「iDeCo(イデコ)を始めようと思うけど、つみたてNISAとか他の制度はどうなのかな?」
「今やっている個人年金保険とかよりも、iDeCoの方がメリットは大きい?どっちがいいんだろう?」
この記事は、そんな疑問・ニーズがある方向けの内容です。
複数回にわたって「iDeCoの始め方(やり方)」を解説していますが、前回の「全体像と目的」に続いて、今回は「他の制度・商品との比較」について詳しくお伝えしていきます。
※前回の記事はこちら(↓)
正直なところ、一般的な制度説明チラシやネット上の記事など他では書かれていない視点も取り入れています。
私たちは「FP兼 金融証券仲介業者(IFA)兼 保険代理店」として現場で実務をこなしているから、お伝えできるのです。
ぜひ、しっかりと確認しておきましょう!(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
iDeCoを始める時に比較検討するべき「他の制度・商品」は?
iDeCo(イデコ)を始める前に、同じく「長期的な資産づくり」に適した制度・商品と比較検討することをお勧めします。
代表的なものは下記の通り。
- つみたてNISA(積立NISA)
- 勤務先のDC/401k(企業型確定拠出年金)
- 財形貯蓄
- 個人年金保険
- 変額保険
それでは、一つずつ見ていきましょう。
①つみたてNISA(積立NISA)
2018年から、積立専用の少額投資非課税制度「つみたてNISA」がスタートしました。
制度のポイントは、下記の通り。
- 積み立て投資をして、得られた「値上がりによる利益」や「分配金」が非課税になります。(本来、投資で増えた分は一定の税金がかかります。)
- 非課税となる期間は20年間
- 限度額は年間40万円まで(=月々3万3,333円まで)
- 投資する商品は、国が決めた基準を満たす投資信託から選びます。
続いて、iDeCoと比較する上でのポイントも確認しておきましょう。
- iDeCoのように、積み立てた金額分が「所得控除」になるわけではないので、支払う税金が安くなる(節税)効果はありません。
- iDeCoのような引出制限はなく、いつでも引き出し可能です。
- iDeCoのように加入しているだけで(口座を作っただけで)自動的にかかる手数料は、原則ありません。
ご覧の通り、単純な節税メリットで比較するとiDeCoに軍配が上がります。
ただ、引出制限がないため「柔軟性」という意味ではつみたてNISAの方が有利ですね。
とはいえ、「60歳まで長期投資をしっかり続けていく」という“強制力”が働くのはiDeCoなので、バランスよく使い分ける必要があるでしょう。
iDeCoとつみたてNISAの比較については、別の記事で詳しく解説します。
※つみたてNISAの基礎知識について確認しておきたい方は、こちらの記事(↓)をご覧ください。
②勤務先のDC/401k(企業型確定拠出年金)
iDeCoは「個人型」確定拠出年金ですが、会社員の方でお勤め先に「企業型」確定拠出年金の制度が導入されている場合もあります。
その際は、iDeCoに加入できない場合もあります。
お勤め先の制度の規約(ルール)によって、対応が異なるので確認しておきましょう。
「全員加入制」の場合
企業型に強制加入することになるので、個人型には加入できません。(厳密にいうと同時加入もできなくはないのですが、現時点では同時加入を可としている企業はほとんどないという状況です。詳細はこちらの記事をご確認ください。)
「選択制」の場合
企業型に加入するか加入しないかを選択できますので、「企業型に加入しない場合」は個人型に加入することが可能です。
「マッチング拠出制度」がある場合
この場合は、個人型は加入できない決まりになっています。
なお、どちらも確定拠出年金制度なので、「個人型」「企業型」それぞれの得られるメリットに大きな違いはありません。
ただ、積み立てた金額に応じた「控除」のメリットは少し異なります。
- 個人型:積み立てた(拠出した)金額が「全額所得控除」になる
- 企業型:積み立てた(拠出した)金額は「収入にカウントされない」ため、税金・社会保険料の負担を抑えられる
