2020年5月21日の未明、「こうのとり」9号機を乗せたH-2Bロケットが種子島宇宙センターから打ち上げられました。
「こうのとり」とは?
「こうのとり」とは、地上から約400㎞上空に建設された国際宇宙ステーション(ISS)へ生活物資や実験装置、研究用資材などを運ぶための無人の補給船のことです。
2009年に1号機が打ち上げられてから、今回で9回目。
そして、この9号機で運用終了となりました。
これまでの「こうのとり」全ての打ち上げに成功し、ISSへの物資補給の重要任務を担ってきたこと。
ISSへの接近、結合時にランデブー&キャプチャー方式を成功させた初めての補給船ということ。
【ランデブー&キャプチャー方式とは?】
宇宙ステーションによる「こうのとり」のキャッチのこと。
秒速約8キロ(!)で飛ぶ「こうのとり」を、同じ速さで飛ぶ宇宙ステーションがロボットアームでキャッチする。
日本が独自に開発した技術。
1号機から連続9回、100%の成功率を誇る「こうのとり」の運用。
世界のスタンダードになり、揺るぎない安心と信頼を得た日本の技術力。
すばらしいですね!
もの凄い偉業(適切な言葉が見当たらず歯がゆいのですが)だと感じています。
ロケット打ち上げと、ランデブー&キャプチャー方式によるドッキングは、YouTubeライブで観ました!
とにかく、ワクワクと感動で。
明るい話題の少ないここ数ヶ月の中で、ときめいた瞬間でした。
未来に希望を持てるこのような素晴らしい話題。
こんな時だからこそ、もっと大々的に報道してほしいと感じます。
米国の宇宙事業
その約10日後の5月31日明朝(日本時間)、アメリカの宇宙開発事業スペースXが、フロリダ州のケネディ宇宙センターからロケット「ファルコン9」の打ち上げに成功しました。
今回は、NASAの宇宙飛行士2名を乗せた宇宙船「クルードラゴン」を乗せて。
意外だったのは、アメリカ国内からアメリカ人が宇宙に飛び立つのは、スペースシャトルの有人飛行計画を9年前に中止して以来のことだったということ。
この打ち上げ成功は、NASAと民間企業がタッグを組んで成し得た、アメリカの悲願だったのかもしれません。
今回搭乗した宇宙飛行士は、過去にスペースシャトル「エンデヴァー号」で宇宙飛行に成功した2名のベテラン飛行士。
飛行士にとって、軌道上での最初の仕事のひとつに、宇宙船に名前をつけるというのがあるそうですが、アメリカでは最初の有人飛行計画「マーキュリー計画」の時からこの伝統が続いているそうで、2人の宇宙飛行士は地球への連絡でこの宇宙船を「エンデヴァー(努力・試み)」と呼ぶと発表しました。
エンデヴァーという名前は、18世紀のイギリス人探検家の船にちなんでいるそうです。
この先、宇宙事業が開発のみならず、産業・ビジネスにも広がりを見せる時代が見えてきますね。
文章を書きながら、熱くなってきます(笑)
日本のベンチャー企業も頑張っています!
今から1年ほど前、インターステラテクノロジズ株式会社の稲川社長の講演を聴きに行きました。
日本で初めて民間ロケット(MOMO3号機)が宇宙空間に到達した!というニュースはまだ記憶に新しいですが、その偉業を成し遂げられた直後の講演でした。
(ホリエモンロケットとも言われて話題にもなりましたね)
何度かの失敗の後の大きな目標達成だったゆえか、会場の参加者からは
「折れない心はどのように身に付けたのですか?」
という質問も。
「心が折れそうになった時は、ありたい未来を見ます。遠くを見る。失敗は過程のひとつだと思うようにしています。」
とのこと。
目指すものがあれば、強くなれるのでしょうか。
その先にある成果は測り知れなく、終わりはないようにも思います。
人類の『新しい何かを産み出す力』というものは、果てしないですね。
想像もつかない未来を創っていけそうな予感。
開発の対象だった宇宙が産業やビジネスの対象となり、いつか生活の一部になる日が来るのはそう遠くないかもしれません。
まだまだ、色々な未来予想図を描けそうで楽しみですね!
横浜のFPオフィス「あしたば」
ファイナンシャルプランナー 福永 涼子