国の制度

高校の無償化制度について

「高校の無償化制度ってどんな内容?」

「高校の授業料が無償化されたと聞いたけど、我が家も対象なの?」

この記事は、そんな疑問を持っている方に向けた内容です。

子ども1人に必要な教育費は最低でも1,000~1,500万円、進学先次第では2,000万円以上必要と言われています。

そのため、経済的な負担を理由に進学を諦めることがないよう、日本にはさまざまな支援策があります。

今回はその中でも高校の無償化制度について取り上げます。

高校の無償化制度とは、正確には私立高校の「実質」無償化制度を指します。

制度の概要や対象者について、分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

(大学無償化についての過去記事はこちら↓)

大学無償化について①(給付型奨学金)子育て世帯なら知っておきたい大学の無償化(高等教育の無償化)制度のうち、今回は特に給付型奨学金の給付額や対象者の条件を解説します。必要に応じて制度を利用できるよう、大学無償化制度について正しく理解しましょう。...
大学無償化について②(入学費・授業料減免)大学の学費負担を理由に進学を諦めることがないように、大学の無償化制度があります。今回は大学の無償化(高等教育の無償化)制度のうち、入学費・授業料の減免について詳しく解説します。注意点も確認の上、対象世帯は積極的に制度を活用しましょう!...

私立高校の授業料が「実質」無償になった経緯


大学ほどではないものの、高校の授業料負担を重く感じることもあるでしょう。

そんなときに利用したいのが高等学校等就学支援金制度です。

高等学校等就学支援金制度は、国の授業料支援制度で、全国の約80%の学生が利用しています。

支援金を利用することで、学費の負担をできるだけ軽くすることができるというわけですね。

これまでは、この支援金で公立高校の授業料はカバーできる一方、授業料が高い私立高校の場合は授業料の満額を支援金でカバーすることはできず、支援金と授業料の差額は自己負担でした。

しかし、令和2年の4月から、高等学校等就学支援金制度の支援金額が私立高校の平均的な授業料まで引き上げられたため、私立高校の授業料も「実質」無償化されたというわけです。

つまり、私立高校の学費が完全に免除され、無料(無償)になったというわけではなく、高等学校等就学支援金制度によって受け取れる金額が増えたため、私立高校の学費を支援金でカバーできるようになりました。

「実質」無償化とは、支援金の利用と大きく関わっているということですね。

私立高校の「実質」無償化の内容

高等学校等就学支援金の支給額

(引用:文部科学省「高等学校等就学支援金手続きリーフレット」

この高等学校等就学支援金は、国公立高校私立高校のどちらに通うかによって支給額が異なります。

全日制高校の場合の支給額は以下の通りです。

国公立高校に通う生徒

11万8,800円が支給されます。

これは公立高校の一般的な学費水準と同等の金額であるため、国公立高校に通う学生は授業料負担がありません。

私立高校に通う生徒

上記の表からも分かる通り、年収590万円以下の世帯は、年収に応じて11万8,800円にさらに加算があり、39万6,000円を限度に支援金が支給されます。(※年収の要件については、のちほど解説します。)

つまり、年収が590万円以下の世帯であれば、支援金額次第では私立高校の授業料が「実質」無料となります。

一方、年収が590万円超910万円の世帯は公立高校の学費と同等の11万8,800円が支給されます。

11万8,800円の支給であれば、私立高校の場合、支援金で授業用の全てのカバーできずに自己負担が発生することが考えられます。

つまり支援金の金額が引き上げられ、「実質」無償となる世帯が増えたとはいえ、授業料と就学支援金の差額が生じる場合は各家庭で負担する必要がある点に注意しましょう。

なお、高等学校等就学支援金は返還不要です。そのため、学生本人や保護者に返済義務が生じることもありません。

高等学校等就学支援金の対象者

ではこの高等学校等就学支援金、高校に通う学生であれば全員対象なのでしょうか?

残念ながら全ての高校生が対象ではなく、利用には年収の制限があります。

高等学校等就学支援金の対象者となる世帯の目安は以下の通りです。

支援の対象になる世帯の年収目安
子の人数11万8,800円の支給39万6,000円の支給
両親のうち一方が働いている場合子2人(高校生・高校生)~約950万円~約640万円
子2人(大学生・高校生~約960万円~約650万円
両親共働きの場合子2人(高校生・中学生以下)~約1,030万円~約660万円
子2人(高校生・高校生)~約1,070万円~約720万円
子2人(大学生・高校生~約1,090万円~約740万円

上記の表からも分かる通り、家族構成人数や保護者の就労状況によって、対象となる年収要件が異なりますので、支援金の利用前にご自身が対象かどうかを確認しておきましょう。

高等学校等就学支援金の利用について

申請方法

高等学校等就学支援金の利用を検討している場合は申請が必要です。

高等学校等就学支援金は在学している学校を通じて申請し、申請月から支給がスタートします。

新入生は入学した4月頃在学生は7月頃、それぞれ学校を通して案内が届きます。

なお、申請の際には申請書の他に、保護者のマイナンバーカード・通知カードの写しが必要です。(※在学生で過去にマイナンバーによる手続きを済ませている場合は再提出不要。)

支給方法

(引用:文部科学省「就学支援金制度概要リーフレット」

仮に高等学校等就学支援金の支給が認められると、学校設置者(都道府県や学校法人)が生徒に代わって受け取り、授業料に充当します。

つまり、生徒や保護者が支援金を受け取ることはありません。

まとめ

今回は、私立高校の授業料の「実質」無償化について解説しました。

要点まとめ
  • 2020年4月から高等学校等就学支援金の支給金額が私立高校の学費水準まで引き上げられた
  • 支援金の引き上げにより、(公立高校だけでなく)私立高校の授業料が「実質」無償になる世帯がある
  • ただし世帯年収次第では支援金額に差が生じ、学費と支援金の差額は自己負担

大学進学を見据え、高校の学費もできるだけ抑えたいと考える世帯も少なくありません。

高等学校等就学支援金制度の対象かどうかを確認の上、必要に応じて申請しましょう。

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