FIRE・早期退職

早期退職したら失業保険は?自己都合か会社都合か?もらえる金額も解説

早期退職すると失業保険はどうなるの?

近年では働き方の多様化や雇用の流動化が進み、定年まで同じ会社で勤めあげることが最良とは言い切れません。

実際に、みなさまの身近にも早期退職した方がいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言うと、早期退職でも通常の退職と変わらず失業保険は受給できます。

しかし、早期退職の制度の違いにより、もらえる失業手当の金額に差が出ることがあるため、注意しなければなりません。

今回は、早期退職制度における失業保険の違いについて解説します。

早期退職を検討している方はぜひ参考にしてください。

あしたばでは、早期退職後のライフプランの相談も承っております。

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2つの早期退職制度とは?

早期退職制度とは、従業員が定年より早く自主的に退職できる制度です。

早期退職制度には、制度の目的により以下の2つに分けられます。

それぞれの違いを解説します。

早期退職優遇制度

早期退職優遇制度とは、あらかじめ設定された条件を満たした従業員に対して、希望退職を募る制度です。

例えば「50歳以上かつ勤続20年以上」など、年齢や勤続年数が条件となることが多いでしょう。

早期退職優遇制度の目的は、主に以下の2つです。

  • 人員の入れ替えによる会社の活性化
  • 従業員のセカンドキャリア形成の手助け

恒常的に利用できる制度で、従業員が希望すれば退職できるため、会社が実施する福利厚生の一環と考られます。

早期退職優遇制度により退職を決めた従業員には、退職金が割り増しされることが一般的です。

早期退職優遇制度を設けているかは企業により異なるため、会社の就業規則を確認しましょう。

希望退職制度

希望退職制度とは、企業の業績悪化や事業環境の変化などによる人員整理を目的に、企業が従業員から退職希望者を募る制度です。

早期退職優遇制度は恒常的に募集しますが、希望退職制度は期間限定で募集が行われることも特徴です。

あくまでも会社側の都合で退職者を募集するもので、募集人数が決められている場合も多いでしょう。

希望退職制度では、退職金の割増以外にも以下のような優遇措置が設けられる場合が多いです。

  • 有給休暇の買い上げ
  • 希望者への再就職支援

希望退職制度はリストラと混同されることがありますが、リストラと違って強制力はありません。

2種類の早期退職制度のより詳しい内容や事例は、こちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

早期退職(希望退職)制度とは 「早期退職制度」って、どんな仕組み? 希望退職制度との違いはなに? この記事は、そんな疑問にお答えする内容です。...

失業保険制度からみた自己都合退職と会社都合退職の違い

退職理由は「自己都合」と「会社都合」の二つに分かれます。

  • 自己都合退職:自分の意思で退職すること
  • 会社都合退職:会社の都合で退職を余儀なくされること

その名の通りですね!

退職理由が自己都合と会社都合では、失業手当がもらえる時期や期間の長さが異なります。

具体的には以下のとおりです。

自己都合会社都合
支給の開始ハローワークの手続きから
7日間+2ヶ月後(※)
ハローワークの手続きから
7日後
給付日数90〜150日90〜330日

(※)短期間で離職を繰り返した場合、3ヶ月に延びます。

会社都合の場合は、失業手当がもらえるタイミングが早く、さらに期間も長いです。

会社都合では転職活動をする時間が十分にとれないから、という理由ですね

早期退職の失業保険は自己都合?会社都合?

早期退職した場合は自己都合と会社都合のどちらになるのか、気になるところですよね。

結論は以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

早期退職優遇制度は自己都合

早期退職優遇制度は、会社の福利厚生を利用して自分の意思で退職するため自己都合退職になります

自己都合退職の給付日数は以下のとおりで、勤続年数により異なります。

勤続年数(※)給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

※正確には勤続年数ではなく雇用保険の被保険者期間ですが、この記事ではわかりやすく勤続年数としています。

また、自己都合退職ではハローワークの手続きから実際に手当が支給されるまで、2ヶ月以上かかります。

退職してすぐに失業手当がもらえるわけではないので、退職直後の生活費についてよく考えておきましょう。

希望退職制度は会社都合

希望退職制度は、会社都合退職となります。

退職者の募集に手を上げたとはいえ、退職を募集する理由が会社によるものだからです。

会社都合退職の給付日数は、勤続年数と年齢によって変わり、45歳以上の方の場合は以下のとおりとなります。

45歳以上60歳未満の場合
勤続年数(※)給付日数
1年未満90日
1年以上5年未満180日
5年以上10年未満240日
10年以上20年未満270日
20年以上330日
60歳以上65歳未満の場合
勤続年数(※)給付日数
1年未満90日
1年以上5年未満150日
5年以上10年未満180日
10年以上20年未満210日
20年以上240日

※正確には勤続年数ではなく雇用保険の被保険者期間ですが、この記事ではわかりやすく勤続年数としています。

自己都合より長いですね!

また、会社都合退職では、ハローワークの手続きから1週間後には手当が支給されます。

自己都合より早く手当がもらえるのも会社都合のメリットですね。

早期退職でもらえる失業保険の金額は?

失業手当でもらえる支給額は、退職時の給料の約50〜80%です。

具体的には以下の計算式で求められます。

失業手当の計算方法

給付率の50〜80%は、給料の低い人ほど高くなっています。

給付率は複雑な計算が必要なため、ハローワークに確認するといいですね!

また、給付額には以下のとおり上限額と下限額があります(2024年8月1日以降の金額)。

1日あたりの支給額の上限額
年齢上限額
30歳未満7,065 円
30歳以上45歳未満7,845 円
45歳以上60歳未満8,635 円
60歳以上65歳未満7,420 円
1日あたりの支給額の下限額

2,295円(全年齢)

上限額と下限額は、平均給与額の変動に応じて毎年8月1日に見直されます!

それでは、以下の条件の場合、失業手当の金額がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。

  • 年齢:55歳
  • 勤続年数:25年
  • 1日あたりの支給額:7,000円
早期退職制度
(自己都合)
希望退職制度
(会社都合)
1日あたりの
支給額
7,000円
給付日数 150日330日
総支給額105万円231万円

希望退職を利用した方が給付日数が長い分、2倍以上の差がついていることがわかります。

まとめ:早期退職する場合は、しっかり制度の確認を

今回は、2つの早期退職制度による失業手当の違いを解説しました。

結論として、以下の違いとなります。

早期退職優遇制度希望退職制度
自己都合退職

  • 給付日数が短い
  • 手続き後、2ヶ月以上後に支給開始
会社都合退職

  • 給付日数が長い
  • 手続き後、1週間で支給開始

早期退職といっても、どちらの制度で退職するのかによって、もらえる失業手当の額に差が出てきます

早期退職を検討する際には、退職後のキャリアや生活はもちろんのこと、制度の確認もしっかり行いましょう。

早期退職後のライフプランや老後の生活にお悩みの方は、ぜひ私たちあしたばにご相談ください。

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