マイナンバーカードが健康保険証として利用できるって本当?
「マイナ保険証」ってなに?
マイナ保険証を利用するにはどうすればいい?
今回はこんな疑問をお持ちの方向けの記事です。
2021年10月より、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになりました。
ニュースや新聞などでマイナ保険証という言葉を耳にした人も多いでしょう。
しかし、制度の内容や利用するメリットをきちんと把握しているでしょうか。
この記事では、マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットや利用申込方法を中心に解説します。
より便利な健康保険証として、マイナ保険証の利用をぜひ検討してみましょう。
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マイナンバーカードについておさらい
マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について解説する前に、まずはマイナンバー(カード)そのものについてご紹介します。
マイナンバーは、以下の3点を目的として運用されている制度です。
①公平・公正な社会の実現
所得や各行政サービスの受給状態を把握し、不正給付を防いだ上で本当に困っている人への支援がしやすくなります。
②行政の効率化
行政機関や地方公共団体などで、さまざまな情報の照会・転記・入力にかかる時間が大幅に短くなり、行政における作業の手間や量が大きく削減されます。
③国民の利便性の向上
添付書類を省略できたりと行政における手続きが簡単になり、また行政サービスのお知らせなどを受け取ったりできるようになるため、結果として私たち国民がより便利に行政サービスを利用できるようになります。
つまり、マイナンバー(個人番号)制度は、「行政をさらに効率化して私たちの暮らしの利便性を高め、ゆくゆくは公平で公正な社会を作るための基盤」と言うことができます。
そして、上記の理念の実現のために、住民票を持つ全ての人がそれぞれ異なる番号を1つずつ持っており、これをマイナンバー(個人番号)と言います。
マイナンバー(個人番号)は12桁で、お住まいの市町村から送られてくる個人番号通知書で確認できます。
また、この番号が書かれたカードがマイナンバーカードです。
マイナンバー(個人番号)は住民票を持つ全ての人が持っているものの、マイナンバーカードは申請しなければもらえません。
そのため、マイナンバーカードが必要な場合は別途自分自身で申請する必要がある点は必ず覚えておきましょう。
なお、マイナンバーカードはプラスチック製のカードで、カードの表面には本人の氏名・顔写真・住所・性別が記載されているため、本人確認書類として利用できます。
カードの裏面にはマイナンバー(個人番号)が記載されており、税・社会保障など法令で定められた手続きを行う際の番号確認時に利用可能です。
マイナンバー(個人番号)とマイナンバーカードを混同している人も多く、まずはそれぞれの特徴や違いについて改めて確認しておくと良いでしょう。
マイナンバー(個人番号)とマイナンバーカードの違いについての詳細は、こちらでご確認ください。
マイナ保険証を利用するメリット
手元のマイナンバーカードに健康保険証としての機能が加わったものをマイナ保険証といいます。
※マイナ保険証として新たにカードが発行されるのではなく、申請して健康保険証としての機能を付け加えるとイメージするとよりわかりやすいでしょう。
マイナ保険証は、以下のステッカーやポスターを掲示している医療機関で利用できます。
(※厚生労働省HPより)
では、マイナンバーカードを健康保険証として利用することでどのようなメリットがあるのか以下で確認しましょう。
データに基づく診療・薬の処方が受けられる
過去の薬の情報や特定の健診データが自動で連携されるため、口頭で説明する必要がありません。
服薬している(していた)内容が全て記録され、患者本人が薬の内容を覚えておく必要がなく、また医師や薬剤師も過去の薬の情報を正確に把握することができます。
また、自分の体調についてのデータを見た上で診察・薬を処方してもらえるため、より良い医療が受けられるという点も大きなメリットと言えるでしょう。
これは、問診などでは把握しきれない過去の医療データを確認し、診察・治療に活かすことできるため、おのずと医療の質も上がるという仕組みです。
なお、マイナ保険証を持っていれば旅先や災害時でも薬の情報が連携できます。
