離婚後の生活にはさまざまな変化が生じますが、お金に関する不安を抱えている方は多いのではないでしょうか?
離婚によって収入が減少したり、子供の養育費や新たな生活費が必要になったりすることで、将来の経済的な見通しに不安を感じる方も少なくありません。
本記事では、離婚後のお金の不安を解消するための具体的なアドバイスを、FPの視点からお伝えします。お金の不安を解消し、安心して新たな生活をスタートしましょう。
離婚後に直面するお金の不安とは?

離婚する場合には、さまざまなお金の問題に直面することが考えられます。
とくに、これまで専業主婦や夫の扶養内で働いていた方は、離婚後、経済的に安定した生活を送れるか心配になることも多いでしょう。
ここからは、離婚後のお金の不安を解消するためにおこなうべきポイントを、費目ごとにお伝えします。
生活費に関する不安
離婚後は一人で家計を維持していく必要があるため、生活費全体を見直し、収支のバランスを把握することが重要です。まずは支出のリストを作成し、無駄な支出を削減する方法を考えましょう。
生活費を見直す場合は、固定費を削減すると大きな効果があります。
以下のようなポイントを参考にしてください。
【固定費を減らす方法】
- 家賃の見直し(より安い物件へ引っ越しを検討)
- スマートフォンのプラン変更(格安SIMへの切り替えなど)
- 保険の見直し(不要な保険の解約や見直し)
- 不要なサブスクリプションの解約
離婚して収入が減少する場合は、どの支出を優先するかを考え、緊急時の貯蓄も確保することが大切です。日々の支出を管理して、無駄を減らし、より安定した生活を目指しましょう。
お金を貯める方法について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

子どもの養育費に関する不安
子どもがいる場合は、養育費の支払いまたは受け取りが発生します。
養育費は、子どもが経済的・社会的に独立するまでに要する生活費・教育費・医療費などの費用のことで、子どもの生活を支えるうえで、とても大切なものです。
離婚によって親権者でなくなっても、子どもの親であることに変わりないため、親として養育費の支払義務を負うことになります。
養育費の金額や支払い期間について、離婚する前に配偶者と具体的な話し合いをおこない、取り決めをしておくことが大切です。
また、取り決めた内容は、後々のトラブル防止のためにも公正証書を作成し、書面に残しておくことも非常に重要です。
「強制執行認諾文言付きの公正証書」を作成しておくと、万が一養育費の支払いが滞ったときに強制執行の手続きをおこなうことが出来ます。
公正証書は、公証役場で法律の専門家である「公証人」が子どもの父母の合意(養育費の場合)をもとに作成します。必要な方は一度お近くの公証役場に相談してみてください。
なお、養育費の問題で話がまとまらないときは、家庭裁判所の家事調停手続を利用することも可能です。
養育費の調停申し立てについては、以下のサイトをご参照ください。
参照:法務省「養育費の取決めをしていない方へ」
老後資金に関する不安
「離婚した場合の年金はどうなるのか?」と気になる方も多いかもしれません
離婚した場合は「年金分割」という制度を利用できます。
年金分割とは、夫婦が婚姻期間中に納めた年金(厚生年金部分のみ)の保険料納付額を分割して、離婚時に分け合う制度です。
ただし、年金分割は離婚したら自動的におこなわれるわけではありません。
とくに婚姻期間中に専業主婦だった方や配偶者より収入が少なかった方にとっては、将来の年金額に加算されるため、必ず手続きをしておきましょう。
離婚後でも2年以内なら請求可能ですが、うっかり請求期限を過ぎてしまったり、相手が応じてくれないなどの可能性もあるので、離婚前に済ませておくことをおすすめします。
年金分割について詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。
参照:日本年金機構「離婚時の年金分割」
財産分与や慰謝料の使い道は?

