お金の基礎知識

年間の貯金額、いくらが理想?

「コツコツお金を貯めようと思うけど、収入のうち【どれくらいの割合】を貯金に回せばいいのかな?」

「教育費や老後資金を貯めている人って、【年間貯蓄額】の平均はどのくらい?」

この記事は、そんな疑問をお持ちの方向けの内容です。

「世代別の年間貯金(貯蓄)額に関する統計データ」を確認しつつ、FPとして適正な割合をアドバイスします。

まずはクイズを解いてみましょう!

【クイズ】

総務省が2019年に実施した「家計調査(家計収支編)」によると、勤労世帯の平均貯蓄率はいくらでしょうか?

① 33.3%

② 25.8%

③ 16.9%

④ 7.4%

↓↓↓

 

↓↓↓(答えはこちら)

 

↓↓↓

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

正解は、です。

平均貯蓄率とは、「可処分所得*に対して、どれだけ貯蓄に回したか」を表すものです。

※可処分所得=収入-非消費支出(税金や社会保険料などの自由にならない支出)

世代別にまとめると、下記の通り。

平均貯蓄率「世帯主の年齢階級別」

  • 20代 42.8%
  • 30代 38.4%
  • 40代 34.6%
  • 50代 31.7%
  • 60代 23.4%
  • 70代 25.9%

(「勤労世帯」の統計ですので、いわゆる年金暮らしの世帯は含まれません。)

おそらく、かなり高いと感じた方が多いのではないでしょうか。

家計調査のデータは「高過ぎる」傾向

前述のデータをみて、「33.3%!?そんなの無理だよ」

と諦めそうになってしまった方、そこまで心配しなくても大丈夫です!

FPとしての現場目線で見ても、ハッキリ言ってこれは高過ぎだ思います。

「平均値」の考え方

これまでの「平均貯金額」についての記事でも解説しましたが、平均値は「すごく多い人・すごく少ない人」も含め「全ての回答結果の合計を、回答した人数で割る」ことによって出てくる数値です。

極端に言えば、「年収1億円超えで可処分所得5,000万円、毎年4,000万円貯蓄している」ような人のデータも取り込んでいます。

なので、家計調査は毎回のように一般生活者の肌感覚と乖離した数値が出る傾向にあります。

(逆に貯蓄率ゼロの人も取り込んでいるのですが、なぜかいつも高めに出ています。)

30代で毎年約200万円も貯金!?

例えば、先ほどの2019年「家計調査(家計収支編)」の詳細を調べると、30代の人は「毎年195万876円」も貯蓄に回しているようです。(可処分所得507万4,080円に対して)

30代でそれだけ多くの金額を貯蓄に回せる家庭が、どれくらいあるでしょうか?

FP目線で見ても、決して多くはありません。

他のデータだと…

金融広報中央委員会が2019年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」では、

【金融資産残高の1年前との増減比較】という項目があります。

要は、「1年前と比べて貯蓄を増やせたかどうか」ということですね。(積立型の保険や株式・投資信託なども含みます。)

で、その集計結果はと言うと、、、

1年前と比べて貯蓄が「増えた」の割合

  • 二人以上世帯 17.1%
  • 単身(独身)世帯 24.6%

いかがでしょう?

こちらはむしろ、相当シビアな結果ですね。

(ちなみに前述の30代で抽出すると、二人以上世帯は28.3%・単身(独身)世帯で32.6%になります。)

上記2つの統計からも分かるように、データのとり方は様々で、それによって数字は大きく変わります。

統計はあくまでも統計。

実態を100%反映するものではありませんから、参考程度に捉えていただければ大丈夫です。

では、どれくらい貯金に回すべき?

ということで、

「収入のうち、どれくらいを貯金に回すのが理想的か」を、

現実的な数字でお応えします。

答えは、「収入の10~20%」

なお、「額面の収入(会社員・公務員の方なら支給額)に対して数字」です。

(可処分所得だと自分で計算しなくてはならず、ややこしいのでそうしました)

金額ベースでもザッと見ておきましょう。

「収入の10%」の場合

  • 年収300万円 =年間貯金額30万円
  • 年収500万円 =年間貯金額50万円
  • 年収700万円 =年間貯金額70万円
  • 年収1000万円 =年間貯金額100万円

「収入の20%」の場合

  • 年収300万円 =年間貯金額60万円
  • 年収500万円 =年間貯金額100万円
  • 年収700万円 =年間貯金額140万円
  • 年収1000万円 =年間貯金額200万円

いかがですか?

「これくらいなら、なんとか」と感じた方も「ちょっと厳しいな」と思った方もいらっしゃるでしょうね。

一般論ではありますが、このくらいの金額を貯蓄(資産形成)に回していくと、教育費や老後資金などのまとまった資金を十分確保できると言われています。

ただ、あくまでも上記は目安であり、職業や家族構成、マネープランなど、個々人(各世帯)の置かれた環境や考え方によって大きく異なります。

先ほどの統計データと同様に、参考値として覚えておいてくださいね。

ゴールからの逆算が重要

これはいつもお伝えしていることですが、「平均」がいくらなのかは、みなさん個人においてあまり重要ではありません。

むしろ、「子どもの大学にかかるお金を、二人で1,000万円貯めたい」とか「なんとしても老後資金を2,000万円確保したい」といった目標を明確にすることが大事。

そこから逆算して、今の年金貯蓄額で達成できるかどうかを見極めないといけません。

前述の通り多くの場合、「年収の10~20%」程度の貯蓄をコツコツと続けることができれば、目標に到達できる可能性は高くなります。

既に目標が明確な方も明確でない方も、これを機に改めて、将来どんなことにお金がかかるか考えてみてください。

その上で「年収の10~20%」をひとまず目安にして、今の毎年の貯蓄状況と比較してみましょう。

問題・課題が明確になってくるはずですよ。

単純に「貯金」ではなく「積立投資」も検討しよう

ここまでいろいろとお伝えしましたが、「年間3万とか5万とかはどうしても厳しい」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

大丈夫!

金利が全然つかない貯金では限界があるかもしれませんが、積立投資なら、もう少し少額でも目標に到達できる可能性が高くなります。

「つみたてNISA」「iDeCo(イデコ)」など、積立投資をしながら税金がお得になる制度が、最近どんどん充実してきています。

そうしたやり方で、「毎月いくら」で「どれくらい」の貯蓄額を目指すことができるのか?

次の記事(↓)でしっかりとお伝えします。ぜひ、合わせてご覧ください!

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

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