(この記事は2020年7月26日に執筆しました。)
「投資・運用を始めようと思うけど、ロボアドってどうなの?」
「お金のことを相談するなら、やっぱりFP(ファイナンシャルプランナー)?」
今回は、そんな疑問にお答えする内容です。
昨今は「フィンテック*」が急速に普及しているため、一般生活者の方が投資・運用を始めるときなど、相談する先・アドバイスを求める先として様々な選択肢が登場しています。
※フィンテックは、FinanceとTechnologyを組み合わせた造語で、「IT技術を活用した金融サービス・金融商品」のことです。
一般生活者に対してお金に関するアドバイスをする私たちにも「ロボアドはどうなの?」というご質問をいただく機会が多いので、そのテーマで記事にしてみました。
ロボアドとFPの違い・可能性について、ぜひ一緒に考えてみていただければと思います!
「ロボアド」の普及率
資産運用をコンピューターに任せることができる、ロボアドバイザー。
略して「ロボアド」と言われます。
投資・運用にご興味のある方はきっと聞いたことがあるかと思いますし、実際に利用された方もいらっしゃると思います。
そのロボアド。どれくらい普及しているのでしょうか?
現時点では、そこまで普及していない
日経マネーが2019年4月に一般生活者向けで行った調査によると、ロボアドの利用率は【13.4%】でした。
QUICK資産運用研究所が2017年12月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」でも、
「資産運用を誰に相談したいですか?」という設問で「ロボアド」と答えた割合は、全体で【約7%】だったようです。
対面相談のニーズは根強くある
その反面、FP等の金融アドバイザーに対面相談したいというニーズは根強くあるように感じます。
日本FP協会が2018年10月に実施した「世代別比較 くらしとお金に関する調査」によると、
「人生100年時代に備えて、ファイナンシャル・プランナーなどのお金の専門家に、ライフプランの作成に際して相談したいことがあるか」
という設問に対し、全体で【60.6%】が「相談したいことがある」と答えています。
これらの調査結果から分かることは、
ロボアドはもちろん、ネット証券や家計管理アプリなど、様々な「フィンテック」が登場しても、
「人の手を借りなくても自分でできる」という人はまだまだ少数派で、「誰かに相談したい」というニーズをお持ちの方が多数派であると言えそうです。
(ちなみに、前述のQUICK資産運用研究所の調査の「資産運用を誰に相談したいですか?」という設問でも、
「誰にも相談しない」は全体で【約40%】だったようです。)
「フィンテック×FP(金融アドバイザー)」サービスの登場
こうした調査結果はかなり実情を反映しているとみられ、フィンテックを推進してきた金融機関・金融サービス事業者も多くの課題を抱えているようです。
例えば、
- 家計簿アプリなどフィンテックはある程度使いこなすことができ、お金のこと全般に興味はあるが、「投資」となると二の足を踏んでしまう。
- 「投資を始めよう!」とネット証券にアクセスしても、用語の難しさやマイナンバーの提出など手続きの煩雑さが原因で、結局口座開設までたどり着かない。
- 口座開設まではたどり着いても、最終的に「資金を口座に入金して、特定の商品(銘柄)に投資する」という“一歩”が踏み出せない。
- ようやくスタートできた人でも、投資金額は総資産や総収入の10%に満たないケースが多く、効率的な資産運用ができる水準には届かない。
などなど。
「投資・運用」は最初の一歩を踏み出すまでが非常にハードルが高く、始めることができてもそれが十分な内容でなかったり、始めた後に継続することも難しい。
そんな特徴が見事に表れています。
こうした課題を解決するためには、やはり「人」によるサポートが必要!
ということで、フィンテックが世に広まったことにより、改めて「人」の重要性が再認識されてきました。
フィンテックを推進してきた金融機関・金融サービス事業者が、FPなど、「対面サービス」を提供する専門家の活用(社内育成・外部連携)を模索しています。
いくつか事例を見ておきましょう。
KDDIアセットマネジメント
KDDIアセットマネジメントさんはKDDIグループが設立した運用会社で、iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託・保険、「au WALLET」というスマホ決済を通じたサービスを提供しています。
同社でも、前述のような「投資はしてみたいけど、手続きの煩雑さなどから始められない」という潜在的なニーズを問題点として抱えていたようで、自社内でFPを養成して無料相談サービスを開始しました。
auの店頭やコールセンター、アプリなどを経由してauユーザーが「お金の相談をしたい」と希望すれば、同社のFPが相談にのってくれるサービスです。
当初は社内でFPを養成していく方針だったようですが、2019年10月に株式会社FPパートナーとの合弁で「auフィナンシャルパートナー株式会社」を設立。
全国に90拠点を構え、約1,500人のFPを擁するFPパートナーさんと提携することで、
前述のauユーザーに対する「フィンテック×対面サービス」を強化する方針に転換したもようです。
400F(フォーハンドレッドエフ)
400Fさんの元々の親会社は、ロボアド「THEO(テオ)」を提供しているお金のデザインさん。
一度は聞いたことがあるという方も多いかもしれませんね。
知名度のあるTHEOでも、登録者が8万人ほどいる中で実際に投資を始める人は【50%程度】という課題を抱えているようです。
そこで子会社に400Fさんを設立し、2018年11月から「お金の健康診断」というFPとのマッチングサービスを提供し始めたのです。
「お金の健康診断」では、ウェブサイトにきた人は20問程度の質問にチャット式で答えていきます。
それを完了するとすぐにFPとマッチングされ、希望者はFPとチャットで会話ができるようになっています。
登録FPは、事業スタートから1年で400名を突破し、まだまだ増え続けているとのこと。
ちょうど今年7月にはMBOでお金のデザイングループから独立し、更に成長スピードを加速させていかれるようです。
社長の中村氏の方針は「優れたFPを発見しやすくしたい。登録FPをもっと増やして、いろいろな属性の、いろいろな個性の方を増やしたい。」とのこと。
私たち「あしたば」もお世話になっているフィンテック企業なので、今後の成長が楽しみです!
やはり、金融サービスの利用に「人」のサポートは欠かせない
上記のように、フィンテック企業が自社でFPを増やすよりも、外部との提携・マッチングにより対面サービスを強化する動きが多くみられます。
これからますます便利な金融サービスが登場してくるはずですが、最終的にそれらを利用するのは「人」。
人には「面白そう」「めんどくさい」「なんとなく不安」といった感情や、行動特性があり、
テクノロジーだけであらゆる課題を解決するのはなかなか難しいのかもしれません。
やはり多くの一般生活者にとっては、
お金の不安を解消し、将来への資産づくり・資産運用を実践していくうえで、「人」のサービスを活用することが欠かせないといえるでしょう。
利便性とコスト面で秀でたフィンテックを活用しつつ、「お金に関する相談」は対面サービスをフル活用していく。
そんな“ハイブリッド”な金融サービスの活用法が、これからのスタンダードになっていくのではないでしょうか。
(アメリカの調査結果でも、ハイブリッドに活用しているケースが多いようです。)
ぜひ、いろいろな金融サービスを試して「自分にあう活用法」を見つけてくださいね。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、つみたてNISAやiDeCo/イデコ、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的な・つみたてNISA・iDeCo等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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