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なぜ起きた!?「令和の米騒動」

お店に行ってもお米が売っていない
お米が高くて買えない

2024年8月頃から、お米の品薄が続き、「令和の米騒動」といわれる状況が続いています。
スーパーの売り場では、「お1家族様1点まで」といった張り紙がされているほど。

秋になり新米が市場に出回れば、品薄の状況は改善すると期待されていました。
しかし、品薄は解消されても高値である状況は続いています。
そんな「令和の米騒動」の原因と、今後の見通しについて解説していきます。

お米の需給バランス


食生活が多様化していることもあり、日本では「お米離れ」が進行しています。
現に、1人あたりの米消費量は年々減少傾向で、1962年の年間118㎏をピークに、2021年には半分以下の51.5㎏まで減少しました。

さらに、生産者の高齢化に伴い生産量も減少。
生産量が減っても、もともと消費量は減っているので、需給バランスは維持されていました。

しかし、この需給バランスは「異常気象」と「円安」によって崩れました。
詳しく見ていきましょう。

参考:農林水産省「お米と食料安全保障」

要因① 異常気象による不作


2023年は全国各地で台風や、線状降水帯による大雨が多く発生しました。
気象庁が2023年は年平均気温及び日本近海の海面水温はいずれも統計開始以降最も高いと発表したほどです。

この異常気象の続いた2023年のお米の生産量は661万トン。
平年と比較したその年のお米などの農作物の収穫量を示す「作況指数」では、平年100に対し101。
なんと、異常気象に関わらず平年を上回ったのです。
しかし、米生産量日本一の新潟県は作況指数95、さらに生産量日本三位の秋田県は作況指数97と平年を下回る結果となりました。

異常気象ではありませんが、2024年は1月に発生した「能登半島地震」に始まり、各地で大きな地震が発生しました。
さらに、8月には「南海トラフ巨大地震臨時情報」が発表され、多くの方が不安を抱えたことでしょう。
この不安に煽られ、お米を始めとした食品などの「買いだめ」が各地で起こったのです。

・例年生産量が多い地域で不作が発生した
・お米も「買いだめ」の対象となり米不足に拍車をかけた

参考:国土交通省「2023年の天候のまとめ(速報)」
参考:農林水産省「令和5(2023)年産水稲の作柄について」

要因② 円安による需要増加


円安が米不足を引き起こす背景には、小麦粉の輸入価格高騰があります。

日本では多くの食品が値上がりしていますが、小麦粉の輸入価格高騰によって、パンや麺類が値上がりしました。しかし、パンや麺類の価格上昇に比べると、国産の穀物であるお米の価格は緩やかな上昇です。
そのため、主食を小麦粉からお米にシフトした家庭もあり、需要が増えました。

円安が米不足を引き起こす要因としてもう一つ考えられるのが、「インバウンドによる需要の増加」です。
日本政府観光局(JNTO)によると、2024年8月までの訪日外国人数は7か月連続で過去最高を記録しました。日本は再訪したい国としても人気があり、中でもグルメは世界からも高く評価されています。
その結果、訪日外国人による和食の需要が高まったことによって、米の消費量が増加したのです。

・家庭での主食が小麦粉からお米にシフトしたことで消費量が増加
・訪日外国人増加に伴い、消費量が増加

参考:日本観光政府 訪日外客統計

根本的な要因は?


「令和の米騒動」を引き起こした要因を見てきましたが、実はどの要因も大きな要因とは考えにくいです。

異常気象による不作といっても、作況指数は101であり、平年を上回っています。
「南海トラフ巨大地震臨時情報」の災害対策による「買いだめ」も一時的なものです。

小麦粉からお米にシフトした家庭はたしかに多いかもしれませんが、インバウンドによる影響も大きな要因とは言えません。
訪日外国人数が過去最高といっても1か月あたり約300万人。
日本でのお米の年間消費量約700万トンからすると、インバウンドによる消費量増加は0.5%程と言われています。

