この記事は、そんな疑問・ニーズにお答えする内容です。
※この記事は会社員・公務員(公的年金第2号被保険者)向けのものですのでご留意ください。
病気や老齢、死亡、出産、怪我、失業、介護、貧困などに対して、国と地方公共団体が保障を行う社会保障制度があります。
その社会保障制度の一つが「社会保険制度」であり、主な柱は年金・医療・介護です。
民間保険とは異なり、社会保険の対象は全国民、保険料の支払いは義務化されています。
その保険料がどのように決まって、皆さんの給与から引かれているのかを解説し、その上でどのような点に注意すべきかを解説します。
・社会保険料とは?
・社会保険料の決まり方
・注意点①過度に民間保険に加入していないか
・注意点②残業によって社会保険料を払い過ぎていないか
・ボーナスからも社会保険料は引かれる?
社会保険料とは?
社会保険料は以下から成り立ちます。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料
- 雇用保険料
- 労災保険料
健康保険料、厚生年金保険料および介護保険料は、後述する「標準報酬月額」で決まり、事業主と従業員で保険料を折半します。
雇用保険料は、事業の種類によって負担割合が決まっていますが、事業主が多く支払う仕組みになっています。
労災保険料は事業主の全額負担ですので、決まり方は省略します。
この記事では、基本的な社会保険の内容は省きますので、是非こちらの記事もチェックしてみてください。
社会保険料の決まり方
健康保険料及び厚生年金保険料、介護保険料
- 4月から6月の「平均報酬額(給与や通勤費等の合計額)」を計算
- 平均報酬額をもとに「標準報酬月額」を計算
- 標準報酬月額を保険料額表にあてはめ保険料を算出
毎年7月に決まり、9月から翌年8月まで適用されます。
報酬によって等級が分かれ、その等級によって社会保険料を算出します。
社会保険料決定は7月ですが、保険料額表は3月分(4月納付分)に改定する場合があります。
参考:全国健康保険協会「令和6年3月分(4月納付分)からの保険料額表 埼玉県」
健康保険料はご自身が加入されている健康保険組合によって保険料額表が異なり、都道府県ごとに保険料額表が分かれている場合もありますのでご注意ください。
雇用保険料
毎月の給与総額に雇用保険料率をかけて算出します。
前述のとおり、雇用保険料率は事業の種類によって異なります。
失業リスクの高い業種は保険料を高くする必要があるため、業種によって保険料率が設定されています。
なお、健康保険料及び厚生年金保険料、介護保険料は、特段改定がなければ年間を通して同じですが、雇用保険料は毎月変動します。
注意点① 過度に民間保険に加入していないか
ここからは、会社員・公務員の社会保険について特に注意していただきたいことを解説します。
1つ目は、民間保険の加入にあたっての注意点です。
社会保険では様々な保障が準備されています。その社会保険の補填として、民間保険は加入すべきです。
社会保険をしっかりと理解することで民間保険に加入しすぎるということを防げますので、是非参考にしてください。
遺族年金
厚生年金保険に加入されている被保険者、もしくはその受給資格を満たしている人が死亡した場合、その人によって生計を維持されていた人に支給されます。
民間の生命保険(死亡保険)への加入を検討する場合は、遺族年金がいくら貰えるのか事前に確認した上で、必要な保障額を算出することをお勧めします。
参考:日本年金機構「遺族年金」
高額療養費制度
健康保険の被保険者の医療費が同一月で高額になった場合、限度額を超えた分について払い戻しを受けられる制度です。
払い戻し制度なので立替払いが発生しますが、限度額適用認定証を医療機関に提出することで一時的な負担を避けることができます。
限度額は全員同額ではなく、所得によって決まります。
医療保険やがん保険への加入を検討する場合は、ご自身の限度額をチェックして判断材料にすると良いでしょう。
傷病手当金
健康保険の被保険者が、業務外の病気や怪我で働けなくなった場合に受給できる給付金です。
3日連続して休業していることが要件で、休業4日目から支給となります。支給額は給与額の約2/3です。
傷病手当金の給付期間が1年6ヶ月を超えても治らない場合は、症状が固定しているとされ、障害年金の申請ができます。
働けなくなった場合、社会保険でもある程度はカバーされますので、民間の就業不能保険に加入する場合は参考にしてみてください。
なお、社会保険の保障内容を把握することで、新たに保険に加入する時だけではなく、現在加入している保険の見直しにも繋がります。
ぜひ一度、既存の保険をチェックしてみましょう!
注意点② 残業によって社会保険料がアップしていないか
残業手当も通勤手当も平均報酬額にカウントされる
前述のとおり、4月から6月の平均報酬額をもとに社会保険料は決まります。
この平均報酬額の対象となる賃金は基本給以外に、退職手当を除いた諸手当が含まれます。
ここに含まれる諸手当の内、特に注意したいのが残業手当です。
4月から6月にたくさん残業をした場合、9月からの社会保険料が高くなります。
4月に人事異動、5月は連休があることで、4月から6月に残業が集中する方も多いのではないでしょうか。
この期間に残業時間が多くなってしまう方は、是非見直してみてください。
また、所得税では非課税である「通勤手当」も対象となります。
ボーナス(賞与)からも社会保険料は引かれる?
結論から言うと、ボーナス(賞与)からも社会保険料は引かれます。
なぜボーナスからも引かれるのだと思うかもしれませんが、これには理由があります。
もし、ボーナスから引かれないと、毎月の給料を減らして保険料を抑えることができてしまいます。
つまり、保険料を確実に徴収するために、ボーナスからも社会保険料を引く必要があるのです。
しかし、雇用保険料以外の計算方法が若干異なります。
標準賞与額 × 保険料率 × 1/2
※標準賞与額は、所得税控除前ボーナス支給額1,000円未満を切り捨てた額
ボーナスからの社会保険料も事業主と折半です。
保険料率は、あらかじめ設定(保険料額表に記載)されているため、残業時間が影響してくるわけではありません。
ボーナスが年4回以上ある場合、7月の社会保険料算定の対象となりますのでご注意ください。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
社会保険料の決まり方と陥りやすい事例について解説してきました。
社会保険制度では様々な給付金があります。
しかし、そのほとんどが自ら申請しなければ給付されません。
給付が必要なときは自分から行動しなければならないのが社会保険制度ですので、どんな時に給付金が支給されるのか、いくら支給されるのか予め把握しておきましょう。
それによって、前述の過度に民間保険に加入してしまうことを防ぐことができます。
制度をしっかりと理解し、必要なときは最大限活用していきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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