「入社した時に入った持株会、今はいくらになっているんだろう?」
「現金化したいけど、手順がよくわからない…」
そのような疑問をお持ちの方向けに、今回の記事では持株会(持ち株会、持株制度)についての基礎知識や、売却の手順を解説します。
※持株会には「従業員持株会」、「役員持株会」、「取引先持株会」などがありますが、この記事は主に「従業員持株会」および「従業員持株制度」についての解説です。
持株会のメリット・デメリット

持株会とは、会社(子会社を含む)の従業員が株式の取得を目的として運営する組織です。
持株制度は、給与や賞与から一定の額を天引きし株式を購入できる制度であり、福利厚生の一環として導入されているケースが多いです。
持株会を利用するメリット
会社からの奨励金が支給されるケースが多く実際の支払額以上の株式が取得できることや、長期の資産形成に役立つことが挙げられます。
持株会を利用するデメリット
株主優待が受けられないことや、売却したいと思ってから現金化するまでに時間がかかることが挙げられます。
資産状況の確認方法

これまで積み立てた株数はどれくらいか、資産状況はどうなっているかは、年に2回配布される「投資等報告書」(名称は持株会によって異なります)を確認しましょう。
持株会によっては報告書の配布がなく、内容の照会にWebサービスを利用している場合もあるので、わからない場合は会社の人事担当者へ問い合わせてみましょう。
持株会で買った株を売却する方法を5STEPで解説!

持株会で取得した株式は、そのままでは売却できません。
持株会から本人名義の証券口座に振り替える必要があります。
ここからは、売却する手順を5STEPで解説します。
SETP①証券口座を開設する
持株会の株式を引き出すには、持株会指定の証券口座が必要になります。
証券口座ならどこでもいい、というわけではありません。
もし指定の証券会社に口座を持っていなければ、まずは口座の開設を行いましょう。
STEP②持株会から証券口座へ株式を引き出す
口座を開設したら、持株会から証券口座へ株式の引き出し(振り替え)を行います。
持株会を通じて、引き出す口数を指定しての引き出しとなります。
1単元の株数は銘柄(会社)によって異なりますが、例えば1単元が100株だとしたら、最低100株から、100株ごとの引き出しといった具合です。
持っている株数が120株だとしたら、引き出せるのは100株までとなります。
持株制度では少額から株式が買える半面、積立額によってはなかなか1単元に満たない、ということもよくあるので、実際に売却できる株数を確認しておきましょう。
STEP③売却予定の報告書を会社へ提出する
会社によって規定は異なりますが、持株会の株式の売却にあたり報告書の提出が義務付けられていることが多いです。
売却はその書類提出後〇日以内に行う、その日数を過ぎたら書類を再提出するなど、厳密なルールが設けられていることが多いため、内容をしっかりと確認しましょう。
STEP④売り注文を出す
ここまできちんと手続きを踏んだら、ようやく売却となります。
株式の売却方法は指値注文と成行注文の2種類です。
指値注文とは
売買の価格を指定して注文する方法です。
株式を売る場合は、指定する価格より高い値段の買い注文があった時に約定できます。
よって、買い注文が入らず約定できない場合もありますが、予定外に安い金額で売ってしまった、というリスクを避けることができます。
成行注文とは
売買の時に値段を指定せずに注文する方法です。
株式を売る場合は、その時一番高く買い注文をしていた人と売買が成立します。
成行注文は指値注文よりも優先的に売買が成立するため、取引が成立しやすいというメリットがある半面、相場の変動によって予想外に安く売れてしまう、などといったリスクが発生する恐れもあります。
STEP⑤代金が口座に振り込まれる
売却代金は登録した口座へ、原則売却が成立した日を含めて3営業日目に振り込まれます。
売却後は改めて売却完了の報告書を会社へ提出しなければならないこともあるので「売却して安心して忘れていた」ということがないよう気を付けましょう。
持株会に関するよくある質問

最後に、持株会に関するよくある質問にお答えします。
持株会の株を売却したら税金はかかる?
持株会の株も売却で利益が出た場合、その譲渡益に20.315%の税金がかかります。
「特定口座・源泉徴収あり」では、証券会社の源泉徴収のみで課税が完了し、確定申告の手間が省けます。
特別な事情がない限り「特定口座・源泉徴収あり」の口座を開設しておくのがオススメです。
持株会の株の売却にかかる日数は?
証券口座の開設から行うとなると、数週間から1ヶ月かかる場合が多いです。
「株価が上昇しているから早く売りたい!」と思っていても、手続きの最中に株価が下がってしまうこともあるでしょう。
持株会の株の売却を検討している場合は、証券口座の開設や規定の確認を早めに進めておきましょう。
持株会の株の売却はインサイダー取引にならない?
インサイダー取引とは、会社の内部者や関係者が未公開情報を利用して株式などの売買を行い、不正に利益を得る行為です。
違反した場合は、刑事罰や課徴金の対象になります。
まとめ:口座開設や社内規定の確認、事前に準備をしておきましょう

今回は、持株会の自社株を売却する方法について解説しました。
持株の現金化、意外と手続きが多いな…時間がかかるな…という印象を抱いた方も多いのではないかと思います。
持株会自体は長期資産形成向きの制度ですし、思い立って現金化する、という機会はそう多くないでしょう。
しかし、いざというときのために、指定の証券口座の開設や社内規定の確認等は進めておいて損はないと思います。
手続きに不安のある方は、ぜひ私たちあしたばにご相談ください!
持株会のほかに、NISAやiDeCoを活用した長期的な資産形成についてのご相談も承っております。
下のボタンから、お気軽にお問い合わせくださいね。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からNISA・ジュニアNISAやiDeCo/イデコ・企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なNISAやiDeCoの活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
大好評の「無料オンラインセミナー」も随時開催中!
↓↓↓弊社推奨の「低コストiDeCo加入窓口」はこちら↓↓↓
