「投資はギャンブルでしょ?」という声がいまだに見受けられます。
じつはこの考え方は日本人にありがちな間違い。投資に対して正しい認識ができていない場合がほとんどです。
そこでこの記事では、投資がギャンブルではない理由や日本人が陥りがちな考え方について解説します。
投資はギャンブルではない!投資と投機との違い
そもそも「投資」とは何でしょうか?一般的には株や投資信託を運用するイメージが多いと思いますが、そのなかには「チャンスを見つけて売り買いをする」イメージも強いのではないでしょうか?
じつは、このイメージこそが投資をギャンブルと思わせている原因です。本来投資は頻繁に売り買いをするものではなく、コツコツ積み上げていくもの。チャンスを見つけて売り買いをすることは「投機」といいます。
まずはコツコツ積み上げる「投資」と、チャンスを見つけて売り買いをする「投機」の違いについて解説します。
投資はお互いに得をする目的から生まれたもの
投資とは、主に企業に対して成長を長期的に見込んで資金を投入し、将来的な利益の一部の還元を受けるものです。
ここで覚えておきたいのが、投資とは、投資した人と投資を受けた企業が、お互いに得をする目的から生まれた仕組みだということです。投資された組織は組織の活動資金を得ることができ、投資した人は還元を受けることができます。しかもこの関係は一度切りではなく、株を保有している限り続きます。
投資がギャンブルであるなら、投資をした人と投資を受けた組織の間には「勝ち負け」が存在するはずです。
ギャンブルとは、複数の人たちから集めたお金を原資として、勝者に対して賞金を払う仕組みですが、投資における2者間の関係は「持ちつ持たれつ」です。
投資にギャンブル的なイメージを持っている方は、まず投資の根本的な目的に目を向けてみましょう。投資とは、投資をした人と投資を受けた組織の両方が、長期的な信頼関係のもとに、お互いに得をするために作られた仕組みなのです。
投機は勝者と敗者が存在するギャンブル的なもの
投資はギャンブルではなく「持ちつ持たれつ」であると言いましたが、一方で「投機」は勝者と敗者がハッキリしたギャンブル的なものです。
投機とは、不確実な利益を狙って獲得しようとする行為です。投資の世界でいうと「短期間の値動きの差により利益を得ようとする行為」であり、読み勝った人が勝者、読み負けた人が敗者になります。
また、投機の世界には、投資をした人と投資を受けた企業の信頼関係はありません。単純な数字の世界で、そこにあるのは値動きの読みに対する勝ち負けだけです。
なぜ日本人は投資をギャンブルだと思いがちなのか
投資と投機はまったく違うものであると説明しましたが、なぜ日本人は投資をギャンブルと思いがちなのでしょうか?
主な理由として、「投資と投機の勘違い」や「投資経験の少なさ」、「日本における投資教育の機会の少なさ」が挙げられます。それぞれ一つずつ紐ほどいていきましょう。
投資を投機と勘違いしている場合が多い
投資をギャンブルと勘違いしている一番の原因は、投資と投機の混同です。投資は資産増減のインパクトが大きいため話題性が強く、短期間に多くの資金を手に入れる人も出てきます。それを「投資で儲けた」と話題にするため、「投資=投機」のイメージが強くなってしまうのです。
また、投機に関する話が、一般的には「投資」という名で語られているのも原因の一つです。「投資で儲けた」という話を見かけたら、設けた手法が投資なのか投機なのか、冷静に判断することを忘れないようにしましょう。
投資経験がない人が多い
日本人の多くが投資と投機を勘違いしてしまう理由の一つに、投資経験の少なさがあります。日本はまだ投資が浸透していない国で、多くの方が資産の多くを預金で保有しています。
日本 | アメリカ | ヨーロッパ | |
現金・預金 | 54.3 | 13.7 | 34.5 |
株式等・投資信託・債務証券 | 16.0 | 55.0 | 31.5 |
保険・年金・定型保証 | 26.9 | 28.6 | 31.9 |
単位(%)
参照:資金循環の日米欧比較(日本銀行)
投資経験がない人が多い理由は一口には言えませんが、終身雇用や年功序列を中心にした雇用制度や、物価上昇率の低さなどが一因にあると考えられます。これまで、雇用状況が比較的安定しており、長期的に収入が増えていく社会構造であったため、投資を必要としなかった可能性があります。
