「iDeCo(イデコ)はやらない方が良いとも聞くけど、実際はどうなの?」
「iDeCoに入るメリットがないのは、どんなケース?」
この記事は、そんな疑問がある方向けの内容です。
前回、iDeCo/イデコ(個人型確定拠出年金)を「やるべき人」の具体例をお伝えしましたが、今回は続編で「やらないほうがいい人」について解説します。
iDeCoは大きなメリットがある制度ですが、万能な制度ではありません。
どんな場合に「メリットが得られない」「デメリットの方が大きくなる」可能性があるのか、しっかりお伝えしたいと思います。
※前回の記事でiDeCoのポイントを含めて解説していますので、ご覧になっていない方はぜひチェックしておいてください。
これまで執筆した記事でメリット・デメリットなどをお伝えしてきましたが、今回は「入るべき人」の具体例を見ていきたいと思います。
(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
【再度おさらい】iDeCoのポイント
前回と重複しますが、もう一度簡単におさらいしておきましょう。
iDeCo(イデコ)の「特に重要なポイント」は、下記2点です。
- 原則60歳まで引き出すことができないため、着実に老後資金を貯めていくことができる(「強制力」が非常に強い)
- 掛け金が「全額所得控除」となり、収入(所得)が高いほど大きな節税効果を得られる
ここでの詳細説明は省きますので、こちらの記事(↓)もご参考ください。
iDeCoを「やらないほうがいい」のは、どんな人?
では、iDeCo(イデコ)加入をあまりお勧めできないケースを具体的に見ていきましょう。
今回も「ある側面だけを捉えた一般論」でお伝えしますが、本来は年齢や職業・収入、貯蓄状況、家族構成、今後のライフプランなどを含め総合的に判断すべきです。
下記に該当しても「総合的な判断で加入すべき」というケースもありますので、判断に迷った際はFPなど専門家のアドバイスを受けるようにしてくださいね。
やらない方が良いケース① 貯金ゼロ
前述の通り、iDeCoは60歳までの引出制限がある「老後資金づくり専用」の制度です。
失業や病気・ケガ等のトラブルが発生しても、原則引き出しはできません。(大規模災害などの時は引出しが認められる場合もありますが、極めて稀(まれ)です。)
そういった緊急時の資金を全く用意できていないと、家族からお金を借りたり、場合によっては消費者金融を頼ることになったり、、、イザという時は相当困るはずです。
ということで、「貯金ゼロ」の方はまず貯金!
iDeCoで老後資金を貯める前に、「何かあった時にすぐ使えるお金」を貯める優先度が高いと言えます。
まだiDeCoに入るのはやめておきましょう。
やらない方が良いケース② 「数年以内に使うお金」を急いで貯める必要がある
繰り返しますが、iDeCoは60歳まで引き出しができません。
どれだけ積み立てても、50代までに使う「教育資金」「マイホーム購入資金」「独立・起業資金」等には活用できないということです。
<例>
「3年後にマイホームを購入予定なので頭金を貯めたい」
「40歳の時に起業するつもりなので、資金を確保しておきたい」
このような『時期と目的が明確で』『優先度が高い(差し迫っている)』ケースでは、iDeCo以外の「短中期で引き出せる方法」で集中的に積み立てをすべきと考えられます。
逆に、他の資金を貯める優先度だけが高いわけではなく、
「子供の教育資金と自分達の老後資金を、並行して貯めていきたい」
といったケースでは「iDeCoと他の制度・商品をセットで活用」というやり方がオススメ。
制度・商品はバランスよく使い分けると良いでしょう。
やらない方が良いケース③ 収入が一定以下(または各種「控除」の額が大きい)
iDeCoの大きな魅力の一つが、節税効果。
払った掛け金の分を「全額所得控除」できることにより、負担する税金を抑えることができます。
しかし、この節税効果は万人に当てはまるメリットではありません。
前回も解説しましたが、「所得控除」は所得(収入)から一定金額を差し引くことによって、「本来納めるはずだった税金が減る」仕組みです。
ということは、「元々納める税金がない」場合はどうでしょう?
「いくら所得控除してもメリットはない」ということになりますね。
よって、このようなケースではiDeCoの所得控除によるメリットが「全くない」か「あってもごく僅か」となる可能性が高くなります。
<例>
- 専業主婦(主夫)で、お給料や事業収入はゼロ
- パートで働いているが、年収103万円以内に抑えているので、税金の負担はない
- 年収500万円、住宅ローンを組んで間もないため「住宅ローン控除」により納税がゼロになっている
どれも「あるある」パターンですが、こうした方がiDeCoを始めても、節税効果は期待できません。
60歳まで引き出せない「強制力」を何としても使いたい場合は始める意味もありますが、、、iDeCoに加入する優先度は低いでしょう。
「納める税金がなかったら、所得控除の意味はない」ということは、ぜひ覚えておくようにしてください。
やらない方が良いケース④ 今後、環境が変わる可能性が高い
これまでの①~③のケースに当てはまらないなら、「とにかくやるべき」なのか?
というと、それは違います。
今はよくても、今後環境が変わる可能性が高い場合は要注意です。
<例>
- いま妊活中で、子供が生まれたら当面は専業主婦でいるつもり
- やりたいことがあるためスタートアップ企業に転職予定だけど、収入は激減する見込み
- 配偶者が近々起業する予定で、軌道に乗るまでは貯金を取り崩すことになるかも
- 近々マイホームを購入予定で、大きめな金額の住宅ローンを組むつもり
前述の通り、iDeCoの「60歳までの引出制限」と「収入があってこその節税効果」という点から考えると、
加入後すぐにこうした変化があった場合は、「iDeCoを続けるメリット」があまりなくなってしまいます。
iDeCoは「積み立ての停止」「金額変更」もできるので、
「何かあったら止めれば(減らせば)OK」という考えたも間違いではありません。
ただ、積み立てを止めたり状況の変化で節税効果がなくなっても、「所定の手数料」は60歳以降に引き出すまでずっとかかり続けます。
安易に始めて → すぐ止めて → 節税効果はなく → コストだけ払い続ける
となってしまったら、何のために始めたのか分かりませんね。
上記のようなすぐに環境の変化が訪れる可能性が高い場合、基本的にはiDeCoに焦って加入する必要はないと思われます。
しっかりと今後のプランをふまえて検討しましょう。
まとめ
「iDeCoはお得と聞いたから、とりあえず始めてみよう」
という感じで、サクッと始める方もたくさんいらっしゃいます。
その行動力、素晴らしい!と思うのですが、今回例示したような「落とし穴」にハマり、直ぐに止めてしまうケースも良くあります。
iDeCoは制度上の観点からも、「積み立て投資」という側面からも、長く続けることで成果が期待できます。
「入ってすぐに止める」のを防ぐには、やはり最初の検討段階が肝心。ぜひこの記事でお伝えした内容をふまえてスタートしてください。
もしご自身で判断がつかない時は、専門家のサポートを受けましょう。
多少のコンサルティング費用を払っても、「iDeCoのデメリット」によるマイナスを防げるのであれば、十分価値があります。
上手にiDeCoを活用して、老後資金を着実に増やしていってくださいね!
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