お金の基礎知識

【よくある質問集】これって医療費控除の対象?対象外?

「整体によく行くけど、医療費控除の対象なのかな?」

「歯列矯正は医療費控除の対象外ってホント?」

この記事は、そんな疑問をお持ちの方向けの内容です。

税金を計算する上で、かかった医療費の一部を収入から差し引ける「医療費控除」。

対象となる治療費・付随費用の幅が広い一方で、対象にならない費用も多く、一般の方が判断に迷うケースが多々あります。

今回、「●●って対象にならないんですか?」とよくご質問をいただく項目について、まとめてみました。

ぜひご参考くださいね。

この記事の内容は、国税庁のHPに記載されている内容をベースとした「目安」です。医療費控除の対象or対象外についての最終的な判断は税務署によりますので、詳細の確認や個別具体的な相談は、最寄りの税務署か税理士事務所にお問合せください。

そもそも医療費控除とは

医療費控除とは、その年(1~12月)にかかった医療費が一定金額を超えた場合に、確定申告の上でその一部を所得から差し引くことができる制度です。

よって、所得税・住民税を納税している方は、医療費控除を使えば税金の負担を減らすことができます。

医療費控除の計算式は以下の通り。

 実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額-10万円*=医療費控除できる金額

※その年の総所得金額が200万円未満の場合は、総所得金額の5%

基本的には「年間の医療費が10万円を超えた場合に使える制度」と認識しておいてください。

また、医療費控除は「自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」を全て合算することが可能です。

この後に出てくる「子供の治療費」等も親御さんの所得から控除できますから、ぜひ覚えておきましょう。

よくご質問いただく(判断に迷いやすい)ケース

この医療費控除、ちょっとややこしい制度です。

「どこまでを医療費としてみなすか」のルールが、国税庁により細かく決められています。

その基準で「医療費」に該当すれば医療費控除の対象となりますし、該当しなければ対象外となってしまうのです。

国からすると納めてもらう税金を優遇するわけなので、「何でもOKじゃないよ」ということですね。

私たちが一般生活者のご相談をお受けする際に、よくある質問=判断に迷う事例をまとめましたので、しっかりチェックしておきましょう。

歯列矯正費用

そもそもの確認ですが、「歯科治療」も基本的に医療費控除の対象となります。

「お医者さんと歯医者さんは別物」というなんとなくのイメージをお持ちの方も多いですが、れっきとした治療費ですので誤解のないようにしてください。

ただ、歯列矯正については必ず対象になるわけではありませんので、注意が必要です。

対象となる歯列矯正:発育段階にある子供の成長を阻害しないために行う不正咬合の歯列矯正など、年齢や目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用

対象外となる歯列矯正:容ぼうを美化するための費用

一般的に中学生くらいまでの歯列矯正であれば対象となりますが、大人の場合は歯並び・咬み合わせが悪いことで「咀嚼」や「発音」に支障をきたすレベルでないと、対象外となってしまう可能性がありそうです。

国税庁のHPに詳細が書かれていますが、グレーだと思われたら税務署に問い合わせてみると良いでしょう。

接骨院や整体・マッサージ等の費用

接骨院や整体院、整体・マッサージ、カイロプラクティックなど、身体の歪みやコリに対する施術を行うサービスがたくさんあります。

どれが「治療」に当たるのかは、一般的に見て大変分かりづらいですね。

医療費控除の場合はこのように定められています。

対象:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術

対象外:疲れを癒したり体調を整えるといった、「治療」に直接関係がないと判断されるもの

「あん摩マッサージ指圧師」「はり師、きゅう師」「柔道整復師」という3種類の国家資格者による施術を受けた場合は医療費控除の対象で、

他の一般事業者による「整体」「マッサージ」もしくはそれに類似する施術を受けた場合は、対象外ということですね。

多くの方にとって「整体」という言葉は、かなり広い意味で使われていると思われます。

通っている「●●院」のようなところがあれば、医療費控除の対象になるかどうかをぜひ確認しておきましょう!

妊娠・出産に伴う費用

質問をいただくというより、だいぶ「見落とされがち」なのが妊娠・出産に伴う費用です。

このように、交通費も含めて幅広く治療費にカウントしてもらえます。

①妊娠と診断されてからの定期検診検査などの費用、また、通院費用は医療費控除の対象になります。

(注)通院費用については領収書のないものが多いのですが、家計簿などに記録するなどして実際にかかった費用について明確に説明できるようにしておいてください。

②出産で入院する際に、電車、バスなどの通常の交通手段によることが困難なため、タクシーを利用した場合、そのタクシー代は医療費控除の対象となります。

(注)実家で出産するために実家に帰省する交通費は医療費控除の対象にはなりません。

③入院に際し、寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用は医療費控除の対象になりません。

④病院に対して支払う入院中の食事代は、入院費用の一部として支払われるものですので、一般的には医療費控除の対象になります。しかし、他から出前を取ったり外食したりしたものは、控除の対象にはなりません。

(出所:国税庁HP

妊娠・出産は「治療」という認識が無く、「医療費控除の対象だなんて知らなかった」という方が多いという実状があります。

使えるはずの控除を、知らなかったがために使わないのは、凄く勿体ないこと!

妊娠中の方や出産されて間もない方は、しっかりと確認しておくと良いでしょう。

なお、健康保険から給付される「出産育児一時金」などの金額は医療費控除を計算する際に差し引くルールになっています。

詳細は上記リンクからご確認ください。

入院時の差額ベッド費用(個室代)

こちらは逆に、「え!対象外なの!?」となることが多いケースです。

結論、入院した時に「希望して個室等に入った場合」は、医療費控除の対象外となります。

国税庁のHP「医療費控除の対象となる入院費用の具体例」に、

本人や家族の都合だけで個室に入院したときなどの差額ベッドの料金は、医療費控除の対象になりません。

と明記されています。

ただ、よく読むと「本人や家族の都合だけで」という枕詞(まくらことば)がありますから、そこに該当しなければ差額ベッド代も医療費控除の対象になります。

実は、次のようなケースでは個室・特別室に入っても差額ベッド代は請求されませんので、そもそも発生しない費用になりそうですが。

  1. 個室・特別室に入院することに対して、個室患者側から同意書による同意の確認を行っていない場合
  2. 患者本人の「治療上の必要」により個室・特別室に入院した場合
  3. 病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合であって、実質的に患者の意思・選択によらない場合

とにもかくにも、

「差額ベッド代は原則対象外」と覚えておくと良いでしょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

ご覧の通り、医療費控除の制度は若干複雑で、分かりづらいですね。

今回一番お伝えしたかったのは、

「何でもかんでも医療費控除の対象になるわけではないが、使えるものを使わないのは勿体ない!」

ということです。

世帯合算で控除できますし、「年末年始には、1年間の医療費に関するレシート等をかき集める」という習慣を身に付けておきましょう。

医療費控除の対象or対象外については、この記事の内容以外にもいろいろな基準がありますので、気になる方はぜひ国税庁のHPをご覧になってみてください。

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