「ジュニアNISAがお得と聞いたけど、そもそもどんな制度なの?」
「NISAとジュニアNISAって、別物?」
この記事では、そんな疑問にお答えします。
「NISA」(少額投資非課税制度)とは、一般生活者に投資のすそ野を広げ、資産運用・資産形成を後押しする目的で2014年からスタートした制度です。
その後、制度を拡充する形で「未成年者向けのジュニアNISA」と「積み立て専用のつみたてNISA」が登場しました。
今回は母体である「NISA*」と比較しながら「ジュニアNISA」について詳しくお伝えしていきます。
※これ以降、他と区別しやすくするためにNISAは「一般NISA」と表記します。
※一般NISAについての詳細を確認したい方は、こちら↓の記事をご覧ください。
(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
ジュニアNISAのポイント
(出所:金融庁)
- 証券会社や銀行等で専用口座を開設し、決められた期間・金額の範囲内で投資をします。
- 投資で得られた「値上がりによる利益」や「配当金・分配金」が非課税になります。(本来、投資で増えた分は約20%の税金がかかります。)
- 未成年者向けの制度で、18歳までは引き出し制限あり
- 非課税となる期間は5年間
- 限度額は年間80万円まで
- 投資可能期間は2023年まで
ジュニアNISAの仕組み・対象者
(出所:金融庁)
ジュニアNISAは、日本に住む0~19歳(未成年者)の方を対象とする制度です。
口座開設者本人の二親等以内の親族(親権者・祖父母など)を「運用管理者」として登録し、その人が代理で運用・管理を行います。
※運用管理者が「一般NISA」や「つみたてNISA」を利用しているかどうかとは、無関係です。(併用も可能です。)
引き出し制限について
18歳までに引き出すと課税される
ジュニアNISAは大学などの高等教育資金を準備する想定して創られた制度なので、「18歳未満で*資金を引き出すと課税される(税金がかかる)」というルールとなっています。
※3月31日時点で18歳である年の、前年末まで
一度引き出すと過去の全ての利益に対して課税され、ジュニアNISA口座自体を廃止することになります。
この厳しい引き出し制限が、「ジュニアNISAの一番のデメリット・注意点」といっても良いポイントですので、ぜひ覚えておきましょう。
なお、災害などやむを得ない事由による場合は「18歳未満でも非課税で引き出し可」となっていますが、その際もジュニアNISA口座は廃止することになっています。
金融機関の変更もできない
また、一般NISAと異なり、金融機関の変更もできません。
どうしても金融機関を変更したい場合は、ジュニアNISA口座を廃止して一旦引き出し、その後に改めて別の金融機関でジュニアNISA口座を開設することになります。
廃止・引き出しをした時点で当然課税されるので、大きなデメリットを被ることになってしまいます。
金融機関選びは慎重になった方が良いでしょう。
非課税期間・限度額について
非課税期間の5年間が経過した時点で、18歳未満だったら?
5年の非課税期間が経過した時点で、ジュニアNISA口座で投資した株式や投資信託などの商品は、“課税”ジュニアNISA口座に移ります。
その後、配当金や商品の値上がりによって得られた利益については課税されます。
つまり、最終的に18歳以降で引き出す時、「5年間の非課税期間に運用していた分には税金がかからず、非課税期間が終わってから引き出すまでに増えた分には税金がかかる」ということになるのです。
ただ、この点は後述する「ジュニアNISAの制度廃止」が決定した場合は、「継続管理勘定」に移して「20歳になるまでは非課税で」運用を継続することができるようになります。
非課税期間の5年間が経過した時点で、18歳以上になっていたら?
この場合は一般NISAとほぼ同じルールで、次の選択肢から選ぶことができます。
- 課税口座(通常の利益に対して税金がかかる口座)に移して投資・運用を継続する
- 解約して現金化する
- 終了後の翌年の一般NISA非課税枠に持ち越す(ロールオーバー)
※③は終了時点で20歳以上だった場合のみ
①のように、課税口座に移してそのまま運用を継続することもできますし、②のように解約して現金化することもできます。
また、終了時点で終了時点で20歳以上だった場合は、③のように翌年の「一般NISA(成年非課税口座)」に移して、非課税で運用を継続することも可能です。
上記の非課税期間終了時に18歳以上だった場合の対応については、後述する「一般NISAの基礎知識の記事」で詳細を解説しています。ご参考ください。
上記以外のポイント・注意点について
これまで解説した内容以外の、次のようなポイントにつきましては、基本的に「一般NISAとほぼ同じ」です。
- 投資方法は「一括」でも「積み立て」でもOK?
- 投資対象商品は?
- 1年間で非課税枠を使い切れなかったら、翌年以降に繰り越せる?
- 元本割れリスクは?
- 始める時の窓口は?
こちらの記事↓で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
ジュニアNISA特有の注意点
ジュニアNISAは2023年で廃止予定
ジュニアNISAは、2020年3月に決まった法改正により「2023年に投資した分まで」で廃止となることが確定しました。
※一般NISAは、2024年以降も「新NISA」として継続されます。
払い出し制限がなくなることに
廃止になってしまうことは残念ですが、これにより制度上のメリットが生まれました。
「制度の廃止と同時に、払い出し制限も撤廃される」ことになったのです。
すなわち、「非課税期間の5年間が経過した時点で18歳未満だったとしても、非課税で引き出しをすることができる」ようになります。
ジュニアNISAの一番のデメリットが解消されることになるので、かなり使い勝手が良くなりそうです。
非課税期間が経過した時点で20歳未満だった場合のルールも「良い方に」変わる
非課税期間の5年間が経過視点で20歳未満だった場合、2023年までに投資した分については、「継続管理勘定」に移して「20歳になるまでは非課税で」運用を継続することができます。
※この点は複雑なので、金融庁のHPもご参考ください。
本来は5年間経過後に一般NISAの「ロールオーバー」というルールを適用して、再度5年間非課税で運用できるはずだったものが、制度が廃止されることで不可能になってしまうためです。
「0歳から始めて5歳になった時の分も、20歳まで非課税」
ですから、これもジュニアNISAの使い勝手がかなり良くなるポイントの一つといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ジュニアNISAは十分メリットもあるのですが、「18歳まで引き出せない」という使い勝手の悪さによってあまり普及せず、廃止が確定してしまいました。
(金融庁の調査では、2020年3月末時点で一般NISA:約1186万口座・つみたてNISA:約220万口座に対し、ジュニアNISAは約35万口座しか開設されていません。)
とはいえ、前述の通り「一番のウィークポイントが解消される」のですから、
- 18歳未満の子どもがいる
- 親・祖父母のNISA枠以上に、投資に回せる手元資金がある
という方にとっては、「使わない手はない制度」になりそうです。
2023年までという残り僅かの期間ですが、今年(2020年)も入れれば「あと4年分」はありますので、積極的に活用を検討してみてください。
次回以降で、ジュニアNISAを活用する上での「ポイント・向き不向き」「具体的な活用事例」についてもお伝えします。ぜひチェックしておきましょう!
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