では、いったい何が「令和の米騒動」を引き起こしたのか。
それは「減反政策」という制度にありました。

要因③ 減反政策による生産量減少


「減反政策」とは、お米の価格を維持するために、国が生産量を調整する制度です。
言い換えると、生産量を減らして、お米の価格を上げることが可能な制度です。

なぜ、国はこのような仕組みの制度を作ったのでしょうか。
冒頭でも述べたようにお米の消費量は年々減少しています。
食事の多様化によりパンや麺類の消費が増加する中、今まで通りお米を生産していると過剰に余ってしまうのです。
そのため、お米から別の作物の生産に転換する農家には補助金を出し、需要に見合ったお米の生産量を維持してきました。
消費量が減ったことに伴って生産量を減らしているので、そこに消費量が増加する要因が加わると、需給バランスは簡単に崩れてしまうのです。

ですが、「減反政策」は2018年に廃止されました。
生産量を国が調整するのではなく、農家の判断に委ねたのです。
本当に廃止されているのであれば、お米の生産量は増え、価格が下がるはずです。
しかし、状況は反対で、店頭からお米は姿を消し、価格は高騰しました。

なぜならば、「減反政策」で廃止されたのは、国が農家に掲げる「生産数量目標」だけで、補助金を出すという仕組みは残っているからです。
近年では、食用米ではなく家畜飼料用へ転換するように国は推奨しており、補助金は拡充しています。
もちろんですが、補助金は国民の税金から支出されています。
つまり、日本は税金を使って「令和の米騒動」を引き起こしているとも考えられるのです。

・「減反政策」が「令和の米騒動」の根本的な要因
・「減反政策」の実態は現在も残っている

今後の見通しは?


新米が出回っていることもあり、買いだめやインバウンドによる消費量増加が落ち着けば、品薄状態や価格高騰といった状況は収束していきます。
しかし、「減反政策」の補助金制度が残っている限り、今後も「米騒動」は繰り返されるでしょう。

「減反政策」が完全廃止となれば、補助金で賄われていた収入が減少し、生活に不安を抱える農家が増えてしまいます。
そういった点では、「減反政策」を完全に廃止することは難しいかもしれません。

お米をお得に買う方法は?


お米を買うために活用したいのは、「ふるさと納税」がお勧めです。
お米が今すぐに手に入るというわけではありませんが、「ふるさと納税」はメリットが大きい制度です。

ふるさと納税を活用することで得られるメリットはもちろん節税ですが、返礼品にお米を選ぶことで他にもメリットはあります。

返礼品にお米を選ぶメリット
  1. 農家からの直接配送のため在庫に余裕がある
  2. 重たいお米を自宅まで配送してくれる
  3. 多くの種類から選ぶことができる など…

近年のふるさと納税は、各自治体での返礼品競争が問題視されています。
そのため、2023年10月に基準が厳格化され、寄付額の値上げや返礼品内容を減ってしまった自治体も少なくありません。
さらに、2025年10月からは「仲介サイトによるポイント付与の禁止」が決定しています。
以前の制度に比べると、利用者にとってメリットが少なくなってきました。
それでも節税やワンストップ特例制度など、メリットはまだまだありますので、今後も是非活用したいですね。
さらに、Amazonが2025年春、「ふるさと納税」に参入といった報道がありました。
Amazonが公式に発表している情報ではありませんが、本格的に参入となればAmazonを日々利用している方にとってメリットが増えるでしょう。

ふるさと納税の基礎知識「そもそも、ふるさと納税ってどんな制度?」 「ふるさと納税のポイントと注意点は?」 この記事では、そんな疑問にお答えします。...

おわりに

いかがでしたでしょうか。
「令和の米騒動」を引き起こした要因を解説してきました。
お米の価格高騰によって食費があがり、家計が圧迫されている家庭も多いのではないでしょうか。
あしたばでは、日々の疑問や悩みを伺いながら、お金にまつわるご相談を受けておりますので、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

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