つみたて投資

変額保険ってどうなの?①「他の商品・制度との違い」

(この記事は2020年7月10日に執筆しました。)

「変額保険を勧められているけど、他と比べてそんなに良い商品なの?」

「変額保険も良さそうだけど、つみたてNISAやiDeCo(イデコ)の方がもっとメリットがあるのかな?」

今回は、そんな疑問にお答えする内容です。

積立タイプ(平準払型)の変額保険の加入を検討する場合を想定して、「他の商品・制度との違い」をお伝えします。

「そもそも変額保険って何?」という方は、前回の記事(↓)をご確認ください。

変額保険って何?(ポイントと基礎知識)2回に分けて、変額保険のポイントと基礎知識から、他の制度・商品との違いや注意点までザックリと解説します。昨今の超低金利下で「定額タイプの保険でお金を積み立てていく」選択肢が減り、そもそも加入する“うまみ”がほとんど無くなってきています。そのため、一定のリスクがあるものの利回りを高く見込める「変額保険」に加入する人が、最近はかなり増えているようです。...

(とにかく、“分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。また、特定の商品を推奨する意図はなく、あくまでも一般論で概要を説明するものです。商品の詳細は、各保険会社のHP等からお問合せください。)

他の金融商品や制度との違い

他の投資性商品と比較する際に共通すること

変額保険も、他の投資性商品も、「投資リスクがある=元本割れする可能性がある」点は共通しています。

また、変額保険ならではで他にない特徴(☆)として次の2点も共通しています。

  • 「万が一の時には死亡保険金・高度障害保険金が支払われ、その際は運用成績が悪くても元本割れは発生しない」仕組みになっている
  • その分、保険としてのコストを支払っている

投資信託と比較して

変額保険も特別勘定で運用する中身は投資信託を選ぶことができますが、「純粋に証券会社や銀行等で投資信託を購入する場合」とは異なる点があります。

  1. 運用コスト:投資信託を購入することに対するコスト(購入時手数料・信託報酬)が異なる。
  2. 引出制限変額保険は「解約控除」のルールにより一定期間内の解約にはコストがかかる ⇔ 純粋に投資信託を購入する場合は、保有期間に応じたペナルティは発生しない。(引き出し制限なし)
  3. 万が一の保障:前述の「保険ならでは」の特徴(☆)があるかないか、が異なる。
  4. 運用成績で利益を得られた場合変額保険は一時所得、投資信託は譲渡所得(約20%)の区分で課税される。
  5. 所得控除など変額保険は生命保険料控除を受けられるが、投資信託は控除を受けられない。
  6. 資産配分の見直し(いわゆるリバランス)など:「保険の特別勘定」や「投資信託を購入する証券口座」という一つの箱の中で、商品の入れ替え・資産配分の変更ができるかどうかが異なる。変額保険は、特別勘定内で見直し・変更が可能。

コストの差は商品によって様々なので一概にいえませんが、「②引出制限」で変額保険は解約控除によって「直ぐにやめると損しやすい」仕組みになっている(=強制力が強い)点は要チェックです。

また、当然ながら③の保険によって守られる部分があるかないか&それに対するコストを払っているかどうか、もふまえて比較する必要があるでしょう。

「⑥資産配分の見直し」について、変額保険は一つの箱の中で運用の見直し・変更ができるという点は、分かりやすさという点でメリットになります。

つみたてNISAと比較して

つみたてNISAは「投資信託を非課税口座で買う」制度なので、基本的に上記「投資信託と比較して」と同じであると考えておいてください。

ただし、「非課税口座」で買うため、先ほどの「④運用成績で利益を得られた場合」の部分は大きく異なります。

変額保険で得られた利益は「一時所得」に区分されるため、50万円超の利益が出た場合は原則課税されます。

それに対してつみたてNISAは、一定の期間・金額のルール内で最終的に得られた利益は「非課税」となります。

念のため一点補足しますと、つみたてNISAは「非課税期間が20年間」となっていますが、これは最長20年間というだけで、特に引き出し制限はありません。ペナルティ等もなく自由に引き出し可能です。(=強制力が弱い

iDeCo/イデコと比較して

変額保険もiDeCoも、中身は投資信託で運用することができます。(どちらも預貯金のようなタイプも選択可能ですが)

