(投稿日:2020年10月5日)
10月1日、東京証券取引所(東証)におけるシステム障害により、株式等の金融商品が「終日売買停止」となりました。
全株式の終日売買停止はシステム化されて以降初めてのことで、ニュース等で大きく取り上げられたため、ご覧になった方も多いかと思います。
出来事の背景や、弊社のお客様をはじめとする「積み立て投資家」の方への影響をお伝えしますので、ご一読ください。
※弊社のお客様には10月3日に概要をメール配信させていただきましたが、本記事ではもう少し詳しく解説しています。
背景
結論から言いますと、東京証券取引所(東証)の相場情報システムの機器に障害が発生したことが原因です。
午前7時4分に、情報配信システムのメモリーが故障。
バックアップへの切り替えもうまくいかず、午前8時39分に東証は全ての銘柄(商品)の売買を停止すると発表しました。
これにより、平常時で1日3兆円程度の取引機会が全て失われることになったのです。
※東証の取引停止により、同じシステムを利用している名古屋・札幌・福岡の各証券取引所も売買停止となりました。(大阪だけは稼働)
「積み立て投資家」への影響は?
積み立て投資は毎月同じタイミングで定期的に投資信託等を買っていくもの(=定期自動買い付け)ですが、そのタイミングとして「毎月第1営業日(平日)」を設定しているケースが多くあります。
今回の出来事はちょうど第1営業日の10月1日(木)に発生したため、影響を受けた投資家も多数いると考えられます。
なお、具体的な影響については、口座を開設している証券会社や購入している商品によって異なります。
次の項で、弊社が仲介業者として登録している「エース証券」の事例をみていきたいと思います。
商品毎の影響(主に弊社取扱い商品)
商品等によりどんな影響があったのか、具体的に解説します。
個別具体的な商品につきましては、弊社が仲介業者として登録している「エース証券」および代理店登録している「アクサ生命」での対応を解説しますので、お含みおきください。
※本記事で取り上げていない金融機関および商品の対応については、個別にご確認をお願いします。
<1>主に「日本株式に」投資するファンド(投資信託)
商品例)コモンズ30ファンド、ひふみプラス など
ファンドの対応
日本株式の売買を一手に受け付ける東証での取引全面停止により、10月1日の買付(購入)は「停止」となりました。
積み立て投資家への影響
10月分の買付が第1営業日である1日に実行されず(注文キャンセル扱い)、翌10月2日付の基準価額での買付となりました。
よって、「毎月1日」を積み立て投資の買付タイミングに設定している方は、「買い付け日が1日ズレる」という若干の影響を受けたことになります。
<2>主に「日本株式以外に」投資するファンド(投資信託)
商品例)キャピタル世界株式ファンド、ニッセイAI関連株式ファンド、アジア製造業ファンド など
ファンドの対応
10月1日の買付(購入)について、通常通り実行されました。
(キャピタル世界株式ファンドは日本株式も含まれていますが、組み入れ比率が20%以下であることから、停止の対象としなかったとのことです。)
積み立て投資家への影響
上記の通り、10月分の積み立て投資の買付も、第1営業日である1日に実行されました。
そのため、積み立て投資家への影響はほぼありません。
ただし、「主に日本株式以外」に投資するファンドの場合、そもそものルールが「買付注文をした翌日付の基準価額で買い付けする」ものなので、今回も翌10月2日付け買付となっています。
<3>iDeCo、勤務先の確定拠出年金、変額保険などを経由して、積み立て投資をされている場合
iDeCo(個人型確定拠出年金)・勤務先の確定拠出年金や変額保険等に加入している方は、ご自身で運用方針を決めることになるため、金融機関の用意した中からファンド(投資信託)を選んで運用しているはずです。
※元本確保型といわれる預貯金等を選択した場合は除く
その場合も、基本的には上記1・2と同様に「主に日本株式」のファンドは10月2日付、「主に日本株式以外」のファンドは10月1日付での買付となっています。
上記3つの加入者が実際に受けたと考えられる影響は下記の通り
- iDeCo:毎月の買い付け日は13~15日頃になっているので、おそらく影響は受けていません。
- 勤務先の確定拠出年金:これは勤務先の「規約」および金融機関によって異なります。
- 変額保険:多くの保険会社が「毎月第1営業日(平日)」を買い付け日として設定しているため、影響を受けている可能性が高いと考えられます。
弊社のお客様は、アクサ生命の変額保険に加入の上で「世界株式プラス型」での積み立て投資をされている方も多いですが、
こちらはキャピタル世界株式ファンドで運用されていますので、前述の<2>をご参照いただければと思います。
その後の影響
売買停止翌日の10月2日は、無事に株式市場での取引が再開され、相場としても特に荒れることなく取引を終えました。
ちなみにですが、トランプ米大統領のコロナ感染ニュースで取引時間終了直前に全体の株価が下がったため、10月2日の「主に日本株式に投資するファンド」の基準価額も下落傾向に。
結果的に、1日ズレたことで「むしろ少し安く買えた」というケースもあるはずです。
とにもかくにも、積立投資をされているみなさまへの影響はかなり限定的ですので、どうかご安心ください。
今回の出来事で、前から問題視されていた「日本の株式市場の取引が、ほぼ東証一極集中」であることによるリスクが表面化しました。
日本の投資家はもちろん、海外の投資家が市場を信頼して売買に参加するからこそ、市場全体が活性化し、経済活性化にも繋がります。
これから金融庁の指導が入る予定ですが、みなさまのような積み立て投資家をはじめ市場関係者の信頼を損なうことがないよう、早急な再発防止策の確立に期待したいところです。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
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