「変額保険を検討しているけど、本当に私(家族)に向いている商品なのかな?」
「保険屋さんがすごく積極的に変額保険を勧めてくるけど、デメリットや注意点も知っておきたい…」
今回は、そんな疑問にお答えする内容です。
前回に続いて、積立タイプ(平準払型)の変額保険の加入を検討する場合を想定して、「加入に向いているケース」「注意点」についてお伝えします。
「他の商品や制度との比較」については、前回の記事(↓)をご確認ください。
(とにかく、“分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。また、特定の商品を推奨する意図はなく、あくまでも一般論で概要を説明するものです。商品の詳細は、各保険会社のHP等からお問合せください。)
結局、どんな人に変額保険が向いているの?
iDeCoや企業型DCとの「併用」はとても合理的
変額保険もiDeCo・企業型DC(職場で加入する確定拠出年金)も一定の引出制限があるため、非常に強制力の強い商品・制度です。
その点で「長期的な資産づくりに適した商品・制度」といえますが、iDeCo・企業型DCは弱点があります。
それが、前回の記事でご説明した「万が一のとき」です。
老後資金など長期的な資産づくりをしているときに、家計の大黒柱に万が一があると、世帯全体のマネープランは大きく崩れてしまう可能性があります。
イメージしていただきたいのですが、「もし万が一の時に運用で大きな損失が出ていたら」どうでしょうか?
経済的にも精神的にも、ダメージが大きくなるでしょう。
そうした万が一の時には「絶対に元本割れのない保険金という形で救済してくれる」機能を持っているのが、変額保険。
このように、実は「変額保険はiDeCo・企業型DCのデメリットを補完してくれる商品」なのです。
だからといってiDeCo・企業型DCを否定しているわけではありません。税メリットはぜひ活用すべきですよ!
よって、変額保険とiDeCo・企業型DCを「併用」すると非常にバランスのとれた資産形成プランになる場合も多いため、状況に応じて検討されると良いでしょう。
学資保険代わりに活用するケースも多い
学資保険は、「教育費をコツコツ積み立てつつ、親に万が一があった場合は保険金で救済を受けられる」商品です。
その学資保険は「定額タイプ」が長年支持を集めてきたポピュラーな商品ですが、前述のとおり超低金利下で軒並み予定利率改悪or販売停止に追い込まれています。
そこで、「教育費をコツコツ積み立て投資で増やしつつ、親に万が一があった場合は保険金で救済を受けられる」商品として、
変額保険を学資保険代わりに活用される方も増えてきています。(この記事を書いているFP安藤も二児の父ですが、学資保険代わりに加入しています。)
教育資金積み立てのニーズがおありの方は、特に検討する価値があるのではないでしょうか。
「保障が全く必要ない」人は向いていない
前回の記事でご説明したとおり「保険のコスト」を負担することになりますので、「万が一の保障は全く必要ない」「他の保険等で十分な保障を確保している」といった方には、変額保険は向いていないといえるでしょう。
ただ、「高度障害保障」や「障害による保険料払込免除」といった“死亡時以外の救済機能”もありますので、その点も検討したうえで判断すると良いでしょう。
※一部の保険会社では「介護保障」を付加しているタイプもあります。
変額保険の加入を検討する際の注意点
変額保険ばかり勧めてくるFP・保険屋さんには要注意
保険商品は、「保険としてのコスト」の中に販売する代理店(保険募集人)が得られる手数料も含まれています。
この手数料が、「つみたてNISAやiDeCoのような、国の制度を使った投資・運用を仲介した時の手数料より高い」という事実があるため、
自分の売上・収入アップのことを優先して「投資性商品として変額保険ばかり勧めてくる」FP・保険屋さんも、残念ながら相当数見受けられます。
保険しか取扱い商品がない方とかであれば、ある程度仕方ない部分もあるかとは思いますが、、、
「税メリット等のあるつみたてNISAやiDeCoを、全く土俵に乗せずに提案・アドバイスをする」のは、プロとして明らかにナンセンスです。
保障が全くいらないのに、無理に変額保険で積立投資をする必要はありません。
加入ニーズがなければ、強い勧めがあってもキッパリ断りましょう!
ちゃんと相談者の目線に立ち、相談者のメリットを一番に考えてくれているのか、その姿勢を見て相談するFPや保険屋さんを選ぶようにしてください。
※私たちも変額保険の取扱をしていますが、ご相談者のニーズに応じて「他の制度・商品と組み合わせたバランスの良い活用方法」をアドバイスしています。変額保険のメリットだけを殊更に強調して押し売りをするようなことは一切ありませんので、ご安心ください。
まとめ
とにかく、バランスよく活用を
先ほども、どんな制度・商品も「一長一短がある(メリットもデメリットもある)」とお伝えしましたが、
「どんなケースでもメリットばかりの万能な制度・商品」は、存在しません。
前述の強制力もまさにそうですが、ある側面から見るとメリットであっても、違う側面から見るとデメリットにもなり得るからです。
そのため、変額保険も他の制度・商品と組み合わせ“バランスよく活用する”ことを、私たちは強くお勧めしています。
様々な制度・商品のアドバイスができる独立系FPに相談しよう
様々な制度・商品をバランスよく活用するためには、FPのようなアドバイザーの存在が欠かせません。
なぜなら、制度も商品も、法改正や商品改定などによって日々刻々と変化していくからです。
しかし、それらをバランスよく横断的にアドバイスできるFPなどの専門家は、残念ながらそれほど多くないように思います。
どうしても、金融機関等に所属していればそこでの取扱商品やノルマに縛られますし、FPでも得意分野が偏っていたり、ビジネスですから自らの収益重視になってしまう方も多いのです。
(昨今は金融庁の指導のもと、顧客本位の業務運営を強化している金融機関・金融事業者も増えているので、変わってくるとは思います。私たちも一層精進しなければと気を引き締めています。)
インターネットの情報やクチコミを参考にしつつ、つみたてNISAやiDeCoのような制度・様々な金融商品まで横断的なアドバイスをできるFPを探してみると良いでしょう。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、変額保険はもちろん、つみたてNISAやiDeCo/イデコ、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的な・つみたてNISA・iDeCo等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。