この点は共通する反面、以下の点は異なりますので確認しておきましょう。

  1. 運用コスト:投資信託を購入することに対するコスト(購入時手数料・信託報酬)が異なる。
  2. 引出制限変額保険は「解約控除」のルールにより一定期間内の解約にはコストがかかる ⇔ iDeCoは保有期間に応じたペナルティはないが、そもそも原則60歳まで引き出し不可
  3. 万が一の保障:前述の「保険ならでは」の特徴(☆)があるかないか、が異なる。
  4. 運用成績で利益を得られた場合変額保険は一時所得となるが、iDeCoは単純に「利益」で考えず、最終的な受け取り額に応じて課税される場合がある。
  5. 所得控除など変額保険は生命保険料控除を受けられる、iDeCoは小規模企業共済等掛金控除を受けられる。
  6. その他:iDeCoは別途所定のコストがかかります。

※一つの箱の中で運用の見直し・変更ができるという点は、変額保険もiDeCoも共通。

こちらもコストの差は商品によって様々なので一概にいえませんが、「②引出制限」の変額保険は解約控除によって「直ぐにやめると損しやすい」仕組みになっている、iDeCoはそもそも60歳まで引き出し不可である、という違いは要チェックです。(=どちらも強制力が強い

また、「③万が一の保障」の部分は、保険によって守られる部分があるかないか&それに対するコストを払っているかどうか、の点は投資信託との比較以上に重要。

iDeCoの場合、万が一(死亡)が発生すると原則その時点での運用成績で受給することになるため、運用成績が悪い場合は資産が大きく毀損する場合もあります。

(純粋な投資信託・つみたてNISAの場合は、遺族が運用を引き継ぐことも可能です。※非課税口座としは引継ぎ不可)

「④運用成績で利益を得られた場合」の違いは、ケースバイケースで大きく異なりますので、ここでは割愛します。(別の記事にて、iDeCoで最終的に受給する際の税制度について解説します。)

「⑤所得控除など」を受けられる点については、変額保険「生命保険料控除」は掛金のうち控除できる限度額が小さい反面、iDeCoの「小規模企業共済等掛金控除」は掛金の全額を控除できます。

ここはiDeCoの方が圧倒的に有利といえるでしょう。

⑥のiDeCo独自のコストは、金融機関(運営管理機関)によって年間2,000円~5,000程度は負担することになりますので、加入する際にしっかりと確認しておきましょう。

変額保険の一番の魅力は?

ここまでお読みいただくと、各種制度・商品と比較しても「一長一短がある(メリットもデメリットもある)」ということをご理解いただけたかと思います。

その人のニーズによって適した制度・商品は全く異なりますので、一概には言えないのですが、、、

「万が一の救済機能を付けながら、強制力をもって将来のお金をコツコツ増やしていくことができる」

これが、変額保険の魅力を表す言葉かなと思います。(あくまでも私たちの私見です。)

「強制力」は資産づくりを成功させるための重要な機能

後述するような小さいお子様の教育資金の保障や、ご自身や配偶者の保障などを一定程度確保しながら、かなりの強制力をもって積み立て投資していくことができます。

一定期間の解約時ペナルティ=解約控除は、本来ならデメリットと捉えられがちですが、「資産づくり」の観点からすると極めて大きなメリットにもなります。

こちら↓の記事で解説した、iDeCoのメリットも同様です。

iDeCoのメリット① 多くの人が誤解する「最も重要な機能」とはiDeCo/イデコ(個人型確定拠出年金)の具体的なメリットについて、2回に分けて解説します。今回は、専門家といわれる方も一般の方も【誤解】していることが多い“最も重要な機能”についてお伝えします。...

「あえて引き出せない・止められない機能をつける」ことは、地味なようでいてとても重要なのです。

これは、「自分を律して引き出さなければ良いだけだから、非合理的だ」という意見もあります。それも一理ありますが、「人は合理的に行動できない」ということが行動経済学においても明らかになっています。

※行動経済学については、別の記事で解説します。

うまく変額保険の強制力を活用することは、きっと多くのケースで長期的な資産づくりに資することになると考えています。

以上、今回は「他の商品・制度との比較」についてお伝えしてきました。

具体的に変額保険の加入を検討している方は、次回の「向いている人」「注意点」もしっかり確認しておいてくださいね!

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弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、変額保険はもちろん、つみたてNISAやiDeCo/イデコ、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

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