NISA

そもそも「NISA(一般NISA)」って何?

「NISA(ニーサ)がお得と聞いたけど、そもそもどんな制度なの?」

「NISAとつみたてNISAって、別物?」

この記事では、そんな疑問にお答えします。

「NISA」(少額投資非課税制度)とは、一般生活者に投資のすそ野を広げ、資産運用・資産形成を後押しする目的で2014年からスタートした制度です。

英国のISAという制度をモデルとしているため、日本の”N”をつけてNISAと呼ばれています。

これまでは、投資初心者の方向けに「つみたてNISA」のメリット・デメリット・始め方等をお伝えしてきましたが、今回は母体である「NISA(一般NISA)」について詳しくお伝えしていきます。

※これ以降、つみたてNISAと区別して「一般NISA」と表記します。

※つみたてNISAについて確認したい方は、こちら↓の記事をご覧ください。

そもそも「つみたてNISA」って何?そもそも、つみたてNISAとは? できるだけ分かりやすく「基本のき」をご説明します。...

(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)

一般NISAのポイント

一般NISA制度イメージ図

(出所:金融庁)

  1. 証券会社や銀行等で専用口座を開設し、決められた期間・金額の範囲内で投資をします。
  2. 投資で得られた「値上がりによる利益」「配当金・分配金」非課税になります。(本来、投資で増えた分は約20%の税金がかかります。)
  3. 非課税となる期間は5年間
  4. 限度額は年間120万円まで(2015年までは年間100万円)
  5. 上図のとおり1年毎に非課税枠が付与されるので、総額600万円まで枠を利用することができます。

NISA(一般NISA)の対象者は?

日本に住む20歳以上の方であれば、原則*だれでも加入することができます。

※同一年内で「つみたてNISA」と併用することはできません。詳細はこちら↓の記事をご確認ください。

つみたてNISAのデメリット・注意点つみたてNISA(積み立て版NISA)のデメリット・注意点をお伝えします。一般的な制度説明チラシやネット上の記事など「他では書かれていない視点」も取り入れています。ぜひ、最後までご覧ください。...

非課税期間・限度額について

5年経過したら、解約して現金化しなければいけないの?

いいえ、解約は必須ではありません。

5年の非課税期間が経過した時点でどうするか、次の選択肢から判断することになります。

  1. 課税口座(通常の利益に対して税金がかかる口座)に移して投資・運用を継続する
  2. 解約して現金化する
  3. 終了後の翌年の非課税枠に持ち越す(ロールオーバー)

①が最もポピュラーな選択肢

もちろん②解約も選択肢としてはありますが、大抵は①「課税口座に移して投資・運用を継続する」を選ぶことになります。具体例は以下の通り。

例)投資した100万円の株式が、5年で200万円に増えていた場合

→200万円の価値がある株式を、その時点では税金を払うことなく課税口座に移すことができる。(本来なら増えた分の100万円に対して約20%課税)

そこからは増えたら課税されることになるので、例えばその3年後に250万円に増えて解約したら、50万円×約20%は税金を支払うことになる。

このように、終了後は課税されたとしても「長く保有することで更なる資産価値の成長が望める」ものもたくさんあります。

ぜひ、この選択肢は覚えておきましょう!

③「ロールオーバー」とは

本来であれば、一般NISAは①②の選択肢が原則となりますが、終了の翌年にNISAの制度が継続されたいたら「再度、翌年の非課税枠に移して運用を継続していいですよ」という仕組みです。

例)投資した100万円の株式が、5年で200万円に増えていた場合

→「200万円の価値がある株式を、元本の100万円とみなして翌年の非課税枠に移す」ことができ、再度5年間はどれだけ増えても非課税になる。

ただし、これはあくまでも“終了の翌年にNISAの制度が継続されていたら”の話です。

本記事を執筆した2020年に一般NISAで投資した場合、非課税期間は2024年末に終了しますが、翌年2025年の非課税枠にロールオーバーしようとしても「不可」の可能性があります。

現行の一般NISAは「2023年投資分まで」となっているためです。

でも、ご安心を。

2019年末の税制改正大綱によって、2024年以降も「新NISA」として制度そのものは継続される方針になりました。

とはいえまだ詳細は確定していませんので、ロールオーバーをどのように利用するかは今後の情報収集が欠かせないと言えるでしょう。

※つみたてNISAで①「ロールオーバー」は不可です。

5年経過する前に、途中で解約することはできる?

一般NISAの非課税枠イメージ

(出所:金融庁)

はい、いつでも解約して現金化することが可能です。(上図は極端な例ですが、1ヶ月で解約することもできてしまいます。

ただし、解約した分だけ非課税枠を再利用することはできません。

また、いつもセミナー等でお話ししていることですが、投資で十分な成果を得るためには「長い時間をかけること」が最も重要です。簡単には解約せず、できるだけじっくり長く続けることを強くお勧めします。

1年間で非課税枠を使い切れなかったら、翌年以降に繰り越せる?

いいえ、できません。

NISAはあくまでも「その年毎に非課税枠が付与される仕組み」ですので、翌年に繰り越したり、前年に遡ったりすることはできないルールとなっています。

投資の「やり方」について

「一括」でも「積み立て」でもOK?

はい、大丈夫です。

「一括(スポット)」でも、「積み立て(るいとう)」でも投資することが可能です。

対象商品は?

下記の通りです。

「投資信託」や「個別の株式」など対象は幅広くなっているため、比較的自由に商品を選ぶことができます。

一般NISAで対象と「なる」金融商品と「ならない」金融商品

(出所:金融庁)

このように、一般NISAは「投資のやり方」についてかなり柔軟な仕組みになっています。

上記2点はつみたてNISAとの大きな違いといえるでしょう。

※つみたてNISAや他の制度・商品との比較については、こちら↓の記事をご覧ください。

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「元本割れリスク」はどれくらい?

NISAは少額“投資”非課税制度ですから、どの商品を選んでも一定の「元本割れリスク」あります。

とはいえ、これまでいろいろな記事やセミナーでご説明している通り、長い時間をかけてコツコツと資産を育てる“長期投資”は、ギャンブル的な投資(投機)と全く異なる性質を持っています。

弊社のセミナーやFP相談ではしっかりと「長期投資に必要な基礎知識・判断基準」をお伝えしていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご利用ください。

一般NISAを始める際の窓口は?

窓口となるのは、銀行・証券会社等の金融機関や金融商品仲介業者(IFA)です。

一般NISAを始める時の金融機関等の窓口は、大まかには下記3つに分類されます。

  1. 対面型サポートの金融機関(店舗のある証券・銀行など)
  2. 非対面型サポートの金融機関(ネット証券・銀行など)
  3. 特定の金融機関に属さない仲介業者(いわゆるIFA)※仲介業者を通して金融機関の口座を開設することになります。

各社の金融商品のラインナップや「信頼のおける担当者(アドバイザー)がついてくれるかどうか」という視点もふまえて、窓口を選ぶと良いでしょう。

(弊社は③の仲介業者(IFA)に該当します。)

つみたてNISAの「窓口の選び方」の記事↓もご参考ください。

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まとめ

以上、今回はNISA(一般NISA)の「基本のき」についてご説明しました。

次回は「一般NISAの向いている人・向いていない人」について、それ以降に「一般NISAの注意点」や応用編で「ジュニアNISA」についても取り上げますので、ぜひご覧になってみてくださいね。

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