「車(マイカー)の維持費って年間でどれくらいかかるの?」
「自動車保険料やガソリン代の他にも費用がかかるの?」
今回は、そんな疑問をお持ちの「マイカー(自家用車)購入を検討している人」および「マイカーをお持ちの人」向けに、車の維持費(ランニングコスト)について解説します。
特に地方に住む人の場合は車は生活必需品であることが多く、維持費としてどれだけのお金がかかるのか知っておくことは非常に大切です。
維持費をできるだけ抑える方法もご紹介しますので、ぜひご確認ください!
車(マイカー)の維持費は4種類
車の維持費を考える場合、以下の4種類に分けることができます。
- 税金
- 保険
- 走るための費用
- メンテナンス代・駐車場代
それぞれの費用の概要や具体的な金額を以下で確認しましょう。
①税金
住宅を保有している場合に税金がかかるように、車を持っている場合にも税金が課せられます。
車に課せられる税金は重量税と自動車税・軽自動車税の2種類です。
重量税
重量税はその名の通り、車の重さに応じた税額が課されます。(ただし、軽自動車は重さに関わらず定額で年3,300円です。)
重量税は車の新規登録時と車検の際に、車検証の有効期間分をまとめて支払います。
自家用車の場合、車の重さ0.5トンごとに税額が変わる点を覚えておきましょう。
平均で年1~2万円程度を重量税として支払う必要がありますが、新車の新規登録から13年以上、18年以上経つとそれぞれさらに税額が上がるという特徴があります。
なお、国土交通省のサイトでは次回の重量税を確認することができます。
自動車検査証等に記載されている車台番号が必要ですので、準備した上で照会してみましょう。
自動車税・軽自動車税
自動車税・軽自動車税は、毎年4月1日時点での車検上の所有者に対して自動的に付加される税金です。
税額は用途と総排気量によって算出され、軽自動車は一律10,800円です。
一般的な自家用車であれば、総排気量が1リットル以下の場合は25,000円、2.5リットル超3.0リットル以下なら50,000円と、総排気量によって数万円単位の差が生じることがわかります。
車の購入時には総排気量にも注目してみると良いでしょう。
②保険
続いては自動車保険(料)について解説します。
車に関わる保険は自賠責保険と任意保険の2種類あり、特に自賠責保険の加入は必須です。
それぞれの保険(料)の詳細は以下の通りです。
自賠責保険
自賠責保険は、交通事故による被害者を救済するために基本的な対人賠償を確保するために全ての車に加入が義務付けられています。
そのため、強制保険を呼ばれることもあります。
自賠責保険料は車種と保険期間によって異なります。
例えば自家用乗用自動車で、12ヶ月契約の自賠責保険の場合は12,700円、24ヶ月契約では20,010円です。
軽自動車の場合、12ヶ月契約では12,550円、24ヶ月契約で19,730円です。
普通車、軽自動車共に、自賠責保険として年間約1万円ほど必要だと考えておきましょう。
なお、ここで注意したいのが自賠責保険は対物賠償(他人を死傷させた場合の補償)のみで、物損補償(物を壊した場合の補償)が付加されていません。
また、仮に事故時に自分自身が大きなケガを負ったとしても、その治療費はカバーされません。
車を運転する場合、どのような事故を起こすかわからず、そのためには任意で加入する自動車保険への加入が必要と言えます。
自動車保険
自賠責保険とは異なり、自動車保険は任意加入です。
加入は任意ですが、先述のように自賠責保険ではカバーできない補償範囲を自動車保険で補うために、多くの方が加入しています。
自動車保険は民間の損害保険会社からさまざまな商品が販売されており、保険料は運転者の年齢や車種、補償範囲によって大きな差が生じます。
また、ゴールド免許であれば保険料を割り引いてくれることが多く、安ければ数万円で済むこともあれば、10万円を超えることもあります。
各損害保険会社のホームページで保険料の見積りが可能ですのでぜひ利用しましょう。
③走るための費用
税金や保険の他にも、車の維持費としてガソリン代が必要です。
また、遠出する機会が多い場合はその分、高速道路の利用代金もかかってきますよね。
ここでは走るための費用としてこれら2つの費用の詳細を解説します。
ガソリン代
ガソリン代は平均で月1万円程度と言われていますが、走行距離や燃費に大きく左右されると言わざるを得ません。
個人差が非常に大きい部分であるため、車の使用頻度が高い場合は、燃費を重視して車を購入するなど工夫すると良いでしょう。
高速道路の利用料金
高速道路の利用料金についても、ガソリン代同様、非常に個人差が大きい項目です。
高速道路を利用する距離や回数で必要な費用は異なります。
利用履歴を適宜確認し、おおよその費用を確認しておくことが大切です。
④メンテナンス代・駐車場代
車の維持費として、メンテナンス代や駐車場代もかかります。
中でも車検代は車の維持費として大きな割合を占める費用ですので、この機会に詳細を正しく理解しておきましょう。
車検代
車検の正式名称は自動車検査登録制度です。
安全性の確保や公害防止の観点から点検・整備・検査の工程があり、国が定める基準を満たしているかどうかチェックします。
新車の登録から3年目が初回検査、その後2年ごとの検査が義務づけられています。
車検はディーラー、ガソリンスタンド、民間整備工場といった場所で受ける必要があり、安ければ数万円程度、高い場合は10万円近くになると覚えておきましょう。
修理・部品交換代
車検を受けることで車の状態を適宜チェックしているとはいえ、故障や不具合が起こることも考えられます。
この場合は別途修理代が必要になり、さらにタイヤは5年に1回の頻度で交換が必要と言われています。
タイヤの種類によって差があるものの、1回5~10万円程度かかるため、部品の交換代としての費用も予め想定しておきましょう。
駐車場代
例えば戸建てに住んでいて、自宅の敷地内に駐車スペースを確保できる場合は駐車場代は不要ですよね。
しかし、たいていは自宅とは別のスペースに駐車する必要があるため、別途駐車場代がかかります。
地域差が大きく、地方では1ヶ月数千円~1万円で済むことが多い一方、都市部では数万円かかることもあるでしょう。
駐車場代が固定費として家計を圧迫することのないよう、収入と支出のバランスを加味しながら駐車スペースを検討しましょう。
年間の維持費は結局いくら?