特に災害時など、普段とは違う状況下での受診や治療の際には、薬などのデータがあるだけでも診察・治療内容に大きな差が生じます。
自分自身の医療データを正確に記録するためにも、マイナ保険証は非常に有効な手段といえますね。
確定申告が楽になる
医療費の領収証を管理しなくても、マイナポータルで医療費通知情報を管理することができるようになります。
これまでは、医療費控除の申告のために、膨大な量の領収証を管理していたという人も少なくないでしょう。
マイナ保険証を利用すると、マイナポータル上で医療費情報が簡単に管理できるため、かかった医療費を管理する手間を大幅に省くことができます。
マイナポータルとは、政府が運営するオンラインサービスのことで、各種行政手続きがワンストップで利用できます。
さらにマイナポータル上で外部サイトへの連携機能を利用すると、e-TAX(国税の納税・申告に関連するオンラインサービス)に情報連携でき、確定申告がオンラインで完結します。
確定申告で医療費控除を利用している人は、マイナ保険証を利用すると大きなメリットがあるといえますね。
マイナンバーカードを利用できる医療機関窓口で、限度額以上の一時支払いの手続きが不要になる
同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合に、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分があとから払い戻される制度を高額療養費制度と言います。
医療費の自己負担額を抑えることができて非常にありがたい制度ですが、あとから払い戻されるとはいえ医療費の一時的な支払いは大きな負担になるでしょう。
医療機関を受診する人の中には、医療費が高額になることが事前にわかっていることもあり、その場合は限度額適用認定証を提示することで窓口での支払いを自己負担限度額までにすることができます。
ただし、この限度額認定証は事前申請が必要で、申請から発行まで約1週間かかります。
そんなときは、マイナ保険証を利用することで限度額適用認定証がなくても高額療養費制度における限度額を超える支払いが免除されます。
つまり、事前に手続きをしなくても限度額以上の一時負担が発生しないため、長期での療養を予定している人などは積極的に利用すると良いでしょう。
マイナ保険証の申込み方法
最後にマイナ保険証の申し込み方法を解説します。
繰り返しになりますが、マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには健康保険証利用の申込が必要です。(生涯で1度のみ)
マイナ保険証の申込方法にはいくつか方法があり、マイナポータルかセブン銀行のATM、さらに顔認証付カードリーダーを導入している医療機関や薬局で申し込むことができます。
マイナポータルを利用する場合はパソコンやスマホから申し込むことができるため、時間や場所を問わずに申請が可能です。
なお、マイナポータルを利用した申し込みには下記の3つが必要です。
- 申込者のマイナンバーカード
- 暗証番号(4桁)
- スマートフォンもしくはパソコン+ICカードリーダー
また、セブンイレブンにあるセブン銀行ATMからでも手続きが可能です。
セブン銀行のATMからであれば、マイナンバーカードと暗証番号(4桁)があれば手続きができるため、日ごろの買い物のついでに利用申請しておくと便利でしょう。
セブン銀行ATMからの申込方法については、こちらをご確認ください。
(※もちろん、申し込みは無料です)
まとめ
マイナポイントが話題になるなど、何かと話題になることが多いのがマイナンバーカード。
マイナンバーカードがあれば、コンビニで住民票が割安な値段で取得でき、2021年10月から(利用申請を行った上で)健康保険証としても使えるようになりました。
厚生労働省のHPによると、2021年11月14日時点でのマイナンバーカードの保険証利用登録件数は5,888,505人と掲載されており、国民の約5%が早速申請を済ませたことになります。
マイナ保険証を利用するメリットはいくつもあり、特に薬や体の状況がデータで管理され、旅先や災害時でも活用できるというのは非常に大きなメリットといえそうです。
ただし、マイナンバーカードの管理はより一層気を付けなければなりません。
ますます便利になるマイナンバーカード。
この機会に健康保険証としての機能を追加してみてはいかがでしょうか。
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