「毎月の生活費ってどれくらい?」
「一般的な生活費の内訳って?」
みなさんは家計簿などを利用し、毎月の生活費をきちんと把握していますか?
(家計簿についての過去記事はこちら↓)
お金のことは周囲に聞きづらいため、一般的な生活費はどれくらいなのかと疑問を抱く方も多いでしょう。
そこで今回は、夫婦2人以上(+子どもを含む)の世帯の生活費の平均値や内訳をまとめました。
まずは夫婦2人以上世帯の生活費の平均値がどれくらいなのか、クイズを解いてみましょう!
※本記事でご紹介するデータは、全てe-Stat「家計調査(2020年) 家計収支編 二人以上の世帯」より引用・作成しています。
クイズ
2020年のe-Stat(政府統計の総合窓口)のデータによると、夫婦2人以上の生活費(支出額)の平均値はいくらでしょうか?
①約25万円
②約28万円
③約30万円
④約33万円
↓↓↓
↓↓↓(答えはこちら)
↓↓↓
正解は②約28万円です。
より正確にお伝えすると、夫婦2人以上の生活費の平均値は277,926円です。
まず注意したいのが、この統計の平均的な世帯人員は2.95人、有業人員は1.34人、世帯主の年齢は59.7歳である点です。
つまり、277,926円は「夫婦と子ども1人がいる世帯で、60歳近い夫が働き、妻がパートもしくは専業主婦という家庭の生活費」だとイメージすると良いでしょう。
さらに、277,926円という金額は平均値であるという点も要注意です。
平均値は「家計にかかるお金が多い(少ない)世帯」の影響を大きく受けるため、日本の多くの世帯がこの平均値通りかというと、決してそうではありません。
家計は家族構成や年齢などによって大きく異なるため、ここでの数字はあくまでも参考程度に考えておくと良いでしょう。
生活費の内訳
ここからは生活費の内訳を詳しく見てみましょう。統計上、家計の内訳は以下のようになっています。
支出項目 | 支出金額 | 支出合計額に占める割合 |
食料 | 76,440円 | 27.5% |
住居 | 17,365円 | 6.2% |
光熱・水道 | 21,836円 | 7.8% |
家具・家事用品 | 12,538円 | 4.5% |
被服および履物 | 8,799円 | 3.1% |
保健医療 | 14,211円 | 5.1% |
交通・通信 | 39,910円 | 14.3% |
教育 | 10,290円 | 3.7% |
教育娯楽 | 24,285円 | 8.7% |
その他の消費支出 | 52,251円 | 18.8% |
消費支出合計 | 277,926円 | - |
それぞれの支出項目を見ると、「住居費に対する支出が特に少ないのではないか」と感じる人も多いでしょう。
統計には家賃の支払いがない世帯も含まれているため、実際の支出額はもう少し多いことが一般的です。
また、生活費の平均値を参考にする際には、実際の支出額だけではなく各項目が占める割合とご自身の家計内容を比較することも大切です。
例えば食費(統計では食料)への支出割合が非常に高くないか、通信費(スマホ代など)の割合をもう少し減らすことはできないかなど、項目ごとに確認すると良いでしょう。
生活費に差が生じる要因
先述のように、生活費は世帯を構成する人数など、世帯の条件によって大きく異なります。
ここでは、生活費に差が生じると言われる年齢と居住地域の2つの要因を詳しく解説します。
要因①世帯主の年齢
例えば、子育て世代と高齢者世代では支出額も随分異なりますよね。
世帯主の年齢(年代)によってどれくらいの差が生じるのかを以下で確認しましょう。
世帯主の年齢 | 消費支出額 |
全年齢階級平均 | 277,926円 |
~34歳 | 261,996円 |
35歳~39歳 | 268,725円 |
40歳~44歳 | 297,074円 |
45歳~49歳 | 333,865円 |
50歳~54歳 | 337,847円 |
55歳~59歳 | 321,698円 |
60歳~64歳 | 293,170円 |
65歳~69歳 | 274,798円 |
70歳~74歳 | 246,656円 |
75歳~79歳 | 230,977円 |
80~84歳 | 208,996円 |
85歳~ | 200,413円 |
20代後半から40代半ばにかけて、支出額が増えていることがわかります。
これは教育費や食費など、子供にかかる費用がかさむことが原因と考えられます。
一方、50代の前半をピークに支出額は次第に減少します。
これは、子供の独立や退職などで生活費としての支出が減っていき、年金を中心とした生活に徐々にシフトしていくためです。
一般的な支出額の推移を確認しておくと、今後の生活費がどのように変わっていくのかが理解できますね。
要因②居住地域
生活費は「どこに住んでいるか」という点によっても大きく左右されます。
例えば都市部では住宅費がかさみ、逆に地方では車関連費用がかさむ傾向にあります。
地方ごとの平均支出額は以下の通りです。
地域 | 消費支出額 |
全国平均 | 277,926円 |
北海道地方 | 267,187円 |
東北地方 | 262,275円 |
関東地方 | 293,290円 |
北陸地方 | 283,503円 |
東海地方 | 281,535円 |
近畿地方 | 263,899円 |
中国地方 | 272,385円 |
四国地方 | 258,476円 |
九州地方 | 269,515円 |
沖縄地方 | 206,758円 |
東京を含めた関東地方の生活費が一番高く、沖縄地方と比べると約8万円ほどの差が生じていることがわかります。
地方によって多少のばらつきはあるものの、生活費は20~30万円を目安とすると良いでしょう。
理想の生活費を実現するために
繰り返しになりますが、生活費は世帯ごとに異なります。
「我が家の生活費が平均よりも高い…」と一喜一憂せず、生活費の内訳や推移を確認し、無駄な支出がないか項目ごとに確認しましょう。
なお、生活費を管理する上では、①夫婦それぞれがお金を出し合う方法と、②夫婦どちらかの収入を生活費に充ててもう一方の収入は全て貯蓄する、という2つの方法があります。
①夫婦それぞれがお金を出し合う方法は、項目ごとに担当を決めて負担します。夫は家賃と保育費、妻は食費と光熱費といった具合です。
この方法は、それぞれの収入に見合う負担額を設定できるためお互いの不満が少ないというメリットがある反面、「残りのお金=貯蓄」と思っているものの本当に貯蓄できているのかは分かりませんよね。
貯蓄額が分かりにくいというデメリットがあるため、適宜お互いの貯蓄残高を確認し合うなど工夫すると良いでしょう。
一方、②夫婦どちらかの収入を生活費に充ててもう一方の収入は全て貯蓄する方法は、効率よく貯蓄できるのがメリットと言えます。
しかし、この方法の場合、「お小遣い制」を導入することが多く、お小遣いの金額で不満が出ることもあります。
お互い納得してお小遣いの金額を決めたいものですね。
まとめ
今回は夫婦2人以上の世帯の生活費の実態をご紹介しました。
日本全国の平均値ですので、平均値そのものを重く受け止めるよりも、平均値を参考にしながら「我が家の生活費はどうだろうか」と項目ごとに検証することが大切です。
今回は生活費について詳しくご紹介しましたが、私たちの生活は、生活費の他にも教育費や将来に向けた貯蓄など、暮らしのお金が深く関わっています。
弊社あしたばでは、生活費を含めた家計管理、目標とする教育資金や老後資金準備のお手伝いをさせて頂いています。
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