「ジュニアNISAは廃止になると聞いたけど、始めるならいつまでに手続きが必要?」
「ジュニアNISAが廃止になった後は、それまでに投資した分はどうなるの?」
この記事は、そんな疑問にお答えする内容です。
若年層に投資の投資のすそ野を広げる目的で2016年からスタートした「ジュニアNISA」(未成年者向け少額投資非課税制度)ですが、利用者数が伸び悩み十分に普及しなかったことから、令和2年度の税制改正により制度廃止が決まりました。
ただ、それと同時に最大のネックであった「18歳までの引出し制限」も廃止されることになり、利便性が増したことで「駆け込みでも利用すべき!」と注目が高まっています。
そこで今回は、実際にジュニアNISAを始めるならいつまでにアクションを起こす必要があるのか、始めたものの制度が廃止になってしまったらその後はどうなるのか、「実践的な情報」をザックリとお伝えしたいと思います。
(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
そもそも、ジュニアNISAとは?
(出所:金融庁)
まず最初に、ジュニアNISAの制度そのものについて、ポイントを確認しておきましょう。
- 証券会社や銀行等で専用口座を開設し、「未成年者名義の資産」を親や祖父母が管理して投資・運用する制度
- 投資・運用で得られた「値上がりによる利益」や「配当金・分配金」が非課税に(本来は増えた分に約20%の税金がかかります。)
- 非課税となる期間は、投資した年を含めて5年間(2021年に投資した分は2025年末まで非課税、2022年に投資した分は2026年末まで非課税)
- 限度額は年間80万円まで(繰り越し不可)
- 投資できる期間は2023年末まで
- 元々は、18歳までの引出し制限(払出し制限)あり
※ジュニアNISAについての詳細を確認したい方は、こちら↓の記事をご覧ください。
ジュニアNISAはいつまで利用できる?
利用できるのは2023年スタート分まで
ジュニアNISAは、2023年末の新規口座開設分まででの制度廃止が決まりました。
元々、一般NISAとジュニアNISAは2023年までの制度です。
一般NISAは口座開設数が1100万を超えてそれなりに普及したため、2024年以降は「新NISA」に移行されることになったのですが、ジュニアNISAは口座開設数35万程度と伸び悩み、当初予定された期限までで廃止されることになったのです。
(上記口座開設数は法改正を検討していた2019年末の実績)
始めるときの「手続きに時間がかかる」点に要注意
ジュニアNISAはどの金融機関で手続きをしても、アクションを起こしてから口座開設→投資実行まで1~2か月の時間がかかります。
金融機関の方で当局に申請し、審査を経た上で非課税口座が開設されるというステップを踏むためです。
また、以下の点にも注意が必要です。
年末までに注文すればOKではない
NISAは「受渡日」がいつかで投資した年を判定する仕組みです。
投資する(購入する)金融商品によっては、注文から2~4営業日後が受渡日になるため、年末ギリギリだと間に合わない可能性もあります。
年末は通常より時間がかかる
年末はNISAを始める人の口座開設申請が混み合い、通常より時間がかかる傾向にあります。
上記をふまえ、2~3か月程度の余裕をもって手続きを始めると良いでしょう。
2023年までに始めた分は、廃止後どうなるのか?
2024年以降もそのまま非課税で運用できる
ジュニアNISAは2023年末までにスタートしていれば、それまでに投資した株式や投資信託等の金融商品を、制度廃止後もそのまま非課税で運用できます。
しかも、元々は非課税期間5年間でしたが、口座名義人(未成年者)が成年=18歳*になるまでは5年経過後も「継続管理勘定」という枠で非課税のまま運用できることになりました。
※ジュニアNISAは20歳以上を「成年」・20歳未満を「未成年」とする制度でしたが、2022年4月~施行される民法改正で成年年齢が20歳→18歳となるのに合わせ、成年・未成年の定義も変更されます。
引出し制限(払出し制限)も廃止となり、自由に引き出せる
ジュニアNISAの2023年末での制度廃止に伴い、2024年1月以降は「18歳までの引出し制限(払出し制限)」も廃止されることになりました。
これまでは、例えば0歳のお子さん名義でジュニアNISAを利用したら約18年間も引き出せず、中学・高校の学費等に使うことはできなかったわけですが、それがいつでも自由に引き出せることに!
かなり使い勝手が良くなったと言えそうです。
一部引出し(払出し)については要注意
元々ジュニアNISAは「一部引出し不可」の制度で、一部を解約するとジュニアNISA口座ごと全部廃止して払い出すという仕組みでした。
その一部引出しが認められるかどうかは、税制改正でも明記されていない実務的な内容になるので、今後の金融庁や金融機関の正式リリースを見守るしかなさそうです。
2024年以降、成年(18歳)になったら「新NISA」へ
2023年までにジュニアNISAを始めて解約(払出し)をせず、継続保有するうちに成年年齢を迎えることもあり得るはずです。
その場合はまず、成年=18歳になった時点で成年小額投資非課税制度である「新NISA*」口座が自動開設されます。
そこへロールオーバー(持ち越し)が行われ、5年間の非課税期間で運用を継続するという流れになります。
※新NISAではなく「つみたてNISA」も選択できるとされていますが、その際はロールオーバーができず解約または課税口座への移管をすることになります。(この点も税制改正では明記されていないため、正式リリースを見守りましょう。)
<参考資料>
日本証券業協会「NISA 制度の口座開設及び勧誘並びに販売時等における留意事項について(ガイドライン)」
まとめ
いかがでしたでしょうか?
前述の通り一部不確定な点もありますが、引出し制限が廃止されたことによって非常に使い勝手の良い制度になりました。
2021年から始めれば、3年(2021年・2022年・2023年)×80万円=240万円という非課税枠を引出し自由で活用することができる!
ということで、使わないと本当に勿体ない制度です。
「子供(孫)名義のまとまったお金がある」
という方には本当にオススメの制度ですから、年末ギリギリで枠を使えなかったということがないように、ぜひ早めのアクションを起こしてくださいね。
※ジュニアNISAを活用する上での「ポイント・向き不向き」「具体的な活用事例」を解説していますので、こちらもチェックしておきましょう。
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