「児童手当はとりあえず貯金に回しているけど、なんか勿体ない。ちょっとでも運用で増やせないかなあ…」
「児童手当、みなさん何に使ってるの?」
今回は、そんな疑問や悩みにお答えする内容です。
児童手当(旧子ども手当)は、「中学校卒業までの児童を養育している方」に、行政から支給される手当のこと。
前回の記事ではそれを「活用するうえでの注意点」をご説明しましたが、
今回は児童手当の具体的な活用法についてお伝えします。
私たちはFPとして、多くのご相談をお受けする中で「様々な児童手当の活用事例」を見てきました。
FPからみても「とても賢く活用」できているケースもあれば、残念ながらそうでないケースもあります。
そうした具体例をふまえて、2回に分けて「考え方」から「具体例」まで「児童手当を有意義に活用するためのヒント」をお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みください!
(とにかく、“分かりやすく”いきたいと思います。細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきますので、どうかご容赦ください。)
まずは「目的」を持たせよう
どんなお金も、目的をもって活用することにより「生きたお金」になります。
逆に、目的を持たずに放置したお金・浪費したお金は、まさしく「死んだお金」といえます。
児童手当は簡単な手続きを済ませれば自動的に振り込まれてくるお金のため、自ら進んでアクションを起こさないと、「死んだお金」になってしまいがちです。
入ってきたお金は、あなたとお子様にとって「何のためのお金」でしょうか?
まずは、児童手当に「目的」を持たせましょう!
どんな目的を持たせると良い?
結論からいうと、「子どもの将来のためになること」という前提条件のもとに、あとはそれぞれのお考えに沿って決めていただければOKです。
「学校や習い事で想定外の支出があったときのため」など、緊急資金という位置づけで生活費の口座とは異なる預貯金口座に入れておくのも、選択肢の一つでしょう。
ただ、総額約200万円にも及ぶお金ですから、本来は「まとまった資金の準備」に充てることが最も効率の良い活用方法といえます。
例えば、以下のような資金です。
大学の学費や留学費、その他追加負担など
目指す進路にもよりますが、大学に進めば「入学金・学費・諸費用」を合わせ少なくとも総額500~1000万円はかかります。(日本政策金融公庫「令和元年度 教育費負担の実態調査結果」より)
また、1年以上の長期留学をする場合は、最低200~300万円はかかると言われています。浪人・留年などによる追加負担も、100万円以上のまとまった負担になる可能性が十分にありますね。
こうした費用はどれもまとまった金額になりますから、児童手当を有効活用してその一部を「しっかり確保しておく」ことで、老後資金などの他の資金計画とのバランスがとりやすくなるのです。
社会人になって以降の「結婚」「住宅購入」「起業」などの資金
独り立ちした後のこうした資金を、わざわざ準備する家庭はごく僅かと感じるかもしれませんが、実際は「●●のために、少しでも支援したい」と大事な自分の老後資金から捻出する親もたくさんいます。
金額は一概に言えませんが、どれも「数十~数百万円」単位の資金が必要になってくるものなので、もらう側からすると非常に助かります。(執筆している僕自身も、恥ずかしながら支援を受けて本当に助かりました)
教育費と別にこうしたお金を積み立てるのはハードルが高く感じる方でも、国からもらえるお金であれば負担感なく準備することができるため、児童手当をこの目的で運用していくのは十分お勧めできます。
「児童手当は、イザという時のためにとっておいてます。
無事に残れば、子どもが社会人になって大きなイベントがあった時に渡すつもりです。」
実際に、こんな方はよくお見受けします。しっかり子ども名義の口座に移して、100万円程度のお金になっているケースも多いですね。
同時に「金融教育・投資教育」という目的を持たせるのがベスト!
上記2つのように、「何に使うのか」という目的を持たせることは大変重要です。
ただ、前回の記事にも書きましたが、10~20年スパンで準備をすることができるお金を預貯金で眠らせておくのは“非常に勿体ないこと”といえます。
大学の学費や社会人になって以降の資金であれば、十分そうした長い時間をとることができますね。
であれば、このお金こそ「投資・運用で育てるべきお金」です!
「とにかく投資・運用でふやす」のも構いませんが、、、
「子どもの将来のためになること」という視点で考えれば、児童手当の運用をとおして「子どもの金融教育・投資教育」を実践する。
児童手当を有意義に活用する方法として、これはゼッタイにお勧めしたいポイントです!
こちらの記事で「投資・運用を生活に取り入れる意義」については触れましたが、いま、国の方針として「20~40代(いわゆる資産形成層)のうちから、つみたて投資で教育資金や老後資金をふやすこと」が推奨されています。つみたてNISAやiDeCo/イデコが創設されたのも、そのためです。
「金融教育・投資教育」はどのように実践する?
“金融教育・投資教育”ときいてハードルが高く感じた方もいるかもしれませんが、心配ご無用。
とにかく月1万円~でも少額で投資をスタートし、
「●●ちゃん(くん)のお金で、つみたて投資を始めたよ。ちょっとずつ増えていくのが楽しみだね」
こんな感じで伝えてあげればOKです。
最初は「?」という反応を示すと思いますが、全く問題ありません。
子どもは感受性豊かですから、「なんとなくだけど、自分のお金で投資というものを始めたらしい」と分かります。
その「なんとなく」がジワジワと浸透していき、経済や金融に対してアンテナが立つようになるため、知らず知らずのうちに高い教育効果を見込むことができるのです。
同時に、親も良い意味で「知識・情報を取り入れざるを得なくなる」ので、ご自身の資産形成・資産運用のためにもなって一石二鳥ですね!
具体的な活用方法は?
なんらかの形で「国の制度を使った”つみたて投資”をスタートする」。
これが、児童手当を有意義に活用する方法として、だれでも出来るオーソドックスなやり方です。
選択肢として代表的なものは以下の通り。
- 親の名義で「つみたてNISA」
- 子どもの名義で「ジュニアNISA」
どちらも「税金面でお得」な制度で、仕組みとしも「初心者向け」になっています。
だいぶ長文になってしまったので、次の記事(↓)で詳しく解説していきます。
なお、他の選択肢としてよくインターネット上の記事にも出てくる「学資保険」についても触れたいと思います。
2児の父であるFP安藤の「児童手当活用術」など、かなり具体的&実践的な内容をお伝えしますので、楽しみにしていてください!
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、つみたてNISAやiDeCo/イデコ、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的な・つみたてNISA・iDeCo等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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