離婚時に受け取った財産分与や慰謝料をどのように管理するかも重要なポイントです。
これらのお金は、一時的な支出にあてるだけではなく、長期的な資産形成などに活用することで、将来的な生活の安定を図ることができます。
具体的な管理方法として、以下のような選択肢があります。
生活防衛資金を確保する
突発的な支出に備え、少なくとも生活費の6ヶ月分以上は貯蓄しておくことが望ましいです。
生活防衛資金は、元本割れリスクがなく、いざというときいつでも解約できる定期預金などに預けておくのが良いでしょう。
普通預金は日常生活での利用には適していますが、定期預金に比べて気軽に引き出せる点が、貯蓄として利用する場合デメリットにもなります。
教育資金を確保する(子どもがいる場合)
子どもがいる場合は、教育資金を確保しておくことが非常に重要です。
子どもの年齢や進路希望などによって必要な金額は異なりますが、いずれは必ず必要になる資金と考え、貯蓄や資産運用などを活用し、将来のために確実に貯めておきましょう。
資産運用する(NISAやiDeCoの活用)
生活防衛資金や数年以内に使う予定のある資金は、ある程度貯蓄で確保しておくことが必要ですが、長期間引き出す予定のないお金は、運用して増やしていくことも検討しましょう。
とくにNISAやiDeCoは、運用益が非課税になるなど多くのメリットがあるため、将来的な資産形成に適しています。
なお、勤めている会社で企業型確定拠出年金などの制度が利用できる場合は、制度を最大限利用して退職後のために積み立てを行うこともおすすめです。

ひとり親が利用できる公的支援制度

離婚後ひとり親として子供を育てていく場合には、さまざまな公的支援制度を受けることができます。ここではその一部をご紹介します。
児童扶養手当
ひとり親が受け取れる公的支援制度の一つが児童扶養手当です。
以下の条件にあてはまる子どもを養育している場合に受給できます。
・18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子ども
・20歳未満の障害のある子ども
支給金額は収入や子どもの人数などによって異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認しましょう。
ひとり親家族等医療費助成制度
「ひとり親家族等医療費助成制度」は、ひとり親家庭の医療費の一部を自治体が助成する制度です。
この制度は子どもだけでなく、養育する親の医療費も助成の対象です。
詳しい助成内容については、お住まいの自治体にご確認ください。
母子父子寡婦福祉資金貸付制度
20歳未満の児童を扶養しているひとり親家庭の親を対象に、資金の貸し付けをおこなう制度です。資金の種類や連帯保証人の有無によっては無利子で借りることができます。
貸付金の種類は以下の12種類です。
事業開始資金/事業継続資金/修学資金/技能習得資金/修業資金/就職支度資金/医療介護資金/生活資金/住宅資金/転宅資金/就学支度資金/結婚資金
住宅支援や教育費助成
ひとり親世帯を対象に、住宅支援や子供の教育費助成制度が用意されている場合があります。
離婚後に新たな住居を探す場合、自治体の住宅支援制度を利用することで、家賃補助や公営住宅の優先入居が受けられる可能性があります。
また、自治体によっては、給食費補助や学用品費の一部を援助してくれる場合もあるので、一度確認してみましょう。
自立支援教育訓練給付金
母子(父子)家庭で、20歳未満の子どもを扶養している人が、対象となる講座を受講して修了した場合に、かかった費用の一部を受給できる制度です。
対象者の要件は以下の通りです。
・自立に向けた計画(母子・父子自立支援プログラム)の策定等を受けている者
・就業経験、スキル、取得資格の状況などを考慮し、適職に就くために教育訓練受講が必要であると認められること
この制度以外にも、自治体やハローワークでは、さまざまな就職支援をおこなっています。
また、キャリアカウンセリングを受けることで、適性に合った職業の選択肢を増やすことも可能です。再就職に向けたサポートも受けられるため、積極的に利用しましょう。
まとめ

離婚後のお金の不安は適切な対策を取ることで軽減することができます。
本記事で紹介した公的支援制度や資産形成方法などを利用し、離婚後も安定した生活基盤を築いていきましょう。
離婚によるお金の悩みがある方は、お気軽にFPオフィスあしたばにご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【あしたばライター:藤元綾子】
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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