「幼保無償化って聞いたことがあるけど、どんな制度?」
「無償化制度を利用すると保育料はタダなの?」
小さな子供がいる世帯であれば、このような疑問を抱くこともあるのではないでしょうか。
これまで、数回に分けて大学無償化と私立高校の”実質”無償化について解説してきました。
(大学・私立高校の無償化についての過去記事はこちら↓)
今回は無償化制度シリーズの最後のテーマとして、幼保無償化、正しくは幼児教育・保育の無償化について解説します。
制度の概要を中心にわかりやすく解説しますので、この機会に幼保無償化への理解を深めましょう。
幼稚園と保育園の違いを簡単におさらい
幼保無償化制度を解説する前に、幼稚園と保育園の違いを簡単に解説します。
幼稚園は満3歳から就学前の幼児を対象にしています。
公立保育園の場合は市町村ごと、私立保育園の場合は幼稚園ごとに保育料が決定され、保育時間は4時間が標準です。
一方の保育園は0歳から就学前の幼児を対象とし、例えば就労(子供の父親・母親の双方が働く)や病気・介護・育産休といった理由で子供を自宅で保育できない場合に利用できます。
保育園に通う=親が働いている、というイメージを持つ方も多いものの、実際にはさまざまな理由で保育園を利用できることを覚えておきましょう。
保育園は11時間以上の開所と規定されており、幼稚園よりも長時間利用できるのも特徴です。
なお、保育料は、市町村が決定する金額を各世帯の所得に応じて負担しています。
世帯ごとの保育料の差については過去記事をぜひご覧ください!(↓)
幼保無償化制度とは
制度の概要
高校や大学の学費に比べると、幼児に必要な保育料は安いものの、これからの教育費のことを考えるとできるだけ保育料の負担は軽いほうが良いですよね。
幼稚園や保育園は、子供にとって初めての集団生活の場であり、質の高い教育(保育)を等しく提供し、家計負担の軽減を目的として、令和元年10月から幼稚園や保育園の保育料の無償化制度がスタートしました。
対象になるのは3~5歳児および住民税非課税世帯の0~2歳児です。
つまり、3歳以上は幼稚園児でも保育園児でも園の利用料は無料ということになります。(※支援額は上限が設定されており、後ほど詳しく解説します。)
これまでは保育料の負担を懸念して、働きに出ることができなかったというママでも、保育料の無償化をきっかけに復職・就職を考えられるかもしれません。
内容
これまで幼稚園・保育園と表記してきましたが、例えば保育園には認可保育園と認可外保育園があり、さらに最近では幼稚園と保育園の両方の良さを併せ持っている認定こども園が増えています。
それぞれの施設ごとに無償化制度の内容がわずかに異なるため、在園している園や利用を検討している園ごとの制度内容をきちんと把握しましょう。
対象施設 | 対象の子供 | 無償化の内容 |
幼稚園・認定(認可)保育園・認定こども園 | 0~2歳児クラス | 住民税非課税世帯は無償 |
3~5歳児クラス | 無償(※幼稚園によっては月額2万5,700円が上限になることも) | |
認可外保育施設など | 0~2歳児クラス | 住民税非課税世帯は月額4万2,000円を上限に無償 |
3~5歳児クラス | 月額3万7,000円を上限に無償 | |
幼稚園の預かり保育 | 3~5歳児クラス | 月額1万1,300円を上限に無償 |
就学前の障害児の発達支援 | 満3歳になって初めての4月1日から小学校入学までの3年間 | 毎月の利用料が無償 |
(参考:内閣府「幼児教育・保育の無償化について」より作成)
表に「上限」という記載がある通り、無償化制度と言っても上限があります。
そのため、保育料次第では自己負担が生じる可能性がある点は必ず覚えておきましょう。
上限があると言っても、子育て世帯にとっては非常にありがたい制度と言えますね。
なお、「うちの子の場合はどうなの?」という疑問には、内閣府が提供する制度早わかり表が大変便利です。
フローチャート式で簡単ですので、現在幼稚園・保育園を利用している方や今後利用を予定している方はぜひ一度確認してみてくださいね。
無償化の対象にならない費用に要注意
ただし、無償化制度を理解する上で注意したいのは以下の2点です。
- 上限を超える利用料は自己負担
- 食材料費や行事費は無償化の対象外
先述の表からも分かるとおり、無償化といえども月額の利用料には上限があります。
以前解説した私立高校の”実質”無償化制度にも、支援金に上限額が設定されていますよね。
繰り返しになりますが、利用料次第では自己負担が発生する可能性がある点は注意しましょう。
また、幼保無償化制度の最大の落とし穴とも言われるのが「利用料が無償」という点です。
この利用料とは、園を利用する費用であり、園での生活で必要な通園送迎費・給食費・PTA会費・行事費は含まれていません。
これらの費用は引き続き自己負担ですので、「幼保無償化制度のおかげで無料(自己負担なし)で幼稚園・保育園が利用できる!」というわけではありません。
給食費等の負担は残りますが、利用費が無償となっただけでも子育て世帯への恩恵は非常に大きいと言えます。
まとめ
幼保無償化制度のポイントを改めて確認しましょう。
- 対象になるのは3~5歳児および住民税非課税世帯の0~2歳児
- 利用する施設によって支援上限額が設定されている
- 給食費などは引き続き自己負担
給食費などが引き続き自己負担となる点は意外と見落としがちなポイントです。
無償化と言えども、完全に保育料が無償(無料)になるわけではありませんので注意しましょう。
なお、教育費の準備は、子供が保育園・幼稚園に通う頃から始めておくことがポイントです。
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