「個人向け国債って何?」
「10年は3年・5年と何が違うの?」
この記事は、そんな疑問がある方向けの内容です。
資産形成の1つの選択肢に個人向け国債があります。低リスクなのがメリットと言われますが、変動金利である、個人向け国債の変動10年も低リスクなのでしょうか?
確かに、個人向け国債の変動10年は高金利ではないですし、金利が下がる可能性もあります。では、どのような場合に選べばよい商品なのでしょう?
この記事では、個人向け国債の変動10年について、メリット・デメリットや購入に適した時期と注意すべき時期について解説します。
個人向け国債とは
個人向け国債とは、国が発行する債券である「国債」の中で、個人のみが購入できる国債のことです。
そもそも債券とは、国や企業などがお金を借りる際に発行する借用書のようなもので、債券を購入した人は、一定期間お金を貸す代わりに、利子を受け取ったり、額面金額より低い額で債券を購入できたりします。
個人向け国債は、国が個人からお金を借りる代わりに発行する債券で、お金を返済する償還期間が3年・5年・10年の3商品があります。
金利は2022年時点で1%未満と高くありませんが、国が発行している信頼感や元本割れがない安心感などから、リスクの低い商品として知られています。
個人向け国債の基本的特徴
- 国が発行する
- 元本割れなし
- 1万円から購入可能
- 中途換金可能
- 年率0.05%の最低金利保証
- 年12回発行
- 利払いは6カ月ごと
国債の利率は基準金利がベースになる
国債の利率は、国が設定する「基準金利」をベースに計算されます。基準金利は毎月変動するため、国債の利率も毎月発行されるごとに変動します。
個人向け国債の種類と特徴
個人向け国債3年・5年・10年の大きな違いは、3年と5年が固定金利で、10年が変動金利の点です。固定金利の2商品は、購入時に設定されている利率が償還期間満了まで継続しますが、10年は毎年1月と7月に利率が変動します。
また、利率の計算方法においても、3年と5年は計算式に使われる数字が異なるだけですが、10年は計算式から異なってきます。
個人向け国債固定3年
個人向け国債固定3年の主な特徴は下記のとおりです。
- 償還期間:3年
- 金利種別:固定
- 適用利率:基準金利-0.03%
- 最低保証金利:0.05%
- 利払い期間:6カ月ごと
- 購入単位:額面1万円単位
購入時の利率が3年間継続される固定金利の債券で、適用される利率は「基準金利」から0.03%を引いた額となっています。ただ、0.05%の最低保証金利が設定されており、発行時の基準金利が0.05%未満の場合でも金利は0.05%となります。
個人向け国債固定3年の毎月の発行条件はこちら
個人向け国債固定5年
個人向け国債固定5年の主な特徴は下記のとおりです。
- 償還期間:5年
- 金利種別:固定
- 適用利率:基準金利-0.05%
- 最低保証金利:0.05%
- 利払い期間:6カ月ごと
- 購入単位:額面1万円単位
固定5年の特徴は基本的に固定3年と同様ですが、適用利率が0.02%低くなっています。ただ、最低保証金利0.05%は同様のため、基準金利が0.05%未満の場合は固定3年と同様の利率となります。
個人向け国債固定5年の発行条件はこちら
個人向け国債変動10年
個人向け国債変動10年の主な特徴は下記のとおりです。
- 償還期間:10年
- 金利種別:変動
- 適用利率:基準金利×0.66%
- 最低保証金利:0.05%
- 利払い期間:6カ月ごと
- 購入単位:額面1万円単位
変動10年は、固定3年・5年と異なり、金利が年2回変動します。変動する日は、1月16日からと7月16日からで、それぞれ1カ月前の12月と6月に金利が決定されます。
また、金利の計算式も異なり「基準金利×0.66」が適用されます。ただ、最低保証金利0.05%は同様であるため、基準金利が0.05%未満の場合は0.05%となります。
個人向け国債変動10年の発行条件はこちら
個人向け国債変動10年のメリット
個人向け国債変動10年の一番のメリットは、基準金利が上がった場合に金利も上がっていく点です。固定3年と5年は購入時の金利で固定されますが、変動10年は毎年2回見直しが入ります。
この特徴は、特に基準金利が低いときに効果を発揮します。例えば、令和4年2月に発行された際の金利を見てみましょう。
令和4年2月に発行された国債の利率
- 固定3年:0.05%(基準金利 -0.04%)
- 固定5年:0.05%(基準金利 0.00%)
- 変動10年:0.11%(基準金利 0.17%)
固定3年と5年は基準金利が0.05%を下回っているため、最低保証金利の0.05%となっています。一方で変動10年は0.11%です。
固定3年と5年は購入時の金利が満期まで続くため、この後も0.05%から上がることはありません。一方で、変動10年は6カ月ごとに変動し、上がる可能性もあります。また、下がったとしても最低保証金利の0.05を下回ることはありません。
そのため、固定3年と5年の金利が最低保証金利のように極めて低い場合は、上がる可能性があり、下回る可能性の無い変動10年を購入した方がよいと言えます。
「個人向け国債変動10年」のデメリット
個人向け国債変動10年のデメリットは、メリットの真逆で基準金利が下がる可能性がある点です。また、購入を注意したほうが良い時期もメリットの真逆で、固定3年と5年の金利が高いときには、固定3年と5年を購入した方が良い結果になるケースもあります。
例えば、変動10年を金利0.5%のときに購入したとして、同時期の固定5年の金利が0.3%だったとします。購入時点では変動10年の方が金利が高いですが、その後変動10年の金利が下がって0.3%未満になる可能性もあります。一方で、固定5年は購入時の金利が継続されるため、満期まで0.3%のままです。
金利は社会情勢や経済状況などによって変動するため、簡単に予測できるものではありません。金利の変動が不安な方は、無理せず固定3年か5年を選ぶのも手です。
「個人向け国債変動10年」は固定3年・5年と比較して選ぼう
個人向け国債変動10年は、これから金利が上がる可能性を持っていると同時に、金利が下がってしまうリスクも持っている商品です。
住宅ローンの固定と変動に近いイメージですが、償還期間終了まで保有する場合、総合的にどちらのほうが得をしそうかを考えて購入する必要があります。
また、固定3年と5年は金利が変わらない性質から、資産の保護を目的とする貯蓄性の商品としても購入できますが、変動10年はその性質は低く、より投資的な意味合いが強くなっています。
大切なのは、購入検討時におけるそれぞれの金利で、固定3年と5年の金利が低いほど、変動10年が強みを持つことになります。
もし資産形成の一環として国債の購入を検討する場合は、金融商品の知識を持ったFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのもおすすめ。弊社「あしたば」でも、皆様が理解しやすいように丁寧に解説します。
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