が上がると株式の理論価値は下がりやすくなる。そのため現実の株式市場でも株安に繋がる。

今回の下落は、「それ以前に大規模な金融緩和で割高になっていた」という要因もありますが、セオリーとしては上記のように「利上げ=株安」の構図になると覚えておきましょう。

今後の見通し&一般投資家のみなさんへのメッセージ

日銀の政策のこととか、本当は米国市場だけでなくもっとあれこれ解説したいのですが、、、お伝えしたいポイントが薄まるので、別の機会に譲ります。

今後の見通しですが、「いつ」「どうなるか」をピンポイントで当てることは誰にもできませんし、予想する意味もありません。

しかしながら、大まかな方向性だけはお伝えしておきたいと思います。(あくまでも安藤個人の意見です)

市場は乱高下が続く可能性が高い

FRBのパウエル議長は6/15の会見で、次回7月以降の利上げ幅も「0.5%か0.75%になる可能性が高い」と名言しています。

米国の政策金利見通しも3月時点の1.9%から3.4%に切り上がっていますから、今後の急速な利上げ方針は維持される可能性が高いです。

市場は先の政策を織り込むとはいえ、急激なインフレが収まってきたことを示すデータが出てこない限り、更なる金融引き締めを恐れて株価が大幅下落するリスクは十分にあると言えるでしょう。

また、今回の特徴として、株式だけでなく様々なカテゴリーの資産が同時に下落していることも挙げられます。
債券をはじめ、金やREIT、ビットコインなど仮想通貨までも大きく下落しているのですよ。

通常なら、債券は株式と逆の動きをするもので、株式が下がれば債券は上がります。

しかし、今回は急激なインフレと利上げで「金利上昇」そのものが債券の大幅安を招いています。

金も普通なら「有事の金」として資産の逃避先になりやすいのですが、米国が利上げ局面にある中で「利息を生まない」という点で相対的に投資メリットが低くなっているようです。

債券版の“恐怖指数”といわれる「MOVE指数」が140台でリーマンショック後の2009年8月依頼の水準になっているなど、市場関係者の不安心理を表すデータも多く出ています。

どのカテゴリーの資産も乱高下しやすく、市場が全体的に「弱気相場」入りしやすくなっている局面と言えるでしょう。

いわゆる「底」は近いのか?追加投資のチャンスなのか?

これについても、当然ながら「こうだ!」と断言できることはありません!

ただ、少なくとも米国株式市場はピークより20~30%近い下落幅なので、相対的に株安の状況です。

こういう時は個人投資家は「押し目買い」といって安く買えると踏んで追加投資に動く人も多いもの。
(日経の記事でも、6/14の日本株式市場で全体は下落でもグロース市場が上昇した要因として、個人投資家の行動を要因に挙げていましたね)

しかし、僕はまだ慎重になっていただきたいと考え得ています。

以前からお伝えしている通り「ピークの時が金融緩和の影響でそもそもプチバブルに近い状態だった」という見方もあるため、

それを加味すると「今が底に近く超割安な株価」とまでは僕は見ていません。(あくまでも僕はですよ)

そのため、今回はギリギリの判断で弊社会員の皆様にも「チャンスアラート」は送りませんでした。

今とるべき投資行動

底と見て追加投資に動くべきか、動かぬべきか、難しいところなわけですが、、、
今とるべき投資行動として、以下をご参考ください。

攻め(追加投資できる余裕資金のある方)

  1. 割安な状態でのドルコスト平均法による口数の積み増しをすべく、積立投資・分割投資を増額する。
  2. スポット投資もOK。その場合は少額にとどめ、更なる暴落が起きた場合に追加投資できる余裕資金を預貯金で確保しておく。

守り(現在継続中の投資・運用等について)

  1. 現在の積立投資・分割投資はこれまで通り継続する。
  2. 保有資産の解約はできる限りしない。

以上が、現在の「割安」状態のチャンスを逃さず、かといって「時期尚早だった」とならないようにするためのバランス重視の方針です。

底かどうかは分からずとも、ある程度「攻め」に転じて良い場面とは考えています。
とはいえ、収入や余裕資金、保有資産のバランスなどをふまえての判断になりますので、FPに相談した上で行動することをお勧めします。

そして、守りも重要です!

これまでの積立投資・分割投資を継続するだけでも口数を積み増すチャンスですから、決してストップせずに淡々と続けましょう。

前述の通り多くのカテゴリーの資産が下落していますので、基本的には保有資産は解約せずにステイしておくことをお勧めします。(特に株式や仮想通貨は下落幅が大きいですよ!絶対解約しちゃダメです!)

ただ、個人的には外貨資産の換金はありですね。

1米ドル=135円というのは、理論値(国際通貨研究所が日米のCPIから算出した購買力平価。1973年基準)から見てもかなり割安です。

これはいわゆるアノマリーであり、回帰していく可能性が高いと見ています。

円安により米ドル建て保険などで保険料負担が大きくなっている方や、塩漬けになっている外貨預金がある方など、一部解約を検討しても良いとは思います。
(僕もそうしました)

もちろんですが、為替についてもいろいろな見解がありますので、上記の考えが正解かどうかは分かりません。

ご参考程度にとどめておいてくださいね。

終わりに

ということで、今回はいつもより踏み込んで「安藤がお勧めする投資行動」について書かせていただきました。

しかしいつもながら大切にしていただきたいのは、「投資は長い目で見ること」です。

決して「これならすぐ儲かりそう」と欲望に囚われて動いてはいけません!

上記の方針はあくまでも参考程度にしていただき、基本的には現在の投資を継続してください。

動くにしても、投資の最終判断をするのはみなさん自身!投資リスクを負うのもみなさん自身です!そこは肝に銘じておきましょう。

感情的なアクションを起こす前に、ぜひ私たちFPにご相談くださいね。

あしたば・安藤

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo活用法と注意点から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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