ここまで、車の維持費の詳細を確認しました。
車の維持費は個人差が非常に大きいものの、一般的な維持費として、軽自動車は最低でも年間10万円前後、普通車であれば10~20万円前後の維持費がかかると考えておきましょう。
月額に換算すると、軽自動車で数千円~1万円前後、普通車であれば1万円~2万円ほどです。マイカー購入後の収支の把握のためにもぜひ参考にしてくださいね。
維持費が安いのはやはり軽自動車
任意保険や駐車場代は個人差が大きいため、維持費として把握しやすい税金や自賠責保険料を比べると以下の通りになりました。
軽自動車 | 普通車 | |
重量税 | 3,300円 | 1~2万円 |
自動車税・軽自動車税 | 10,800円 | 25,000円(総排気量が1リットル以下と仮定) |
自賠責保険(12ヶ月契約) | 12,550円 | 12,700円 |
合計 | 26,650円 | 47,700~57,700円 |
車そのものの維持費を考えると、やはり軽自動車のほうが維持費が安いことがわかります。
「維持費を考えると軽自動車のほうがいいかも…?」と思う人もいるでしょう。
用途や使用頻度を考えると維持費が安い軽自動車のほうが適しているということもあるため、ライフスタイルを考えて車を購入しましょう。
車の維持費をできるだけ節約するために
車検代や保険料、さらに修理代… 車の維持費は想像以上かもしれません。
車の維持費は固定費となることが多く、少しでも負担を減らしたいと思う方が多いでしょう。
軽自動車など、燃費の良い車を選ぶことはもちろんですが、ここでは維持費の節約方法として以下の2つの方法を解説します。
- 任意保険を見直す
- カーシェアやカーリースを利用する
任意保険を見直す
先述のように、自動車保険は運転者の年齢や補償内容に応じて保険料が大きく変わります。
「保険の見直しはめんどくさい」と感じる人もいるかもしれませんが、数年前に加入したままになっている自動車保険では、現状に合っていない可能性もあります。
必要な補償を確保し、無駄をなくすためにも任意保険はできれば3年に一度は見直しましょう。
また、最近ではインターネットで加入することで保険料を割り引いてくれる保険会社もあります。
複数の保険会社のプランを比較し、できるだけ安い保険会社を選ぶように工夫するのも良いですね。
カーシェアを利用する
たとえ年に一度しか車に乗る機会がないとしても、車検代や自動車税は必要です。
車を所有することが果たして最適なのか、今一度、冷静に考えてみましょう。
近年はカーシェアが盛んで、短時間の利用であればカーシェアが非常にお得です。
カーシェアの場合、そもそも車を購入する費用もかからないため、家計や貯蓄への影響も抑えられます。
車の維持費が気になる人は、思い切って車を手放す、もしくは購入しない選択肢も考えましょう。
まとめ
今回は車の維持費について解説しました。ポイントは以下の3点です。
- 車の維持費として、税金・保険・走るための費用・メンテナンス代がかかる
- 軽自動車のほうが維持費が安いことが多い
- 任意保険の見直しやカーシェアの利用を検討することで維持費を抑えられることも
車の維持費は決して安い金額ではなく、ライフスタイルによっては車を持たない選択肢が適切かもしれません。
固定費として大きな支出になることの多い車の維持費。
維持費の詳細を確認し、「減らせる部分はないか」「本当に車を持つ必要があるのか」と振り返ってみてはいかがでしょうか。