「現行のNISA制度がいつまで使えるのか知りたい!」
「新・NISAが始まるって聞いたけど、どんな内容なの?」
この記事は、そんな疑問がある方向けの内容です。
2014年に始まったNISA制度も、そろそろ終了期限が近づいてきました。これから始めたいと思っている方にとっては、NISA制度がいつまで使えるのか気になるところですよね。
元々、NISA制度は、一般NISAとジュニアNISAが2023年、つみたてNISAが2037年を期限とした制度です。しかし、法改正により一般NISAとつみたてNISAの期限が5年延長されることとなりました。
これに伴い、一般NISAは2024年以降「新・NISA」という新制度に変わることが決まっています。
そこでこの記事では、現行のNISA制度(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)の期限と、2024年から始まる新NISAについて解説。両制度の違いについても合わせて解説します。
現行一般NISAの口座開設可能期間は2023年まで
まずは年額上限120万円の一般NISA制度を見ていきましょう。
一般NISAがスタートしたのは2014年。口座開設可能期間は2023年までです。
期間内に新規口座を開設すれば、そこから5年間は非課税運用が可能で、ロールオーバー制度(非課税期間終了後に保有金融機関をそのままさらに5年非課税運用する制度)を使えば、最長10年間非課税運用が可能となっています。
2024年以降は2028年までの新・NISAに移行
一般NISA制度は、2024年から「新・NISA」と名前を変え、2028年まで延長することが決まっています。
現行一般NISAでの口座開設可能期間は2023年まで。2024年以降は新・NISAでの口座開設となります。名前の変更に合わせて、制度も一部変更されます。
これは、令和2年に金融庁から発表された税制改正によるもので、家系の安定的な資産形成支援を目的とするものです。
主な変更点は、非課税枠が今までの120万円から、1階20万円・2階102万円の2階建て方式になること。1階部分を使ってから、2階部分が解放される仕組みです。制度の詳細は後ほど解説します。
つみたてNISAの口座開設可能期間は2042年まで
つみたてNISAは、当初、口座開設可能期間を2037年までとしていましたが、一般NISA制度の延長に伴い、口座開設可能期間が2042年まで延長されました。非課税期間は口座開設から20年間です。
つみたてNISAについては、制度の内容に変化は無く、名前の変更もありません。期間のみの延長となります。
ジュニアNISAは2023年で廃止に
ジュニアNISAは2016年に開始した、対象を日本に居住している0歳から19歳までに限定した制度です。制度の当初終了期間は2023年までで、2023年末をもって制度廃止となります。一般NISAのような延長はありません。
ジュニアNISAの制度廃止に伴って、2024年以降は新規の投資ができなくなります。また、今まで設定されていた払出し制限(現行では18歳である年の前年12月まで払出しができない)が撤廃されます。
これは、払出し制限がネックとなり、ジュニアNISAの利用者が伸び悩んだためと言われています。
なお、2023年末までに投資した分は、対象者が18歳になるまで非課税で保有できます。
2024年から始まる「新・NISA」とは?
