以前の記事「【未成年者向け】株式投資ってなに?」で、株式投資の本質や基礎は分かったし、応援したい会社もいくつか思い浮かんでる。
でも「もう少しその会社について知りたいな、どうやって調べたらいいの?」という方。
そんな方に向けて、今回は会社の成績表「財務諸表(ざいむしょひょう)」についてご説明したいと思います。
なんて不安を持っている方!
今回の記事を手掛かりに、会社が私たちに届けてくれる「成績表」を眺めてみてください。
小学生・中学生や高校生にもお読みいただけるよう”簡単に・分かりやすく”を心がけて説明していきますので、投資の初心者・未経験の方もぜひ一緒に学んでいきましょう!
(細かい用語の説明やルールなど一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
以前の記事「【未成年者向け】株式投資ってなに?」はこちらから。
「財務諸表」ってなに?
「財務諸表」は”決算日”ごとに作られる
財務諸表は会社が作った会社の「成績表」。
会社ごとに「決算日」という日が決まっていて、この決算日までの1年間の成績を株主にお知らせするルールになっています。
毎日、毎月だと出す方も受け取る方も大変ですから、1年に1回。
さらに細かく言うと、3か月に一回、少し簡略化された成績表も作ることになっています。
成績表には次の4種類があります。
- 「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」
- 「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」
- 「キャッシュ・フロー計算書」
- 「株主資本等変動計算書(かぶぬししほんとう へんどうけいさんしょ)」
今回はこのうち「貸借対照表」と「損益計算書」の2つについて。
※この2つの表の名前には略称があって、貸借対照表をBS、損益計算書をPLと呼んだりしますが、今回は漢字表記で統一して進めて行きます。
「財務諸表」は会社から株主への”メッセージ”
では、なぜ財務諸表が必要なのでしょうか。
「【未成年者向け】株式投資ってなに?」の記事の中で、株式投資についてハンバーガー屋さんを例に説明しましたよね。
今回もこのハンバーガー屋さんを例に見ていきましょう。
ハンバーガー屋さんに投資して1年後…
1年前のこと。
あなたはハンバーガー屋さんを始めたいという起業家さんの熱意に打たれ、応援を決意。
ハンバーガー屋さんにお金を渡し、かわりに「株券」をもらいました。
・・・それから1年が過ぎ。
配当も株主優待ももらいました。
さらに起業家さんは「順調です、儲かっています!!」と言っています。
とはいえ起業家さんに渡したのは、あなたが毎日働いて一生懸命貯めてきた大切なお金。
そんなお金がどんなふうに使われているのか気になりませんか?
これには起業家さんも焦ります。
儲かっているので2号店のオープン計画中なんです!
追加で応援して欲しいと思っています!!
数日後、起業家さんは会社のこれまでの1年間の「成績表」を送ってくれました。
あなたに安心してもらえるように、と。
では早速、2つの成績表「貸借対照表」と「損益計算書」について見ていきましょう。
「貸借対照表」は決算日の“持ち物リスト”
貸借対照表の区分は「資産」「負債」「資本」の3つ
「貸借対照表」は「たいしゃくたいしょうひょう」と読みます。
決算日にハンバーガー屋さんが持っている物の一覧表です。
たくさんの持ち物を見ている人に分かりやすくするために、リストは大きく3つの区分に分けて作られます。
その区分が「資産」「負債」「資本」。
数字を見てみよう
ハンバーガー屋さんが送ってくれた「貸借対照表」がこちら。
2020年度3月期 貸借対照表
資産 800万円
負債 200万円
資本 600万円
では1つずつ見ていきましょう。
ハンバーガー屋さんの「資産」って?
ハンバーガー屋さんがお店を続けていく上で必要な“物”というと何を思い浮かべますか?
