時事ネタ

2度目の緊急事態宣言、経済への影響は?

「2度目の緊急事態宣言が出たけど、経済にどんな影響があるのかな?

この記事は、そんな疑問をお持ちの方向けの内容です。(2~3分程度でお読みいただけます)

2021年1月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府より1都3県に対し「緊急事態宣言」が発令され、その後対象地域は11都府県まで拡大されました。

この新型コロナによる2度目の緊急事態宣言が、経済にどのような影響を与えるのか。

金融・経済に関する専門の知識や投資・運用等の経験があまりない「初心者」の方向けに、ザックリと解説したいと思います。

とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。

民間各社・専門家による試算(予測)

この度の緊急事態宣言「再発令」によって経済にどの程度の影響が及ぶのか、民間のシンクタンク*やエコノミスト*が独自の計算式で予測しています。

なお、影響の度合いを数字で把握するために各社が指標としているのは、GDP*です。

※シンクタンクとは:政治経済や社会政策、化学技術、文化など幅広い分野の事象や課題について調査・研究し、解決策の立案・提言を行う機関のこと。

※エコノミストとは:経済に関するデータや企業活動などを調査・分析し、経済情勢・企業業績などを予測する専門家のこと。

※GDPとは:国内総生産と言われ、国内で一定期間内に生み出されたモノやサービスの「付加価値」の合計額のこと。いくつかの側面があるが、「企業がどれだけ利益をあげたかを把握できる指標」と覚えておけば問題ない。GDPが以前よりもプラスになれば経済は成長(拡大)しているということで、マイナスになれば経済は衰退(縮小)していることになる。

各社・専門家が試算したGDPの減少幅(抜粋)

MRI(三菱総合研究所)・武田氏

1都3県のみ・1ヶ月間 ▲0.53兆円(年間GDP押し下げ効果▲0.1%)

全国・1ヶ月間 ▲1.33兆円(年間GDP押し下げ効果▲0.25%)

第一生命経済研究所・永浜氏

1都3県のみ・1ヶ月間 ▲1.4兆円

11都府県・1ヶ月間 ▲2.3兆円

みずほ証券・小林氏

1都3県のみ・1ヶ月間 ▲0.6~0.7兆円

11都府県・1ヶ月間 ▲1.2兆円

法政大学大学院教授・真壁氏

1都3県のみ・1ヶ月間 ▲1.3兆円(年間GDP押し下げ効果▲0.2%)

1度目の緊急事態宣言よりも「マイナス幅は少なくなる」可能性が高い

ここからは、上記試算がどのような根拠でなされているのか、ポイントを解説していきます。

結論から言うと、今回の緊急事態宣言再発令によるGDPのマイナス幅は「1度目の緊急事態宣言よりも少なくなる」というのが、大方の予想です。

2020年4~5月に初めて緊急事態宣言が発令された時の経済への影響は、次の通りでした。

  • 同年4~6月期の個人消費:前年同期比▲6.1兆円(▲8.3%)
  • 同年4~6月期のGDP:▲11.3兆円(▲8.3%)

各社・専門家によってかなりバラつきがあるものの、これを下回る規模になると試算しています。

その根拠は次の通り。

対象地域が限定されている

ご存知の通り、2度目の緊急事態宣言の対象地域は1都3県から11都府県に拡大されたものの、1度目のように全国ではありません。

全国のGDPに占める1都3県の割合は3分の1程度、11都府県だと60%程度と言われていますので、前回のGDP減少幅よりは抑えられる可能性が高いという訳です。

既に「自粛モード」で消費が抑制されている

コロナ禍に突入した2020年2月頃から、およそ1年が経とうとしています。

長らく「自粛モード」を続けてきた生活者の多くは、新しい生活様式という名のもとに、コロナ前と比べ「旅行」「レジャー」などの外出を伴う消費を控えているのではないでしょうか。

よって、「Beforeコロナ→感染拡大」という前回の状況と違い、「Withコロナ→感染再拡大」という状況におけるGDPのマイナス幅は、ある程度限定的になると考えられるのです。

「コロナ慣れ・コロナ疲れ」による宣言効果の不透明さ

約1年かに及ぶコロナ禍の影響で「コロナ慣れ・コロナ疲れ」状態にある人も多いと言われます。

そんな中、今回の緊急事態宣言による「行動変化」は、1度目ほど期待できない可能性もあります。

仮にそうなれば、結果的には消費行動の抑制も限定的になるので、GDPの減少幅も抑えられるというわけです。

今後の展開次第では、前回よりも深刻な影響になる恐れも

ここまで解説した内容でいくと、単純に「前回よりは大したことなさそうだ」と聞こえてしまうかもしれません。

しかしながら、それは誤解です!

上記の試算は、あくまでも緊急事態宣言が「現在の内容・対象地域」で実施され、「予定通り1ヶ月で解除」された場合のもの。

2ヶ月に延長されれば単純に少なくとも「マイナス幅が2倍になる」と言われていますし、

医療崩壊により完全な都市封鎖(ロックダウン)が発動されるようなことがあれば、経済にもっと深刻な影響が及ぶ可能性があります。

実際、家計調査の個人消費支出のうち「不要不急」の消費項目(全体の50%強)が全て失われると仮定した場合は、これくらい減るという試算もあるくらいです。

NRI(野村総合研究所)・木内氏

1都3県のみ・1ヶ月間 ▲4.89兆円(年間GDP押し下げ効果▲0.88%)

全国・1ヶ月間 ▲14.0兆円(年間GDP押し下げ効果▲2.53%)

1都3県のみ・2ヶ月間 ▲9.78兆円(年間GDP押し下げ効果▲1.76%)

全国・2ヶ月間 ▲28.0兆円(年間GDP押し下げ効果▲5.06%)

ご覧の通り、こちらは前述の2020年4~6月期のGDP減少幅よりもだいぶ大きくなっています。

当然ながら期間が長くなればなるほど影響は大きくなりますし、ロックダウンとなれば日本では「今までに経験したことのない出来事」ですから、影響は計り知れません。

そうしたリスクもあることを、しっかり認識しておくべきと言えますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回お見せしたデータはあくまでも、仮説を立てた上での試算。

最終的にどうなるかは神のみぞ知るところですが、いろいろな可能性を認識しておくことで冷静に対処することができるはずです。

決して楽観視することなく、2度目の緊急事態宣言が経済に及ぼす影響を注視していきましょう。

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo・つみたてNISA等の活用法と注意点から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

大好評「無料オンラインセミナー」も随時開催中!

FP相談のお申込みはこちら

メルマガ登録はこちら

この記事が気に入ったら
いいね ! をお願いします

Twitter で
} =<<<_EOD_
×
あてはまるものにチェックしてください。
問1 : NISAを活用している
問2 : 確定拠出年金(iDeCoまたは企業型DC)に加入している
問3 : キャッシュレス決済(クレカや●●Payなど)を積極的に利用している
問4 : ポイント投資をしている
問5 : ふるさと納税を活用している
問6 : 毎月の収入と支出を把握している
問7 : 5年以内に保険を見直した
問8 : ねんきん定期便を毎年チェックしている
問9 : 入院・通院費などの医療費が多くかかった年は、確定申告をしている
問10 : 金銭面で不安なこと・モヤモヤすること(複数選択可)