ここからは、2024年から始まる「新・NISA」について解説します。新・NISAとは、現行一般NISAが名前と一部制度を変えて延長するもので、つみたてNISAやジュニアNISAは含みません。
ここでは、新・NISAの概要や注意点、現行一般NISAとの違いについて解説していきます。
新・NISAは年間投資上限122万円の「2階建て」制度
新・NISAは、つみたてNISAと一般NISAのハイブリッドのような制度で、積立て商品限定の1階(年間投資上限20万円)と、上場株式や公募株式投資信託なども購入できる2階(年間投資上限102万円)の2階建て構造になっています。
1階と2階の概要は下記のとおりです。
1階部分:投資上限は年間20万円。1階部分で投資を行うと、2階部分が解放される。投資対象商品はつみたてNISAと同様の商品に限られる。
2階部分:投資上限は年間102万円。1階部分で投資を行うと解放される。投資対象商品は、上場株式や公募株式投資信託など。
1階部分は積み立て目的の枠となっており、現行NISAのような金融商品を購入したい場合は2階部分で行う流れとなっています。
なお、2階部分の注意点として、高レバレッジ投資信託のような一定の商品・取引は除外されていることと、NISA口座を開設していた人や何らかの投資経験がある人が2階で上場株式のみに投資する場合は1階部分での投資を必要としない例外があります。
現行一般NISAと新NISAの違い
新・NISAは現行一般NISAと何が違うのでしょうか?主な項目について比べてみました。
現行一般NISA | 新・NISA | |
年間の投資上限額 | 120万円 | 1階:20万円 2階:122万円 |
非課税期間 | 5年間 | 1階:5年間 2階:5年間 |
口座新規開設可能期間 | 2023年まで | 2024年~2028年 |
投資対象商品 | 上場株式や公募株式投資信託など | 1階:積立商品のみ (つみたてNISAと同様) 2階:上場株式や公募株式投資信託など (一部除外あり) |
投資方法 | 制限なし | つみたてNISAと同様 |
投資上限額以外の変更点として、投資対象商品から一部金融商品が除外されることと、1階部分の投資方法をつみたてNISAと同様とする制限がかかりました。現行一般NISA以上に、長期資産形成を意識した制度となっています。
現行一般NISAからの「ロールオーバー」も可能
現行一般NISAの非課税期間が終了した場合、保有している金融商品のその後の取扱いには3つの選択肢があります。
- 課税口座へ移管
- 売却
- ロールオーバー(持ち越し)
新・NISA制度開始後もこの選択肢は同様で、ロールオーバーを選択する場合、現行一般NISAから新・NISAへのロールオーバーも可能となります。
このとき、保有金融資産の総額が新・NISAの年間投資上限(合計122万円)を超えていても、全額ロールオーバーすることができます。
ただし、1階部分にロールオーバーできる金融商品は、つみたてNISAと同様の積立商品に限られます。
新・NISAへロールオーバーする際の枠の順序
現行一般NISAから新・NISAへのロールオーバーは少し複雑なため、例を挙げて具体的に解説します。
- 例1:150万円分(積立商品無し)をロールオーバーする場合
2階の枠に全額ロールオーバーする(1階は積立商品専用のため) - 例2:150万円分(積立商品10万円分を含む)をロールオーバーする場合
1階の枠に積立商品10万円分、2階の枠に残り140万円分をロールオーバーする - 例3:150万円分(積立商品30万円分を含む)をロールオーバーする場合
1階の枠に積立商品30万円分のうち20万円、2階の枠に積立商品10万円分を含む120万円分をロールオーバーする
現行一般NISAで所有している金融商品は全額ロールオーバーできますが、積立商品を持っている場合は必ず1階の枠を埋める必要があることを覚えておきましょう。
1階部分の金融商品はつみたてNISAへロールオーバー可能
新・NISAの1階部分で積立てた金融商品は、非課税期間終了後につみたてNISAへロールオーバーできます。1階部分で購入できる金融商品はつみたてNISAと同様のものに限られるため、全商品がロールオーバーの対象となります。
この制度を使うと、新・NISAで5年、つみたてNISAで20年の合計25年間非課税で保有できます。
これからNISAを始めるなら積立を意識しよう
現行一般NISAは2023年で終了しますが、2024年以降も新・NISAとして制度の利用が可能です。新・NISAは積立て専用の1階枠から分かるように、今まで以上に長期資産形成を意識した作りになっています。
また、新・NISAからつみたてNISAへのロールオーバーも可能になるため、新・NISAを5年運用してからつみたてNISAで20年運用する方法も魅力的です。
今後、個人の資産形成は重要度を増すと考えられます。効果的な資産形成のために、NISA制度を活用してみてはいかがでしょうか。
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