「こども1人あたりにかかる教育費って、平均だといくら?」
「子供一人を育てるのに、お金は総額でどれくらいかかるんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方向けに、前編・後編に分けて「知っておくべき重要なデータ」をお伝えしています。
前編(↓)では「教育費以外のお金」をテーマにしましたので、今回は「教育費」と「子供1人にかかる費用の総額」がテーマです。
小さいお子さんがいるご家庭の方、結婚・妊娠して「これから子供が生まれる」世帯の方、ぜひご参考くださいね。
「教育費」の定義
教育費について考える時、多くの方が「学校の授業料」を真っ先にイメージすると思います。
確かにそれが一番メインの費用になりますが、実際はそれ以外の費用もかかってきます。
前回も列挙した内容ですが、「教育費」の分類をチェックしておきましょう。
- 学校教育費(授業料、入学費、寄付金、給食費、修学旅行・遠足費、クラブ活動費、交通費、教材費、制服・通学用品費など)
- 学校外教育費(学習塾費、家庭教師費、通信教育費、家庭内学習用教材費など)
- 学校外活動費(習い事の月謝・用具費、発表会、子ども会の活動費、留学費用など)
これから見ていく各種調査では上記全ての詳細データまで捉えてきれていませんが、「こういったものも含めて、教育にはお金がかかるんだ」という感覚は掴んでおくと良いでしょう。
各ステージ毎にかかる教育費
ではいよいよ、各種調査に基づく「各ステージ毎の教育費」を見ていきたいと思います。
今回は一般的な進路を想定として、「幼稚園→小学校→中学校→高等学校→大学(4年生)」のデータを抽出しました。
<出所元>
幼稚園・小学校・中学校・高等学校まで:文部科学省「子供の学習費調査(平成30年度)」
大学・短大:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(令和2年度)」
幼稚園
年間
公立:22万3,647円(うち学校教育費12万738円、学校給食費1万9,014円、学校外活動費8万3,895円)
私立:52万7,916円(うち学校教育費33万1,378円、学校給食費3万880円、学校外活動費16万5,658円)
3年間の総額
公立:64万9,088円(内訳のデータ公表は無し)
私立:158万4,777円(内訳のデータ公表は無し)
小学校
年間
公立:32万1,281円(うち学校教育費6万3,102円、学校給食費4万3,728円、学校外活動費21万4,451円)
私立:159万8,691円(うち学校教育費90万4,164円、学校給食費4万7,638円、学校外活動費64万6,889円)
6年間の総額
公立:192万6,809円(内訳のデータ公表は無し)
私立:959万2,145円(内訳のデータ公表は無し)
中学校
年間
公立:48万8,397円(うち学校教育費13万8,961円、学校給食費4万2,945円、学校外活動費30万6,491円)
私立:140万6,433円(うち学校教育費107万1,438円、学校給食費3,731円、学校外活動費33万1,264円)
3年間の総額
公立:146万2,113円(内訳のデータ公表は無し)
私立:421万7,1727円(内訳のデータ公表は無し)
高校(全日制)
年間
公立:45万7,380円(うち学校教育費28万487円、学校外活動費17万6,893円)
私立:96万9,911円(うち学校教育費71万9,051円、学校外活動費25万860円)
3年間の総額
公立:137万2,072円(内訳のデータ公表は無し)
私立:290万4,230円(内訳のデータ公表は無し)
大学・短大
入学費
国公立:31.6万円
私立文系:50.3万円
私立理系:51.9万円
年間
国公立:115万円(うち学校教育費170万円、家庭教育費9.2万円)
私立文系:152.1万円(うち学校教育費143.2万円、家庭教育費8.9万円)
私立理系:192.2万円(うち学校教育費183.3万円、家庭教育費8.9万円)
4年間の総額
国公立:491.6万円
私立文系:658.7万円
私立理系:820.7万円
幼稚園から大学までの教育費「総額」
まず、幼稚園から高校までの教育費の総額を見てみましょう。
- 全て公立:約541万円
- 全て私立:約1,830万円
これに、大学の教育費を加えた総額は以下の通りです。
- 全て公立+国公立大:約1,033万円
- 全て私立+私立文系大:約2,489万円
- 全て私立+私立理系大:約2,651万円
今回は細かくコースを分けませんでしたが、
「少なくともトータルで1,000万円、多いと2,500万円くらいかかる」
と認識しておくと良いでしょう。
教育費+養育費=子供1人にかかる費用の総額は?
上記の教育費に、前回の記事で解説した「養育費」を加えると、こども一人あたりにかかるお金の総額が算出できます。
古いデータは物価上昇率等を加味して、調査結果で捉えきれない部分を推計値とした上での「概算値」で、こども一人あたりの養育費は約1,911万円でした。
よって、大学まで進学した場合の総額はこの様になります。
- 全て公立+国公立大:約2,944万円
- 全て私立+私立文系大:約4,400万円
- 全て私立+私立理系大:約4,562万円
ここまでくると相当大きな金額になるので、
「子供1人を育てるのにかかるお金は、3,000~4,000万円」
と考えておくと良いでしょう。
子育てにかかるお金を準備する上での心構え
いかがでしたでしょうか?
「そんなお金、とてもじゃないけど用意できない」
と思われた方もいるかもしれませんね。
でも、安心してください。
今回のようなデータを並べた僕が言うのもなんですが、過度に心配する必要はありません。
データはあくまでも平均値、積立等も含んでいる
今回お見せした数字は、あくまでも調査による平均値。
スーパー富裕層の金額も織り込んでいますし、全員に当てはまるものではありません。
親御さんの職業や住む地域も違ったり、そもそも教育・養育方針は家庭によってバラバラ。
調査結果はそうした細かい事情を忠実に反映することはできませんから、あくまで参考にしていただければOKです。
また、前回お伝えした通り、養育費のデータは将来への積立も含まれています。
「肌感覚としての総額はもっと少ない」と思っていただいて問題ないでしょう。
養育費は日々の収入から捻出できるケースが多い
これは私たちがFPとして多くのご相談をお受けしてきた上での「現場感覚」になりますが、
「養育費」は日々の収入から賄えているケースがほとんどです。
総額でかなり大きな金額になるのは事実ですが、あまり過度に心配しないで大丈夫!と考えておいてくださいね。
私立コースなら相当な負担を覚悟すべき
ただし、今回のデータを見てお分かりの通り、私立コースと公立コースでは金額に大きな開きがあります。
全て私立か全て公立かで、1,000万円以上の差がありますから、私立コースを歩ませるおつもりなら、それ相応の負担を覚悟した準備が必要です。
それは強く認識しておきましょう。
大学入学までにまとまったお金は準備しよう!
どんなコースを歩むにせよ、もし大学に通わせるつもりであれば、それまでにまとまったお金を準備することをお勧めします。
必ずしも全額用意していなくても構いませんが、目安としては大学入学までに「300~500万円」を確保しておくと良いでしょう。
そうした資金を用意するために、早めに計画を立て、早めに積立等のアクションを起こしましょう!!
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo・つみたてNISA等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
大好評の「無料オンラインセミナー」も随時開催中!