企業型の方が「そもそも収入にカウントされない」ので、社会保険料のメリットもあるのは大きいですね。
そのため、上記の「選択制」の場合は自分で「個人型」に加入するよりも、勤務先で「企業型」に加入することをお勧めします。
※この点は少々複雑な話になるので、こちらの記事(↓)をご参考ください。
③財形貯蓄
会社員や公務員の方はお勤め先に「財形貯蓄」制度があるかもしれません。
「一般財形」「住宅財形」「年金財形」の3種類に分かれており、老後資金づくりに「年金財形」を利用する方もいます。
こちらは、以下のような特徴があります。
- 給与天引きで強制的に積み立てをする
- 一定金額まで利子が非課税になるが、低金利下でのメリットはほぼなし
- 運用効果はほぼなし
- 基本的にいつでも引き出しできる(手続きに1週間~1ヶ月程度かかる)
ということで、iDeCoほどの節税メリットも投資成果の期待値もほぼない制度ですが、単純に「強制力を持って貯金していきたい」のであれば十分に活用できる制度です。
なお、一部大手企業では、銀行等ではあり得ないほどの優遇金利を受けられる可能性もあります。
その場合は、元本割れリスクのない積み立てツールとしては非常に魅力的なので、ぜひ活用すべきといえるでしょう。
④個人年金保険
こちらは民間の保険会社が開発している商品で、次のようなポイントがあります。
- 掛け金を払い続けると、契約時点で決められた金額を最終的に受け取ることができる(投資性商品ではない)
- 払った掛け金の一部が「所得控除」になる(所得税で最大4万円まで。iDeCoのように全額ではない)
- 引出制限はないが、加入後すぐに解約するとほぼ間違いなく損をする(初期のコスト負担が大きいため)
こちらは保険会社によって内容も異なるので詳細の説明は省きますが、
「所得控除が払った掛け金の全額ではない」「投資でふえる期待値が少ない」という点はiDeCoより劣るといえるでしょう。
iDeCoと個人年金保険との比較については、こちらの記事(↓)をご確認ください。
⑤変額保険
こちらも民間の保険会社が開発している商品です。ポイントは下記の通り。
- 株式・債券等で積み立て投資をする「積み立て型の保険」の一種
- 死亡・高度障害等があった際には、投資成果が悪くても最初に決めた額の保険金が支払われる
- 払った掛け金の一部が「所得控除」になる(所得税で最大4万円まで。iDeCoのように全額ではない)
- 引き出しできないというルールはないが、どの保険会社でも10年間は「解約控除」というペナルティ(違約金)がかかるので、事実上の引出制限あり
「投資性商品である」ことと「事実上の引出制限がある」点で、iDeCoに近い性質を持った商品です。
大きく違う点として、節税面では全額所得控除になるiDeCoの方が勝っており、万が一の時は「元本割れしない保険金が支払われる」変額保険の方が有利です。(iDeCoは万が一時点での運用成績で受給することに)
60歳までの引き出し制限があるわけではないので、「学資保険代わり」に利用する方も多いですね。
詳細はこちらの記事(↓)をチェックしておいてください。
まとめ
以上、iDeCoと他の制度・商品を比較検討する際の、ポイント・概要をお伝えしました。
各種制度・商品の「向き・不向き」は、人それぞれの収入・資産状況・家族構成・マネープランなど様々な要素で異なります。
どれか一つに偏らず、各種制度・商品はバランスよく活用するようにしましょう!
※全てにおいて万能な制度・商品は存在しませんので、巷の「●●はお得だから絶対やるべき」という情報に惑わされないよう注意してください。
ぜひFP等の専門家に一度相談して、個別事情をふまえた総合的なアドバイスを受けてみると良いですよ。
次回は、iDeCoを始める時の「窓口の選び方」を解説します。
ぜひ、合わせてご覧ください!
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
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