外国人が住宅ローンを組む場合、金融機関での審査基準など条件が少し変わってくることはご存知でしょうか?
日本人の場合よりも様々な条件が課される場合が多くなりますが、一定の条件を満たせば住宅ローンを組むことは可能となります。まず大きなポイントとなるのが「永住権」です。
本記事では、外国人が日本の住宅ローンに直面する問題や住宅ローンを組むための条件について、審査基準や金融機関の考え方などに触れながら解説をします。
外国人と住宅ローンの現状
現代のグローバル化の波に乗って、日本に住みたいと考える外国人が増えています。
総務省による国勢調査では、「⽇本⼈と外国⼈の⼈⼝のそれぞれの推移をみると、2015年と⽐べ、⽇本⼈の⼈⼝が178万3千⼈減少(1.4%減)する⼀⽅で、外国⼈⼈⼝は83万5千⼈の増加(43.6%増) となっています。」と記載されています。(総務省 令和2年国勢調査より抜粋)
そしてその中には長期的に日本で生活することを考え、住宅の購入を検討する外国人の方もいることでしょう。
現金での購入が難しい場合は住宅ローンの利用を検討する必要が出てきますが、外国人が日本で住宅ローンを組む際には多くのハードルがあることを理解しなければいけません。
一般的に、金融機関は借り手に返済能力があることを確認するために安定した収入や信用情報をチェックしますが、外国人の場合はこれらの書類に加えて在留資格や在留期間等が審査上考慮されます。
特定の在留資格(例えば学生ビザや短期滞在ビザ)を持つ外国人の場合、通常は住宅ローンを組むことが難しいとされているという現状をまずは理解しましょう。
外国人が住宅ローンを組むことが難しい理由
①ビザの問題
まず、外国人が住宅ローンを組むことが難しい大きな理由として挙げられるのは「ビザ」です。
外国人が日本で働くには、在留資格(ビザ)が必要で、これは一定期間ごとに更新する必要がありますが、住宅ローンの返済期間は多くの場合数十年の契約と返済期間が非常に長く、ビザの有効期間と比較するとはるかに長期になります。
金融機関はローンを組む際、借主が一定期間内に全額返済できるかどうかを審査する必要があります。
そのため、ビザの有効期間が短いと、返済期間全体をカバーできないため、ローンの審査や申請が難しくなるのです。
②信用情報の問題
次に外国人の場合、信用情報を確認することが難しいという問題が挙げられます。
日本国内の金融機関は、審査の際には信用情報機関から過去の借入履歴や返済履歴等の信用情報を取得し、借主の信用度を判断する材料としています。
しかし、日本に長期間在住していない外国人の場合、日本国内の信用情報が十分に蓄積されていないため、信用判断が難しいという側面が審査上のリスクです。
③日本語の問題
言葉やコミュニケーションの問題も挙げられます。
住宅ローンの申請や契約には複雑な専門用語が多く、十分な日本語能力がなければ理解することが難しいでしょう。
また、契約内容の誤解や誤認がないようにするためにも、高度な日本語能力が求められます。
日本語の読み書きが難しい場合は、ローンの申し込みを進めることできない場合が多いと考えておきましょう。
④債権管理の問題
最後に、金融機関は借主が住宅ローンを組んだ後完済するまで数十年に渡りローン債権の管理を行います。
支払いの遅延があった時などは督促を行い資金を回収する必要がありますが、もし借主が突然母国へ帰ってしまい連絡が取れなくなった場合は住所の特定などにも労力がかかり、回収が非常に困難となることが想定されることでしょう。
このように貸し出した後の管理面についてもリスクがあると金融機関は考え、融資について消極的な姿勢となっていることが考えられます。
外国人が住宅ローンを申し込む際のポイント
外国人が住宅ローンを申し込みする際、問題なく申し込みできる場合と申し込みが難しい場合とに分かれ、この際のポイントとなるのは「永住権」の有無です。
永住権がある場合
永住権がある場合、基本的には日本人と同様の審査基準で手続きを行う金融機関が多いです。
そのため、安定した収入があり返済能力に問題なければ住宅ローンの申し込みに困ることは少ないでしょう。
ただし、住宅ローンの契約にあたって本人の意思確認は必要となりますので、日本語の読み書きが全くできない場合は注意が必要です。
永住権がない場合
永住権がない場合は注意が必要です。
多くの銀行で、「永住権があること」を住宅ローンの申込基準としているため、永住権がない場合は住宅ローンの申し込みを受け付けできる金融機関を探すことにまず苦労すると想定されます。
受け付けできたとしても、以下のような条件を課されることが多いでしょう。
- 日本国籍の配偶者または永住権や特別永住権がある配偶者を連帯保証人とする
- 日本国籍の配偶者または永住権や特別永住権がある配偶者を連帯債務者とする
- 一定割合以上の自己資金を充当する
- 就労に制限のない在留資格を有している
永住権なしの外国人が単独で申し込みができる金融機関は非常に少ないということには注意が必要です。
永住権を持つことが住宅ローン取得に有利となる主な理由は、ビザの有効期限に縛られず、長期の住宅ローンを組むことが可能になるためです。
先程記載したとおり、多くの金融機関では永住権がある外国人は日本人と同じように住宅ローンの受付を行っています。
ただし、永住権があっても、一定の収入と信用状況が必要となることは理解しましょう。
永住権なしで住宅ローンを組む際はどうなる?
永住権なしで住宅ローンを組むことはハードルが高く難しいものですが、中には外国人向けの商品を持っている金融機関もあります。
ただし融資条件は通常より厳しくなることには注意が必要でしょう。
たとえば、イオン銀行では永住権なし外国人向けの商品を取り扱っていますが通常の住宅ローンとは一部条件が異なります。
- 就労に制限のない在留資格が必要
- 住宅購入金額の20%以上の自己資金が必要
- 借入期間は最長で15年
上記のように、通常の住宅ローンよりやや厳しい条件となっています。(参考:イオン銀行住宅ローン(永住権なし)商品概要説明書)
このように、永住権がなくては住宅ローンを組むことはできるものの、条件が厳しくなると言わざるを得ません。
まとめ
外国人が住宅ローンの申し込みを考える時には、永住権の有無によって大きく状況が変わります。
永住権がある場合は日本人と同じように申し込みができる金融機関が多く、安定した収入と良好な信用状況は求められますがあまりローンの申し込みで困ることはないでしょう。
一方で、永住権がない場合は申し込みできる金融機関が限られるため注意が必要です。
ネット上にも情報が少なく、適切な情報を得るためには各金融機関へ問い合わせを行うことが重要です。
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