「NISAを始めてみようと思うけど、自分に合ったやり方なのかな?」
「NISAって、iDeCoと比べるとどうなの?」
この記事では、そんな疑問にお答えします。
「NISA」(少額投資非課税制度)とは、一般生活者に投資のすそ野を広げ、資産運用・資産形成を後押しする目的で2014年からスタートした制度です。
前回に続いて、実際に「NISA(一般NISA)」活用を検討する上での「向いている・向いていない」の判断基準を、他の制度と比較しながら詳しくお伝えします。
今回は「iDeCo/イデコ(個人型確定拠出年金)」との比較です。
※これ以降、つみたてNISAと区別して「一般NISA」と表記します。
(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
iDeCo(イデコ)との比較
一般NISAとiDeCoはそもそも制度趣旨が違いますので、「どちらの方が向いている」言い切れるものではありませんが、今回は「優先度の高さ」について検討してみたいと思います。
一般NISAの方が、優先度が高いケース
- 今持っている預貯金等を有効活用したい
- 投資した資金は、ある程度柔軟に引き出し(換金)できるようにしておきたい
- いろいろな投資方法にチャレンジしたい
iDeCoの方が、優先度が高いケース
- 収入の一部を着実に投資・運用に回していきたい
- すぐに引き出し(換金)できなくても構わないので、長い目で老後資金をしっかり増やしていきたい
- 所得控除のメリットを使って、節税したい
上記の理由を、一般NISA・iDeCoそれぞれの特徴をふまえて解説していきます。
ポイント① 投資資金の出どころの違い
一般NISAは、基本的に今持っているお金(手元資金)で投資する制度。逆にiDeCoは、収入の一部を積み立て投資していく制度です。
手元資金を超低金利の預貯金で眠らせておくのではなく、積極的に投資・運用に回して育てていきたい場合は、早めに一般NISAを始めた方が良いといえるでしょう。
ポイント② 換金性(流動性)の違い
一般NISAは、引き出し制限等は特にありません。しかしiDeCoは「原則60歳まで引き出し不可」という厳しい制限があります。
「柔軟に引き出しできるようにしておきたい」という場合は、iDeCoは選択肢から外れますので、一般NISAを活用すると良いでしょう。(つみたてNISAも引き出し制限はありません)
ただし、こちら↓の記事で解説している通り、引き出し制限があることによって「長い目で見た資産づくりの成果」に繋がる可能性も十分にあります。
できれば、引き出し制限のあるiDeCoも併用して「長期的な資産形成・資産運用」を実践することをお勧めします。
ポイント③ 節税効果の違い
一般NISAは、あくまでも「投資で利益が出た部分に対する税金が、非課税になる」制度です。
投資した100万円の株式が5年で150万円になったら、本来なら利益が出た分の50万円に対して約20%(=約10万円)課税されるはずのところを、「非課税にしてもらえる」とうことです。
「投資したら投資した分だけ節税になる」制度ではありませんので、注意が必要です。
(繰り返しますが、利益が出た分に対しての税金がかからないということですから、損失が出てしまった場合はそもそも税金がかからないため、節税効果はゼロになります。)
逆にiDeCoは、「払った掛け金が全額所得控除になる」制度なので、基本的には「積み立てた分だけ節税効果が生まれる」制度。(収入や他の控除等の利用状況によります)
よって、「目先の節税効果」だけを考えればiDeCoの方が優先度は高いと言えるのです。
しかし、本来投資・運用をする目的は「長い目で見て将来必要な資金を増やしていくこと」のはずですから、「節税ありき」はあまりお勧めできません。
その点を念頭に置いた上で、制度の利用方法を決めると良いでしょう。
一般NISAとiDeCoは併用がベスト
上記の通り、そもそも制度趣旨も資金の出どころなどの特徴も違いますから、基本的には一般NISAとiDeCoを「併用すべき」という状況の方が多いと考えられます。(場合によっては、つみたてNISAとiDeCoの併用も)
換金性のような「ある側面から見るとメリットだが、ある側面から見るとデメリット」という部分もありますので、やはり各種制度はバランスよく活用するのがベストであると、私たちは考えています。
ただし、一般NISAは20歳以上であれば基本的にだれでも加入できますが、iDeCoは一部の会社員の方など「そもそも加入できない」ケースもあります。(投稿日現在)
詳細はこちら↓の記事をご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回&前回の内容は「向いている・向いていない(合う・合わない)」を判断する時のあくまでも“目安”です。
「一般NISAかつみたてNISAか」を選ぶ時も、iDeCoなど他の制度と比較検討する時も、大事にしておいていただきたいのは「バランス感」です。
いつもお伝えしますが、「どんな状況においても万能な制度・商品」は決して存在しません。
ぜひ、各制度・商品のメリット・デメリットをふまえ「上手に組み合わせたプラン」をつくることをお勧めします。
私たちFPは、「長期視点に立って各制度・商品を有効活用する」ためのサポートを得意としています。
ぜひ、お気軽にご相談くださいね。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、つみたてNISAやiDeCo/イデコ・企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なつみたてNISAやiDeCoの活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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