「子どもの名義で株式投資を始めるには、どうすればいいの?」
「そもそも、未成年者でも株ってできるのかな? もしできるなら、具体的なやり方とか注意点が知りたい。」
この記事は、そんな疑問・ニーズがある方向けの内容です。
これまでの未成年者向けシリーズ(↓)の内容を聞いて、株式投資に興味を持ったお子さんやお孫さんがいた時、「いよいよ実際に始めさせてあげる」のに役立ちます。
なお、これまでは「子どもや孫にそのまま読み聞かせることができる」内容でしたが、今回はあくまでも手続きを含めた「始め方」「やり方」な説明が中心なので、両親・祖父母等の方がお読みいただくことを想定しています。
投資・運用の基礎知識的な内容ではありませんので、
「そもそも投資ってどんなメリットがある?注意点は?」といった疑問がある方は、ぜひこれらの記事を確認いただいてから、戻ってきてくださいね。
では、具体的にみていきましょう。
(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かい用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
そもそも、未成年者の名義で株式投資は始められる?
結論から言うと、「可能」です。
ただし、親権者(または未成年後見人)の方が管理・把握できる場合に限られるなど、一定の要件・制約があります。
その要件は金融機関によって異なりますが、ポイントは下記の通りです。
親権者の登録と口座開設が必要
未成年者の口座を開設する際に、「親権者」を登録する必要があります。
金融機関によりますが、原則として「親権者」は父母のどちらかです。
父母がいない場合に祖父母等を登録できるようになっています。
また、「親権者も同じ金融機関で証券口座を開設していること」を条件としているケースがほとんどです。
15歳未満かどうかで「取引主体者」が異なる
一般的に、15歳程度から各種取引等について判断・認識ができるとされているため、口座を開設する未成年者が15歳以上の場合は、本人も「取引主体者」になれることとなっています。
15歳未満:取引主体者は、親権者(もしくは未成年後見人)
15歳以上:取引主体者は、未成年者本人または親権者(もしくは未成年後見人)
いずれにしても、基本的には親権者が未成年者に代わって「株式や投資信託の購入・売却」等の「取引」を実行することになります。
15歳以上で未成年者本人が取引主体者となった場合は、未成年者が自ら「株式や投資信託の購入・売却」等の「取引」を実行することができます。
購入できる商品が一部制限される
基本的には、国内・外国の現物株式・債券や投資信託など、スタンダードな商品は購入できます。
なので、「株式投資をやってみたい」という場合に、国内の現物株式や株式に投資するファンド(投資信託)を購入する上での制約はありません。
ただし、金融機関によりますが、FX(外国為替保証金取引)や先物・オプション取引などのリスクが高い投資は「不可」となっているケースが多いです。
ジュニアNISAも始める場合は、専用口座を開設する
以前の記事で解説しましたが、2023年までは未成年者向け少額投資非課税制度「ジュニアNISA」を利用することも可能です。
それを始めるとできる「ジュニアNISA口座」は、未成年口座(総合取引口座)とは厳密にいうと別物となっています。
未成年口座を開設していないと、ジュニアNISA口座は開設できませんが、「未成年口座を開設すればジュニアNISAも自動的に開設される」のではなく、別途「ジュニアNISA口座を作る必要がある」と覚えておきましょう。
このあたりはかなり複雑なので、実際に口座開設する金融機関の案内に沿うのがベストです。
ジュニアNISAを利用する上でのメリット・デメリットについては、こちらをご確認ください。
窓口となる金融機関等の選び方
無事に「未成年でも始められる」ということが確認できましたので、いよいよ実際に始める時の「窓口」をどこにするか、を検討しましょう。
別の記事(↓)で詳しく解説しますので、ご覧ください。
※手続きについては、金融機関によって大きく異なるため割愛させていただきます。
具体的なやり方
窓口も決まったところで、「未成年者向けの具体的なやり方」を考えましょう。
下記2つがポイントです。
「個別の株式」or「投資信託」
前述の「株式投資ってなに?」の記事で解説した通り、直接個別の企業を応援する投資方法があります。(「個別株投資」や「個別銘柄投資」と言います。)
直接応援できるので分かりやすいというメリットがある反面、次のようなデメリットもあります。
- 自分で細かく企業を選ぶ必要がある(調べたりする労力がかかる)
- 企業によっては、まとまったお金がないと投資できない(最低金額が100~200万円の企業も)
- 万が一、投資した企業が破綻してしまったら、株式の価値はほぼゼロになる
- 投資を始めた後、企業の株価のアップダウンで一喜一憂しやすい
