「子供一人を育てるのにかかる費用は、平均でいくらなんだろう?」
「教育費以外のお金って、どれくらいかかるもの?」
そんな疑問をお持ちの方向けに、前編・後編に分けて「知っておくべき重要なデータ」をお伝えします。
弊社には、小さいお子さんがいるご家庭の方はもちろん、結婚・妊娠して「これから子供が生まれる」世帯の方も多数ご相談にいらっしゃいます。
執筆している僕(FP安藤)自身、4歳と0歳の娘がいて、将来かかるお金は気になるところ。
今回は、各種調査結果に基づき「子供(こども)一人にかかるお金のデータ」をまとめてみました。
ぜひご参考くださいね。
子供にかかるお金は、大きく分けて2つ
子供にかかるお金というと「教育費」が頭に浮かぶとおもいますが、それ以外の諸々にかかる「養育費」もあります。
ザっと分類しておきましたので、確認しておきましょう。
養育費
文字通り、「養い育てる」ために係るお金です。
以下のような項目がありますが、基本的には大人と同様の生活にかかる費用(教育以外にかかるお金)と考えておきましょう。
- 衣類・服飾雑貨費
- 食費
- 生活用品費
- 保険料
- 医療費
- 保育費
- 通信費
- お小遣い
- お祝い行事関連費
- レジャー・旅行費
- 妊娠中の出産準備費、出産関連費
教育費
こちらは知識・技術などを教えて、技能・才能を伸ばすためにかかるお金です。
次のような項目に分類できますが、基本的には「学校や塾に通わせるお金+α」と考えておくと良いでしょう。
- 学校教育費(授業料、入学費、寄付金、給食費、修学旅行・遠足費、クラブ活動費、交通費、教材費、制服・通学用品費など)
- 学校外教育費(学習塾費、家庭教師費、通信教育費、家庭内学習用教材費など)
- 学校外活動費(習い事の月謝・用具費、発表会、子ども会の活動費、留学費用など)
養育費はどれくらいかかる?
養育費については統計データがあまりとられていない、というのが実情です。
少し古いですが、2009年に内閣府政策統括官(共生社会政策担当)が実施した「インターネットによる子育て費用に関する調査*」は参考になりますので、見ておきましょう。
※0~15歳(中学生)の第1子を対象とした調査。前述の11項目に加え、「子供のための預貯金」を加えたデータです。
調査に基づく、各ステージ毎の養育費
- 未就園児(0~2歳) 年間 81万6,141円
- 保育園・幼稚園児 年間 114万2,584円
- 小学生 年間 84万7,225円
- 中学生 年間 97万5,565円
上記調査の「年間子育て費用額」から「学校教育費・学校外教育費・学校外活動費」を差し引き、執筆者が独自に算出しました。
いかがでしょう? けっこうな金額に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
ちなみにですが、「高校生」はデータがないためFPとして肌感覚でお伝えすると、中学生の2~3割増しでお金がかかると想定されます。
※大学生はアルバイト収入を得るケースが一般的であるため、養育費は算出しないこととしました。
物価上昇率を加味した推計&概算値
前述の通り10年ほど経過しているので、その後のアベノミクスによる物価上昇率(10年で10%上昇と仮定)を加味した「推計値かつ概算値」では、以下の金額になります。
- 未就園児(0~2歳) 年間 約90万円
- 保育園・幼稚園児 年間 約126万円
- 小学生 約 93万円
- 中学生 約 107万円
- 高校生 約 128万円(中学生の2割増しと仮定)
推計&概算での総額は1,911万円
ということで、上記をまとめるとこうなります。
- 未就園児(0~2歳) 3年間 約270万円
- 保育園・幼稚園児 3年間 約378万円
- 小学生 約 558万円
- 中学生 約 321万円
- 高校生 約 384万円
総額で1,911万円となりますので、
「教育費意外にかかる養育費は、総額で2,000万円近くかかると推測される」
というのが、統計を基に導き出した結論です。
なお、前述の通り大学生のステージは考慮していません。
養育方針次第では、もっとかかる可能性もあると言えるでしょう。
「そんな金額、無理!」と思った方へ
ここで、注意点があります。
「子供のための貯金」=将来の教育資金用の積立もカウントしている
今回取り上げた調査には、「子どものための預貯金」という、将来のために積み立てたお金も含まれています。
その金額は下記の通り
- 未就園児(0~2歳) 年間 13万8,421円
- 保育園・幼稚園児 年間 11万6,690円
- 小学生 年間 9万1,847円
- 中学生 年間 8万9,592円
これを、先ほどと同様に物価上昇に合わせて金額を引き上げ、高校生は2割増しで推計したときの概算は以下の通りとなります。
- 未就園児(0~2歳) 3年間 約45万円
- 保育園・幼稚園児 3年間 約39万円
- 小学生 約 60万円
- 中学生 約 30万円
- 高校生 約 36円
つまり、総額で約210万円は「将来の教育資金のために積み立てているお金」です。
(更に、「保険料」の項目も世帯によっては学資保険等の掛け金を織り込んでいると思われます。実際はもっと「将来への積立」の額が大きい可能性が高いと推測できます。)
全ての養育費がそのまま支出にまわっているわけではありませんので、その点は安心してくださいね。
実際かかる金額は、世帯によって大きく異なる
また、前述のデータはあくまでも調査に基づく「全国の平均値」です。
この調査では、世帯年収700万円以上の世帯が約30%含まれていますし、地域もバラバラに抽出されています。
所得が多ければ多いほど養育にお金をかける傾向があり、特に世帯年収1000万円以上だと「一般的に見てかけ過ぎ」というケースも多くなります。(あくまでも僕のFPとしての経験則ですが)
また、地域によって物価等も変わるため、当然養育費も大きく変わります。
人によって、世帯によって、お金のかけ方・かかり方は様々。
先ほどの「総額2,000万円近く」とならない場合も十分にありますし、過度に悲観的になる必要はありません。
データは冷静に受け止めていただきたいと思います。
次回の内容も“超”重要
ここまで、養育費を中心にお伝えしました。
多くの方が教育費にばかり目が行きがちなので、ぜひ認識しておいていただきたい内容です。
さて次回は、「教育費」のデータを【各ステージ&公立・私立に分けて】解説するのと同時に、
最終的に「トータルでかかる子育て費用」&「準備をする上での心構え」までお伝えします。
小さい子供がご家庭にいらっしゃる方、これから子供が生まれる方、
次回も非常に重要な内容なので、必ずチェックしておいてくださいね。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo・つみたてNISA等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
大好評の「無料オンラインセミナー」も随時開催中!