こんにちは。あしたばの安藤です。
昨日8/5の日本の株式市場は、日経平均をはじめ主要株価指数が軒並み記録的な下落率となって取引を終えました。
「ブラックマンデー超え」といったニュースが飛び交っているため、動揺している方もいらっしゃるかもしれませんね。
まずは心を落ち着かせてください!
こんな状況ですので、前回の株価大幅下落に関する記事を書いてから僅か1週間ほどですが、再度この要因を解説することにしました。
速報的な内容ですので、短めの内容です。ぜひ最後までお読みください。
株価下落の内容確認
まずは前回と同様、実際のデータを確認しましょう。
日本の代表的株式指数の、本日8/5の下落状況
日経平均:前営業日 35,909.70円 → 8/5 31,458.42円(▲12.40%)
TOPIX:前営業日 2,537.60ポイント → 8/5 2227.15ポイント(▲12.23%)
下落幅は日経平均が▲4,451.28円で、TOPIXが▲310.45ポイント。
過去の日経平均の下落幅は、米国株急落から世界同時株安が起きた「ブラックマンデー」翌日の1987年10月20日の▲3,836円が最大でした。
それを上回る下落幅となり、日本経済新聞の号外が発行されるほど歴史的・記録的な相場変動となりました。
ただし、株価指数については、再三お伝えしている通り基本的に「金額・ポイント=変動幅」よりも、「%=変動率」を重視すべきです。
下落率は、ブラックマンデー翌日が▲14.9%で本日が▲12.4%ですから、過去最大ではないという点はご留意ください。
日本の代表的株式指数の、ピーク(最高値)から本日までの下落状況
日経平均:2024/7/11 42,224.02円 → 8/5 31,458.42円(▲25.50%)
TOPIX:2024/7/11 2,929.17ポイント → 8/5 2227.15ポイント(▲23.97%)
下落幅は日経平均が▲10,765.60円で、TOPIXが▲702.02ポイント。
下落率のほうが重要と言いつつも、「たった3週間ほどで日経平均の下落幅が1万円を超えた」というのは、
非常にインパクトのある数字なので、投資家のみなさんに与える影響は少なくないかと思います。
一般的に直近の高値から10%下落すると「調整局面入り」、20%下落すると「弱気相場入り」をしたと言われます。
前回は「調整局面入り」の可能性について言及しましたが、本日の大幅下落により市場でパニック売りも生まれる「弱気相場入り」をしたと考えることもできるでしょう。
株価大幅下落の要因と特徴
では次に、今回の大幅下落の要因と特徴について、ザっと解説します。
要因① 急激な円高
前回の大幅下落時には1米ドル=153円台の為替相場でしたが、日銀が7月31日に利上げを発表すると急速に円高が進み、同日中に一時149円台をつけました。
その後、8月2日(前営業日)に発表された米国の雇用統計が市場予想を下回る結果となり、
米国が「景気後退に陥るリスクが高まった」「利下げに踏み切る可能性が高まった」と判断した投資家が「ドルを売って円を買う」流れが発生。
本日の為替市場では更に円高が進み、1米ドル=141円台をつけました。
前回も解説したように、急速な円高は輸出関連企業などの業績に悪影響を及ぼします。
例えばトヨタなら、対米ドルで1円の円高が進むと年500億円程度の減益要因となるのです。
しかも今回の急騰で、多くの大手企業が想定レートとしてきた「145円程度」という節目を突破したため、
業績予想の下方修正の可能性すら意識される状況に移行したことが、株価大幅下落の要因になっていると考えられます。
要因② 米国の景気後退リスク
前項でもふれましたが、直近の米国の雇用統計は市場予想を下回る結果でした。
具体的には、市場の注目度が高い非農業部門の就業者数は11万4000人増で、市場予想の17万~19万人を下回り、失業率も4.3%と市場予想の4.1%よりも悪い結果に。
なぜこの結果が株安に繋がるのか?それは、米国の雇用統計は景気の善し悪しを占う非常に重要な経済指標と言われてるからです。
簡単に言えば、就業者数の増加傾向が強いと売上増加や賃金上昇に繋がり、それが消費を喚起するなど、景気が良くなります。
反対に就業者数の増加傾向が弱いと、売上減少や賃金低下に繋がり、消費意欲の低下も招いて景気が悪くなります。
世界第1位のGDP(国内総生産)である米国は、その約7割が個人消費であり、後者のような流れでの景気悪化は世界全体にも大きな影響を及ぼします。
そのリスクを示唆する経済指標が発表されれば、将来の経済成長を織り込む性質を持つ株価は下落する傾向があるわけです。
今回の日本株の大幅下落も、少なからず米国雇用統計の影響を受けていると考えられます。
要因③ パニック&システマチック売り
この1週間ほどの株式市場は、冷静さが失われているように感じます。
日経平均の予想変動率を示す「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」は本日午後に一時50台まで急上昇し、2020年のコロナショック以来の高水準となりました。
この指標は「恐怖指数」とも言われ、投資家の心理を映すものとされています。
市場関係者からも「売りが売りを呼んでいる」という声があり、僕も日々相場を見ていますが、これまでの乱高下はあまり経験がなく「パニック状態」の様相です。
更に、ここまで大幅下落すると、意図しない「システマチック」な売りが増加するのも要因と考えられます。
FXで投資したことがある方はご存知だと思いますが、そのような短期トレードをしている投資家は
急激な相場変動時に「追い証」という追加証拠金が発生して「ロスカット」という強制売却となります。
また、一部の金融商品や投資戦略でもロスカットルールを設けて自動的に損切りするケースがあり、
急激な相場変動時はこうした機械的な売りによって、まさに「売りが売りを呼ぶ」事態に繋がる可能性があるのです。
今回の大幅下落は、このようなパニック&システマチック売りという特徴があると言えるでしょう。
おわりに
いかがでしたか?
今回は見通しについて書きませんでしたが、実はこの大暴落を受けて会員のみなさんには「チャンスアラート」をお送りしました。
前回もお伝えしますが、私たちは「短期間で20%超の暴落があれば、追加投資の積極提案を検討する」という明確なルールを設けています。
(5%程度の下落は1~2年に1回程度ですが、20%超となると5~10年に1回程度しか発生しません)
冒頭にデータを掲載しましたが、今回は日経平均もTOPIXも20%を大幅に上回りました。
更に、パニック売り・システマチック売りの傾向もあり、これはコロナショックと同様で「急激な調整(下落)は短期間での回復(上昇)」の可能性が高いことを示唆しています。
日本の企業は主要な3月決算企業で3年連続最高益を更新していて、今回の円高で全ての企業が深刻な業績悪化となる水準ではありませんし、
内部留保(企業の手元資金)も114兆円と潤沢。財務基盤は健全です。
そうした「ファンダメンタルズ」をもとにすれば、今の株価は「あまりにも売られ過ぎている」状況だと思われます。
よって、余裕資金がおありの会員さんには、その一部を日本株の投資信託に追加投資されることをお勧めします!とご案内させていただいた次第です。
ただ、「全部一気にはNG」「とにもかくにも冷静に!長期視点で!!(精神的にそれが難しいなら追加投資はNG)」といった条件付きでのお勧め。
みなさんの貴重な資産をギャンブルのように投じさせるアドバイスは、私たちは絶対にしません。
長期視点で資産をふやしていきたいけど、今の状況でどのように判断すればいいか困っていらっしゃる方は、すぐにアクションを起こす前に、信頼のおける金融アドバイザーや私たちのようなFPに相談してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あしたばFP・安藤
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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