「十分なお金」があり、「株式投資は企業を応援すること」と割り切って、単純に好きな企業に投資するだけなら上記は問題にならないと思いますが、、、
実際は、そうはいかないことも多いものです。(大事な子どものお金ですから、価格が下落した時は気になってしまいがちですね)
そこで、個別の株式以外の選択肢として「投資信託」もお勧めします。
投資信託とは、
- 投資したい人(投資家)が投じたお金を「ひとつの大きな資金」としてまとめ、
- 運用の「プロ・専門家」に任せて株式や債券に「分散投資」をしてもらい、
- その運用成果が良くても悪くても、投資した人に「返ってくる」仕組み
になっている商品です。
「月々1万円くらいの少額からできる」「運用をプロに任せられる」「投資先の企業を分散できる」
というメリットがあるため、先ほどの問題はだいたいクリアーできるのです。
ただ、もちろん「投資のリスク」はありますし、投資信託も「基準価額」という価格がアップダウンするので、そこは個別の株式と同様です。
それだとしても、投資未経験者・初心者にとってはかなりハードルが低い商品であることは間違いありません。
「個別の株式投資」か「投資信託」か、もしくは両方を組み合わせるか、私たちFPのような専門家にアドバイスを受けながら、ご自身とお子さん・お孫さんにあったやり方を見つけてみてくださいね。
※投資信託については、こちらの記事(↓)で詳しく解説しています。
「一括投資」or「分割投資」
上記で投資信託を活用する場合は、「一括投資」にするか「分割投資」にするかの検討も必要です。
一括投資とは
持っている資金から「まとまったお金を一度にドンッと投資する方法」です。数十万円~100万円とか、1000万円単位でも投資できます。
分割投資とは
持っている資金から「毎月(毎年)少しずつ投資にまわしていく方法」です。月々1万円くらい~*投資することができます。
※金融機関によっては「月々1,000円」「毎日100円」など、金額もやり方もかなり柔軟に選べるところもあります。
普通に「投資」と聞いたら「一括投資」をイメージされる方が多いので、
なんでわざわざ「分割」するの?と思われるかもしれませんね。
なぜかと言うと、毎月・毎年のように「分割」することで、「投資するタイミングの分散」ができ、万が一の株価大暴落等があった場合のリスクを抑えられるからです。
それぞれメリット・デメリットがある
とはいえ、株価が上昇していく場合は「一括投資」の方がメリットが大きいので、「どちらのやり方が絶対有利」というものではありません。
ご自身の資産状況や考え方によって、「向いているやり方」を選んでいただくと良いでしょう。
ここでは詳細の説明は省きますが、弊社のオンラインセミナーや個別FP相談では「一括投資」「分割投資」の違いについて丁寧にお伝えしますので、ぜひ利用してみてくださいね。
「とにかくまずは始めてみたい」時のオススメ
この場合は、「投資信託」で「月々1~3万円くらいの分割投資」をお勧めします。
(実際、弊社のお客様でもこれくらいからスタートされる方が多いです^^)
投資に慣れていないうちから、「大事なお金をいきなりドンッ」だと不安が多きい方も多いはず。
投資信託なら細かく企業を調べる必要もありませんし、仮に投資先の企業が1つ2つ破綻してしまっても、ダメージは少なくなります。
その上、月々1万円程度から始められるので心理的ハードルはかなり低いでしょう。
まずは、いわゆる「ベイビーステップ」で始めてみてはいかがでしょうか?
始めた後に慣れてきたら、いよいよ応援したい会社の「個別の株式」を買ってみましょう!
すごく愛着もわくはずですよ。
このやり方で必ずうまくいく保証はありませんが、こんな風にまずは少しずつでも投資を始めて、
お子さん・お孫さんが「投資に親しみを持てるキッカケづくり」をしていただければと思います。
まとめ
最終的には「とにかくやってみよう(子ども・孫にやらせてみよう)」というスタンスが一番重要かと思います。
今回ご説明した「やり方」にも正解はありませんし、「やってみないと分からない」ことも多いでしょうから。
もし始めた後に「やっぱり違うやり方がいいな」と思ったら、変更すればOK!
それくらいの気軽さも、株式投資を始める上ではとっても大事です。
僕も4歳と0歳の娘がいる身ですが、本人たちが十分理解できなくても「投資をしている」ことを伝え続ければ、必ず得られるものがあるはず。(僕自身がそうした教育を受けました。)
ぜひ、早めに始めさせてあげてくださいね!
私たちは「未成年のお子様・お孫様がいる家庭」のご相談も何百件とお受けしているため“得意分野”ですので、
何か困ったことがあれば、お気軽にご相談いただければと思います。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo・つみたてNISA等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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