お金の基礎知識

スタグフレーションの意味とは?日本の株価や金利などへの影響は?

「スタグフレーションって何?」

「スタグフレーションの影響は?」

この記事は、そんな疑問がある方向けの内容です。

最近ニュースで「スタグフレーション」という単語を聞く機会が増えてきました。言葉の使われ方から「悪い意味なのかな?」とは思っても、正確な意味を知らない方は多いのではないでしょうか。

じつはスタグフレーションとは、日本の株価や金利、不動産など、幅広い分野に悪影響を与える可能性がある現象。景気の落ち込みに拍車をかける可能性があるため、避けたい事象なのです。

この記事では、スタグフレーションの意味と、日本の株価・金利・不動産への影響について解説していきます。

スタグフレーションの意味とは

スタグフレーションとは、景気後退下において物価上昇が起こる現象のことです。

スタグネーション(景気停滞)とインフレーション(物価上昇)を組み合わせた言葉で、消費行動を抑制させるとして、経済的には避けるべき事象とされています。

スタグフレーションが起こる原因は、主に原材料や燃料の高騰にあります。商品の生産コストが上がることにより、インフレ下になくとも価格を上げざるを得ない状態になってしまうのです。

インフレ下と違って消費者の収入は増加しないため、相対的に消費者たちは不景気な状態を強いられます。原材料や燃料の価格が上がる原因は社会情勢悪化によるケースが多く、輸入に頼っている日本では、国内だけで対応しきれない点も歯がゆいところです。

1970年代に起こったスタグフレーション

日本ではかつて1970年代にスタグフレーションを経験しています。

原因となったのは、当時石油価格を高騰させた「オイルショック」です。オイルショックは1973年と1979年の2回起こりましたが、第四次中東戦争をきっかけとした第1次オイルショックは特に影響が大きく、多くの企業が生産コスト上昇に苦しみました。

その結果、数多くの企業が生産を抑制することに。物の供給減をきっかけとする物価上昇が起こり、スタグフレーションに繋がりました。

スタグフレーションが経済に与える影響

スタグフレーションの特徴である「収入の増加が伴わないインフレ」は、消費者の消費行動を抑制し、経済の循環を停滞させることで、経済規模の縮小に繋がります。

そもそも生産者は、商品やサービスの需要に合わせて生産量を決定します。消費者の収入増が伴っていれば、多少値上げをしても消費行動の抑制は限定的ですが、物価上昇が先行してしまうと、消費者は限られた収入の中で取捨選択をするようになり、需要が減少します。

すると、生産者も生産量を減らさざるを得なくなり、原材料の仕入れ元にも波及、関連市場の経済活動量が減少することとなります。

消費者からすれば「高いから買わない」、生産者からすれば「売れないから作らない」。この2つが重なってしまうことで、経済の循環が停滞してしまい、幅広い分野の市場で経済規模が縮小してしまうのです。

スタグフレーションの株価への影響

株価の上昇は、多くの場合「企業の将来的な成長」を期待して購入されることで起こりますが、経済が縮小していく中では明るい将来がイメージできず、買い控えが起こり、株価の下降へと繋がります。

また、社会情勢の不安を発端とするスタグフレーション下では、将来のビジョンが予測しにくく、リスク対策が難しい一面もあります。そのため、将来に不安要素が多いスタグフレーション下では、多くの業種において株価は冷え込むことが予測されます。

とはいえ、すべての株価が下がるわけではありません。1970年代のスタグフレーションでは、インフレの影響を直接受けた原油や鉱業などは急激に株価を上げています。

スタグフレーション下で株価を上げる業種は限定的ですが、どの業種がどのような影響を受けるかを考えることで、株価の動きをある程度予測することができます。

スタグフレーションの金利への影響

通常、インフレが過熱すると金利を上げて消費行動を引き締めようとします。しかし、消費の増加が伴わないスタグフレーション下では、この法則は当てはまりません。そのため、積極的な金利上げは起こらないと考えられます。

スタグフレーション下では、企業は生産コストが下がらないと商品やサービスの価格を下げることができません。金利を上げても原材料の価格が下がるわけではないため、スタグフレーション下の金利上げは解決策になり得ない可能性が高いと考えられます。

このように、金利操作よって、スタグフレーションをコントロールすることは難しいため、スタグフレーションが起こっても積極的な金利操作は行われないと考えられます。

スタグフレーションの為替への影響

スタグフレーションと為替の関係は、スタグフレーションが為替に影響を与えるというよりは、為替がスタグフレーションに影響を与えるケースの方が多いと考えられます。

特に円安が進行した場合、ただでさえ値上がりしている石油や原材料の仕入れコストがさらに上がります。すると、生産コストはさらに上がり、スタグフレーションを助長する可能性があります。

ただ、スタグフレーションが極度に進行してしまうと、円に対する信用が下がることで円安が進行する可能性があります。

スタグフレーションの不動産市場への影響

不動産分野は、新築物件と賃貸物件で異なる影響を受けます。

まず新築物件ですが、建築物には多くの原材料が必要となります。そのため、生産コストが上がり、価格の上昇に繋がります。また、インフレの進行によって政策金利の上昇が起こった場合は、変動金利型住宅ローンも金利上昇が起こります。そのため、新築物件の需要は全体的に減少すると考えられます。

ただ、長期的な物価上昇が見込まれる場合は、物価上昇が進行する前に建築しようという動きが起こり、一時的に需要が急増する可能性も考えられます。

一方、賃貸物件はすでに建築済みのため原材料高騰の影響を受けません。また、「住」という分野は生活の基礎にある要素のため需要も落ちにくいです。収入の相対的減少によって、物件のグレードを落とすケースはあり得ますが、絶対的な需要量は下がりにくいと考えられます。

スタグフレーション下で資産運用するには

スタグフレーション下において資産運用をする場合は、リスク対策が通常以上に重要になってきます。具体的に言うと、リスク分散をしたポートフォリオ形成と、ドルコスト平均法による長期運用がオススメです。

通常、経済不安や社会情勢の悪化が起こると、金のように世界的な資産性の高い商品の人気が高まるようになりますが、とにかく金を買えば安全というわけではありません。

例えば、1990年の湾岸戦争では一時的に金の価格が高騰していますが、価格上昇は開戦前が中心で、開戦後は価格を下げています。これは、金を短期的な利益目的で購入した層によるものだと言われています。

一方、リスク分散をしたポートフォリオ形成とドルコスト平均法による長期運用は、リスクが一極集中しないため、資産全体の急激な値動きを避けることができます。また、ドルコスト平均法で決まった金額分だけ購入し続けることで、経済不安が解消された後に資産を増やせる可能性もあります。

つまり、スタグフレーションが起こってから急に金に駆け込むのではなく、日頃からリスク対策を念頭に置いた資産運用を継続的に行うことが重要なのです。

日常的な資産運用で社会変化に負けない資産を作ろう

スタグフレーションは、経済衰退とインフレが同時に起こる、経済にとって避けるべき事象ですが、グローバル社会があたり前になった今では、いつ起こってもおかしくない事象になりつつあります。

そんなリスクを乗り切るためには、社会変化に負けない、リスク対策をしっかりした資産形成が重要。突発的に対策をするのではなく、日頃からコツコツ作り上げることが大切です。

ポイントは、リスク分散をしたポートフォリオと、ドルコスト平均法による長期運用。日頃から投資に触れていることで、経済の変化にアンテナが高くなる点もおすすめですよ。

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