同じ世代の人って、いくらぐらい貯金しているんだろう?
ふとしたタイミングで、気になる方も多いかと思います。
執筆者のFP安藤が30代なので、今回は30代に絞って「貯金に関するデータ」をまとめてみました。
まずは、一緒に予想してみましょう!
※2021年6月時点で公表されているデータを基にしています。
【クイズ】
直近の各種調査によると、30代の平均貯蓄額はいくらでしょうか?
① 700~800万円程度
② 500~600万円程度
③ 300~400万円程度
④ 100~200万円程度
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↓↓↓(答えはこちら)
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正解は、②です。
いかがでしたか?
思ったより多い・少ないと感じた方も、「そんなもんか」くらいに感じた方もいるでしょうね。
詳しく見てみると、、、
厚生労働省が2019年に実施した「国民生活基礎調査」によれば、世帯主が30代の1世帯あたり平均貯蓄額は、530万円でした。
また、金融広報中央委員会が2020年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、30代の金融資産保有額の平均は591万円でした。
(全く別の調査なのに、ほぼ一致していますね。)
ただし、同調査の[単身世帯調査]では327万円となっています。
クイズが「世帯」を基準にしているなら②が正解で、「単身」を基準にしているなら③が正解と考えておきましょう。
平均値と中央値
ここで、注意していただきたいことがあります。
平均値も参考にはなるのですが、もっと重視すべき指標として「中央値」があります。
前述の金融広報中央委員会が2020年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、30代の金融資産保有額の中央値は400万円でした。(平均値は591万円)
同調査の[単身世帯調査]では、中央値は70万円です。(平均値は327万円)
平均値と中央値の違い
平均値は、「全ての回答結果の合計を、回答した人数で割る」ことによって出てくる数値です。
そのため、極端に多い(または少ない)回答をした人がいると、全体の数値が実態とかけ離れてしまうことがあるのです。
ちょっと大げさな事例をあげると、
平均貯蓄額のアンケートで10人中1人が「1億円」、9人が「100万円」だったら、平均値は「1,090万円」になってしまいます。
これでは、ほとんどの人が「えー!そんなにないよ。このデータ、本当なの?」というような違和感を覚えるでしょうね。
しかし、中央値は全く別物!
中央値は、「回答結果を多い順(または少ない順)に並べた時、ちょうど真ん中に位置する人」の数値を意味します。
こちらだと「すごく多い人・すごく少ない人」のデータは除外されて、「だいたい真ん中くらいの人」のデータが分かるので、貯蓄額など一般生活者の調査では実態を反映しやすいのです。
先ほどの事例に当てはめると分かりますが、
10人中1人が「1億円」、9人が「100万円」だったとしても、中央値は「100万円」となります。
流石にこの事例はだいぶ極端でしたが、中央値は平均値の欠点をカバーしてくれるものなので、両方合わせて参考にすると良いでしょう。
実際、多くの30代の人はどれくらい貯金しているのか?
話題を「30代の人の貯蓄額」に戻します。
実際、平均的にはどれくらいなのでしょうか?
中央値が公表されている金融広報中央委員会のデータを振り返ると…
二人以上世帯の中央値は400万円、平均値は591万円。
単身世帯の中央値は70万円、平均値は359万円。
上記をふまえつつ、私たちがFPとして多くに「お金の相談」をお受けしてきた“現場感覚”でお伝えすると、およそこれくらいです。
30代・2人以上のご家庭は、400~500万円。
30代・単身(独身)の方は、200~300万円。
これまで、30代で資産5千万円とか1憶円という方は相談に来られたことがありません。
そうした「異常値」は除外することができているため、かなり実態に近い数字だと思います。
平均より少ない場合
以上、平均貯蓄額を見てきましたが、「自分は平均より少ないから、ヤバいのかな…」と不安になってしまう方もいるかもしれませんね。
大丈夫!そこまで気にしないでください。
そもそも、収入や家族構成など環境面も人それぞれ違います。
家を買ったばかりとか、一念発起して資格取得の専門学校に通ったとか、はたまた家族が大きな病気をしてしまったとか、事情も異なりますよね。
また、住む地域によって平均収入や物価も変わりますし、30代といっても「30歳と39歳」では大きな差が出て当然です。
あくまでも「平均」ですから、頭の片隅に入れておく程度で全く問題ないのです。
平均より多くても少なくても、「将来への備え」をしよう!
平均貯蓄額はそこまで気にしなくて良いと書きましたが、平均より多くても少なくても、考えておくべきことをお伝えします。
それは、「将来への備え」は確実に必要ですよ!
ということです。
多くの場合、30代は「今すぐに大きなお金が出ていくことは少ないが、ゆくゆくは必要になる」という世代です。
マイホーム関係、子どもの教育、親の介護、病気で働けなくなった時…
40代以降に出てくるこうした「ライフイベント」への備えは、どんな人でも必要です。
単純にコツコツ貯蓄するのもありですが、ぜひ「iDeCo」や「つみたて(積立)NISA」など国の制度を使った投資・運用なども取り入れて、
「お金を育てていく」ことを考えていただければと思います。
次回以降に、30代の方向けの「具体的な資産づくりの方法」をいくつかアドバイスさせていただきます。
お楽しみに!
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo・つみたてNISA等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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