まずはお店、建物が必要ですね。
パティを焼くために、ガスコンロ。それから食材を保存するための大きな冷蔵庫も絶対です。
ほかにもお客さんが使うテーブルや椅子、照明に、トイレ、ハンバーガーの受け取りカウンターなどなど色々な物が必要。
毎日の材料の仕入れや支払いのために現金も持っておかないといけません。
こういったお店をやっていく上で必要な「持ち物」が、貸借対照表の「資産」800万円の中身です。
「負債」と「資本」
続いて「負債」。
ハンバーガー屋さんは2号店出店のために、銀行からもお金を借りました。
この借金は「負債」200万円の中に集計されています。
最後に「資本」。ここには、起業家さんがあなたや他の株主さんから受け取ったお金が集計されています。
全部で600万円になっているようです。
「貸借対照表」から分かること
貸借対照表から「資産」「負債」「資本」の金額が読みとれました。
ハンバーガー屋さんがどんな物を持っているかが分かりましたね。
銀行から集めたお金(負債)200万円と、あなたやほかの株主から集めたお金(資本)600万円を使って、ハンバーガー屋さんに必要なもの(資産)800万円分を買い、儲けを出すために頑張っていることが分かります。
1年間の儲けは?「損益計算書」で「利益」が分かる
損益計算書の区分は「費用」「収益」の2つ
損益計算書(そんえきけいさんしょ)は「収益」と「費用」という2つの区分を使います。
損益計算書の収益から費用の金額を引き算すると、「利益」つまり、いくら儲かったのかが分かります。
数字を見てみよう
ハンバーガー屋さんが送ってくれた「損益計算書」です。
2020年度3月期 損益計算書
収益 1,000万円
費用 900万円
利益 100万円
ではこちらも1つずつ見てみましょう。
「収益」は、ハンバーガーの売り上げ
「収益」には、ハンバーガー屋さんの1年分の売り上げが集計されています。
ハンバーガ屋さんのメニューを見ると、
ハンバーガーは1つ200円、ポテトは150円です。
大人気のランチセットは500円!
起業家さんによると、1日に50人ほどがやってきて大体2万5千円の売り上げになるそう。
1か月の売り上げは平均すると80万円ほどだとか。
損益計算書の「収益」1,000万円には、起業家さんがコツコツ毎日お客さんに売ってきたハンバーガーやポテトなどの値段が合計されているんですね。
食材費や消耗品、電気代などは「費用」
続いて「費用」は900万円。
ハンバーガー屋さんではどんなものが「費用」になるのでしょうか。
簡単に言うと、1年以内に使い切ってしまうようなものや金額の大きくないものに使ったお金。
ハンバーガーのパンや、お肉、それからフライドポテトのジャガイモなどの食材。
レジのレシート用紙とか、お店の掃除用具などなど細かいものまで、この「費用」に集計されます。
それから起業家さんだけではお店は回りませんから、アルバイトをお願いする必要もありそうです。
電気代やガス・水道代などの光熱費もかかりますね。
そういったものに全部で900万円かかったようです。
「収益」ー「費用」=「利益」
さて、起業家さんは「儲かっています!」と連絡をくれましたよね。
それが具体的にはいくらだったのか、それがこの「損益計算書」を見ることで分かります。
収益1,000万円に対して、費用900万円。
収益から費用を引き算して、利益は100万円。
ハンバーガーの売り上げが、材料そのほかお店のためにかかった色々な出費より大きかったので、100万円の儲けが出ましたよ、ということです。
収益の金額>費用の金額ならば「利益」が出て儲かったということ。
反対に費用>収益になると「損失」が出た、つまり赤字になったことを示します。
この1年間、起業家さんはとっっても頑張ってくれたようです。
あなたから受け取ったお金を無駄遣いすることなく上手に使いながら経営してきたんですね。
次の1年も頑張るので応援してくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
今回のポイントは3つ。
- 財務諸表は会社の「成績表」
- 貸借対照表は決算日の「持ち物リスト」
- 損益計算書は「1年間の儲け(損失)」
この3つのポイントを意識して、「貸借対照表」で「資産」「負債」「資本」を。
「損益計算書」で「収益」「費用」そして「利益」(「損失」)を探してみてください。
まずは数字を怖がらずに2つの成績表を眺めるところから始めてみましょう。
応援している企業への信頼感がアップしたり、ほかにも応援したい企業を発見出来たりするかもしれません。
今回は「貸借対照表」と「損益計算書」の基礎をお伝えしました。
初心者の方が少しずつレベルアップ出来るよう、「財務諸表」に関する記事を書いていきたいと思っています。
一緒に勉強して行きましょうね!
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