しかし、2022年から日本では急激な物価上昇が続いており、政府を中心に投資の必要性が叫ばれるようになりました。2024年からはNISA制度の刷新もあり、日本でも本格的に投資を考えるべき状況が始まっています。
投資を始めとした資産形成教育の不足
投資に対する認識の誤りは、多くの場合知識不足からもたらされます。そして、日本におけるこの状況を生み出している要因の一つが、資産形成教育を受ける機会の少なさです。
日本では小学校から高校まで、投資や資産形成について本格的に学ぶカリキュラムは用意されていません。経済専攻の場合は別ですが、多くの場合社会に出るまで、投資や資産形成を理解する機会はほぼないのです。
一方、投資教育でよく話題に出るアメリカでは、学生のうちから投資教育が行われています。若いうちから自らの人生設計を考え、そのための手段として投資のゲインやリスクを学んでいるそうです。
近年日本でも投資や資産形成の教育が必要だという声が増えています。若いうちから正しい知識を身につけておくことで、社会に出てからの人生設計やお金の使い方などを具体的に考えられるようになるのではないでしょうか。
知識ゼロから投資を始めるための4ステップ
投資がギャンブルでないと分かれば、将来のために投資をしたいと思う方も増えるはずです。しかし、いざ投資を始めるにしても、どんな手順で何をすればいいのか分からなければ手が出せないのではないでしょうか?
投資を始めるには、一般的に以下の4ステップで進めていきます。
- 正しい知識を身に着ける
投資の基礎知識を学び、自分で理解・判断できる土台を作る - 家計の余剰予算を明確化する
投資に使える予算がどれくらいあるのか、家計を整理して余剰予算を明確化する。このとき、必要に応じて固定費削減や変動費の節約などを行う - 目標額・期間・予算を設定する
投資をする目標額と期間を設定する。決まった目標額・期間から必要な予算を逆算する。予算が不十分であれば、目標額・期間のいずれかまたは両方を見直す - 投資法と商品を選ぶ
3で設定した目標額・期間・予算から、達成するために適した投資法と商品を選定する。初心者のうちは、FP(ファイナンシャルプランナー)のようなお金のプロに相談しながら考えるのがおすすめ
投資を始めるには、まず投資を始められる土台作りからスタートします。知識は投資を始めてからでも学べますが、手法や商品の特徴や払うべき手数料、納めるべき税金などの基礎知識は必ず学んでおきましょう。
また、投資予算は多いほど良いわけではありません。投資はあくまで余剰資金で行うもので、そのために家計の整理や節約、固定費削減などは必須です。このとき、節約癖を付けておきましょう。
投資の世界には、コツコツ貯めたお金が減りにくい性質を表した「ガイアの法則」というものがあります。元手を増やして投資の効果を早く得るためにも、節約とコツコツを実践できるようにしておきましょう。
ここまで実践できたら、具体的な方法と商品を決めます。基礎知識を学んでいても、初めて買うときは不安だと思いますので、まずはFPのようなプロに相談しながら決めましょう。担当のFPを決めておけば、長期的に付き合える頼もしいサポーターになってくれるはずです。
投資は人生の選択肢を広げてくれる存在
多くの日本人が抱きがちな「投資=ギャンブル」というイメージは、投資と投機の混同や投資経験の少なさ、そして基礎知識の少なさなどから来ています。
本来投資は投資をする人と投資を受ける組織がWin-Winになるための仕組みで、同時に信頼関係から成り立っているものです。
そして、正しい手順を踏めば、投資は人生の選択肢を広げてくれる頼もしい存在になってくれます。投資のリスクに目が行きがちな方は、まず投資の正しい知識を学ぶところから始めてみてはいかがでしょうか。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からNISA・ジュニアNISAやiDeCo/イデコ・企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
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